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2006.05.22

5/23③ 「多様な保育」という誤魔化し言葉にダメ出し

十分な合意なく保育所の民営化をした横浜市に賠償判決が出る。

民営化がダメということではなくて、保護者の合意をおろそかにした民営化は賠償の対象になるという内容の判決。民営化の是非論と、民営化による質の低下や乱暴な不利益変更の是非論を分離して、利用者やその家族にとって実害のある部分に限って、厳しい結果を出した判断は妥当だと思う。

みんなの共有財産である保育所政策について権威のある人に白黒つけてもらうことは好ましくないと思うので、このことについて裁判で決着をつけるのは疑問だが(自治体政策決定過程への市民参加や市議会の勢力転覆で決着つけるべきということ)、鈍感な政治家が多いことや、そもそも政治的発言力の弱い保育所入所児童の家族にとって、やむを得ない手段だったのではないかと思う。

判決について記事でしか判断できないが、その中で「多様な保育ニーズに応えるため」という理由で不利益変更したことを根拠が足りないとしていることは注目だ。
朝霞市もそうだが、あちこちの自治体は、内容もわからないくせに「多様な保育ニーズ」を理由に民営化や安易な無認可保育所の活用などを行っている。この判決ではそのことが不利益な保育を押しつけられる理由にならないことを指摘している。朝霞市も、公園だかスーパーだか医師会館を作るために財政をけちり、無認可保育所に子どもたちを押し込めている政策を取っているが、その口実が「多様な保育ニーズ」。多様って何かと聞いても児童福祉課職員は答えられない。多様な保育なんかやっていないからだ。あるのは保育所利用者の多様な運不運だけ。そうした態度に反省を求める判決だと思う。

一方で、原告の保護者が「横浜市は子育て第1の保育政策にしてほしい」とコメントしていたが、少し違和感を感じた。保護者は民営化ということで混乱し、大変な思いをしたり、市役所に許し難い気持ちになったことは想像がつく。
しかし、朝霞市の保育所政策と比べると、横浜市の保育政策がそんなに劣悪だったか疑問である。民営化の手法に問題は残されるものの、専門家の前田正子副市長は、基準を満たした認可保育園が大事という視点で、他の予算をすべて削りながら保育園予算だけは増やしてきた。政策が劣悪だと決めつけられるものではないと思う。全国一多かった待機児童数をわずか3年でほとんど解決した自治体はそんなにない。むしろ、有名な革新市長を含めて専業主婦の育児責任を強調して保育園をつくらなかった(同じ革新市政の川崎市と対照的な態度)のがこれまでの横浜市だ。
副市長になるまで育児と仕事の両立の観点での保育政策ばかり提言してきた前田さんだったが、副市長に就任してからは観点が少し広がっていた。昨年、わが労組と子ども情報研究センターが共催した保育集会で、障害児の子育てや、貧困家庭や生活困難家庭、DV被害者の支援などの観点からも保育所の役割を強調していて、公立保育所こそそうした役割を担うよう促すあいさつをした。
※私は中田市長については、前田正子さんを副市長に起用したこと以外は、あまり評価していないことも言い添えたい。

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