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2006.03.29

3/29 山口定「ファシズム」のリアルさ

山口定「ファシズム」を読む。最初に読んだは高校生のとき。みんなの愛校心に満ち明るいファッショムードの高校でたたかうために読み始めたが、西欧の歴史を知らなかったのでまったく理解できず、ダウン。その後、西欧社会主義の歴史をふまえた後1回読んだけど、まだ世の中平和で、暗い過去の分析という読後感だった。当時はエーリッヒ・フロム「自由からの逃走」の方がしっくりきた。

先日、岩波から文庫化されたので、改めて買って読むことにした。
ところが、今回はとてもリアルに感じることになった。政治勢力からソフトからハードまで社会主義勢力がほとんど壊滅し、デフレ経済があり、失業問題があり、社会は検察を使って既得権益らしきものを攻撃し続けるようになって、ファシズム勃興期の社会背景と似てきているからだろう。

小泉政権や田原総一郎、松下政経塾など、現在の権威や既得権益の否定は、新自由主義者たちがアナアキズム的な手法で行っているので、害はあっても、議会制民主主義と市民社会のルールの上にある。でも、インターネットに多い右翼的言説や、政治業界は右も左もナショナリスティックな感情依存で政治を動かすようになってきていることも心配だ。外交問題もそうだし、どういう政府であるべきかの中身のない財政論議などが象徴的。ナショナリズムの維持が自己目的化している。さらに、民間ベースでも、この15年ぐらいの間に、友人や家族を守ることと、民族や国を守るとを同義におく考え方に誰も疑わなくなった。そんな現実などを考えると、楽観もしていられないような感じがする。

また、かつての左翼は転向しても保守の中で穏健派にいたりしたものだが、団塊の世代ぐらいより下になると、よって立つ正義が不明確な時代のためか、簡単にナショナリストになっていく。団塊世代で左派やリベラリズムの運動を今も担うのは、頭の固いの以外は、みんな大学時代は穏健派で、ゲバルト連中に右翼だ何だといわれていた人ばかりだ。
「ファシズム」の中で、ヨーロッパのファシストの多くが、社会主義運動の最左派グループや共産党から出てきていると紹介している。そして軍事組織や暴動組織を形成していく。オーストリアでは、社会民主主義者がファシストに対抗するために実力組織を作ったということが笑えないけど笑ってしまう。
元左翼がファシズムの協力者になる、そんな歴史的事実も考慮におかなくてはならない。猪瀬直樹や、民主党若手議員に巣くう元マル青同で今は民族派の「がんばろう日本」グループなどその典型と見る。

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