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2006.03.03

3/3 排他都市・あさか宣言

朝霞市役所が、犯罪予防には、抵抗力をつけること、排他的になること、監視強化をすることを柱とする朝霞市防犯計画推進案がまとめ、パブリックコメントに付している。3つの対策の考え方は、東京の通勤圏のまちの住民にふさわしくない計画だ。市民生活課の見識を疑う。またこの計画は行政がやりたいことだけが百とならべてあって、朝霞市で必要な犯罪対策や、犯罪の原因について全く分析されていない。ひどい計画だ。自治会や町内会の統制下に入り、防犯活動をしないと怪しい住民にされて監視カメラで追い回されるのだろうか。

考え方の柱の1つである排他性の強化は、特に問題ではないかと思う。
例示されている学校の門扉を厳重にすること、これは、学校を刑務所化する方策である。ただでさえ学校の閉鎖的体質が問題にされている。学校で変態教師が続発している原因に、学校が地域と隔絶した存在であることと無縁ではないと思う。学校を地域から隔絶することのリスクと、学校を地域に融合させることのリスクを根拠あるかたちで示すべきではないか。

また、監視カメラの設置が繰り返し主張されているが、監視カメラ自体は殺人も強姦も止められない。犯罪防止というと監視カメラ導入と単細胞動物的に反応するのは、監視カメラ業界の策謀ではないかと思う。監視カメラの問題は、撮された画像から人の行動を追跡する機能が開発されつつあることだ。行政が一方的な個人情報の収集掌握をしようとしているということは疑う余地がない。まだまだ裁量行政の色濃い朝霞市役所が監視カメラを推進することは問題を感じざるを得ない。監視カメラでは殺人しようとしている人を抑えこむことはできない。犯罪を止めるのは人の力しかない。
警察(特に警備課という名の公安警察)がこうしたハイテクツールを勧めるときは慎重に判断した方がいい。警察にとっては役に立っているのだろうが、役に立った試しがあまりないからだ。思想犯ならともかく、一般犯罪なら、人脈や目撃情報に勝る捜査はない。ちくまの「拉致」を読むと、公安警察は北朝鮮のスパイへの情報収集ばかりやっていて、犯罪防止は何もできなかったことが書かれている。

計画では、「自分たちの安全は自分たちで守る」という言葉が繰り返されている。被害にあってもない市民の被害者意識だけを刺激するような内容である。朝霞のような人口密集度の高い地域は、他人に対する警戒感を煽ってひきこもらせるよりも、人を外に出させること、人と人とを会話させること、そうした力の入った防犯よりその手前の予防策が取りやすい。そのためには、もっと楽しい町にすることが大切なのに、用もないのに外出することがはばかられるような対策では、用のある人か犯罪者しかいない街になる。

防犯計画は、殺人事件など、市内でめったに起きないような犯罪を想定して作られている。その対策も大事だが、それが至上主義になっていないか。心臓さえ動かしておけば良い医療とされる矛盾と似ているが、犯罪による生活リスクと、防犯のためにすべての利便性や快適性、自由社会の良さを犠牲にすることとのバランスが大切だ。こうした不安の煽り方では、朝霞市の人口の1%になる外国人に対して、排他や狭山事件さながらの差別事件が起きないかと心配になる。犯罪リスク要因の高い市民を排他するのではなく、取り込んで、犯罪をしにくい信頼関係をつくっていくことが大切ではないか。

朝霞市民は犯罪のリスクよりも、失業や大家の無法な契約更改金の徴収、マンション建設業者の乱開発、最低限の福祉サービスにありつけないために能力発揮の機会を奪われること、そうした生活リスクに出会う方が高いが、こちらは何も手が打たれていないし、市役所は百とさぼる理由を並べることに努力を傾注してまじめに取り組もうとしない。統治者の都合のよいことだけは熱心なのである。

●クローズアップ首都圏で、栃木県のハイテク機器ばかりに頼った防犯活動が紹介される。北関東はこうしたノリが好きだなぁ。あ、そうそう、地方制度調査会が提案した道州制案のうち、埼玉県を北関東諸県と一緒にするのは反対だな。

埼玉・朝霞署の会計課長が旅費着服、書類送検へ
 埼玉県警は3日、朝霞署の男性会計課長(56)が署内で保管していた経費を着服したとして、業務上横領の疑いでさいたま地検に書類送検するとともに、懲戒免職処分とする。

 調べによると、会計課長は昨年6月、県外で逮捕された指名手配容疑者を移送する際、他の都道府県警の捜査員に旅費として支払うため署内で保管している前渡金の中から25万円を横領、同年11月にも同様に15万円を横領した疑い。

 会計課長は、いずれも数日後に返還したが、調べに対し、「数千万円の借金があり、一時的な借金返済に充てていた」と話しているという。

 旅費は署の燃料費などとともに現金で保管。会計課長が管理する金庫には約50万円があったという。

(2006年3月3日14時39分 読売新聞)

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