« 5/24② 相続税の課税強化へ | トップページ | 5/25 政治がダメで宗教がOK »

2006.05.24

5/24 年金不正免除は制度設計の問題だ

社会保険庁が、保険料免除措置の申請もしないで保険料を払っていない人に保険料免除を行っていたということがマスコミや国会で袋だたきにあっている。ダメな年金制度を創った政治家たちの尻ぬぐいで、大阪の社会保険庁の局長が更迭された。嫌な感じがしてならない。

更迭はやりすぎだが、懲戒はありうる。しかし、それなら、そんな現場が暴走するような制度設計した政治家どもも責任があるはずだ。年金の危機とモラルハザードは国民年金に象徴的に現れており、国民年金を含む一元化とか、税方式に移行するとか、いろいろな提案がされていたのに、そうしたシステム改革を全部一蹴した。そして年金財政の帳尻あわせだけの制度改正と、それから目をそらすように職員の不正行為をしつこくマスコミにリークして現場職員を雇用不安に陥れ、年金保険料の収納率のアップだけを目標にしたことだ。


何もしないで、収納率だけ上げるというのだから、やれることは限られている。暴力団でも雇って集金させるか、書類の上で誤魔化しをやるしかない。今回のことで言えば、書類の上のごまかしで、誤魔化された人こそ得をしているのだから、やむを得ない。

そもそも国民年金の保険料免除制度などというものが歪んでいる。
国民年金保険料は人頭税で、毎日拾った週刊誌売って、月収30000円の人も、月収1000万の大金持ちも同じ保険料しか払わなくてよい。人頭税に等しい国民年金保険料による財源のまま、投資先が宿泊施設から、株や債券に変わっただけなのだ。証券会社とつるんだ人がトップになれば、体よくボロ株の引受先に使われることだろう。
もちろん貰える年金も一緒だけど、月収3万円の人が苦労して月6万5000円しか貰えなければ、月収1000万の人も6万5000円しか貰えない。ないよりましな制度でしかない。政府は貧乏人や学生向けに免除制度があります、と盛んに宣伝し、免除制度の枠をどんどん広げている。そして免除制度が適用されれば「収納率」の分子にカウントされて収納率が上がるしかけだ。
しかし、免除といってもその分しっかり年金はカットされる。したがって貧乏な人はより貧乏な年金になってしまうだけなのだ。結局、その分は生活保護で埋め合わせるわけで、国民年金は損得以前に、払わない奴がトクする制度になってしまっている。

今回の大阪の問題は、大臣とそれ以上の、政治責任でもあると思う。アイフルもJR西日本もそうして現場の暴走の責任を取っている。年金のとりあえずの改革が終わりようやく本質的な年金の議論を始まろうという矢先に、うやむやにして衆議院を解散した小泉首相の責任は大きい。

|

« 5/24② 相続税の課税強化へ | トップページ | 5/25 政治がダメで宗教がOK »

コメント

 いつも拝見しています。
 今回の社会保険の問題は、中間職制までの当局には「収納率を少しでも上げさせること」とする国民世論を背景にした社保庁幹部による強い圧力による結果と、現場職員レベルでは、免除制度が適用されることで、しばらく前に問題となった「学生無年金者などが事故で障害を有してしまった場合」の無年金状態を回避するための手法として「免除制度を適用させて、無年金者を無くそう」という思いが相互に働き、結果的に当局・現場が一体となり、被保険者の了解を得ることなく免除手続きに走ってしまったものだと思います。
 厚生労働大臣が「社会保険庁解体後の、新組織に移行する際の採用判断基準にする」との言い方は、かつての国労のような選別採用が行われる気がして、背筋が寒くなる思いです。

投稿: けたろう | 2006.05.24 21:17

けたろう様コメントありがとうございます。
社会保険庁がらみの問題が発生するたびに真因分析されずに、社会保険庁職員叩きになる意図には、国労のような選別採用が待っているのだと思います。与野党一緒になって責任者の責任を追及しないで、職員たたきに奔走する、何かへんだし、嫌なものを感じてニュースを見ています。一時は父までマスコミに影響されていて、是正するのに根性がいりました。

投稿: 管理人 | 2006.05.24 21:31

素朴な疑問です。
今回の事件は、「公文書偽造」に相当する刑事事件と思うのですが、・・・?
勝手にTB付けさせていただきました。
不快であればはずして下さい。

投稿: けんおじ | 2006.05.30 21:20

不快というより、そういう考え方の人にわかってもらいたくて書いていますのでOKです。
確かに公文書偽造かも知れませんが、この程度のことで刑事事件になるかというと微妙なところです。誰も実害がないので、赤信号を渡ることが違反ではあっても摘発されないのと同じようなものです。
これは法律違反と細かく議論していくのもいいのですが、それで安心と信頼の年金制度になるか、というと違う感じがしています。むしろ、こんな年金制度を放置したままで、現場だけにプレッシャーを掛ける営業をやれば、どんな会社も不祥事を誘発するものです。
いくら楽しいからと社会保険庁の職員バッシングをやるよりも、もっと自分たちの年金がどうなっていくのか、ほんとうの現実主義に立たないと、とんでもないことになりそうな予感をしています。

投稿: 管理人 | 2006.05.31 01:00

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/44442/10224352

この記事へのトラックバック一覧です: 5/24 年金不正免除は制度設計の問題だ:

» 年金不正免除について。・・・更迭じゃなく、公文書偽造の刑事事件 [Urban Green Life                   街にもっと緑を・・・            兼定興産の屋上緑化土「かるいちばん」]
今日の各紙面では、社会保険庁の「年金不正免除」の記事がデカデカと載っていました。 日経には、「関係職員を更迭する。」と載っていましたが、それだけで済むのでしょうか? この事件は、公務員の職務怠慢というよりも、「公文書偽造」あるいは「その幇助」に当たると思います。 そうであれば、政治の問題だけではなく、犯罪に相当し、当然刑事事件として取り扱うべきです。 警察・検察関係者が今後どのような判断を下すのかが楽しみですが、・・・ 少なくとも、犯した犯罪はホリエモンよりもヒドイんじゃな... [続きを読む]

受信: 2006.05.30 21:07

« 5/24② 相続税の課税強化へ | トップページ | 5/25 政治がダメで宗教がOK »