3/19 若者のデモを期待する前にやるべきこと
フランスで、若者の解雇を簡単にする法律案が提案されて、学生をはじめ50万人のデモが行われた。このことはとっても興味深いことだし、学生たちの抗議行動に賛同したい。
日本でも、若者が雇用の犠牲になってきた。とくに30代前半は顕著で、ニート論争などの題材になっている。フランスのようなことがあると、そうした困っている若者をつかまえて、団塊の世代より上の人たちから「ニート問題に若者は怒らないのか?オレたちが若いころには」みたいな話をとくとくとされる。言う分にはいいが、それなら、と言いたいこともある。
いったい、不安な若者の尻に火をつかないように育ててきたのは誰なんだ?という疑問がおきる。また学生運動の先鋭化(仲間を銃殺したり、テロをしたり、大学バリケードを超えるもの)による失敗がこんな始末になっているのではないか?という疑問もある。
団塊の世代ぐらいから下に、家業があるわけでもないのに、いつまでも親のもとに子をおき経済的に自立させない親が増えている。怒れなどと説教をする団塊ほど、家に子どもと暮らしていたりして、友だち親子なんて言っていたりする。いくら将来不安でも、高給の定年間際で年金が約束されているお父ちゃんお母ちゃんが成人になるべき子を囲い込んだら、尻に火がつくわけないじゃんか、と思う。
ヨーロッパは18にもなると子どもは親元離れるし、学生になればそのための住宅まで社会が提供するのが当たり前となっている。この点でも、団塊に責任は大きい。不動産価格が上がっても政治問題化しなかったし抗議行動もしなかった。わずかに菅直人が土地問題で国会論争を後藤田氏と繰り広げたぐらいだ。
彼ら世代はわけのわからないイデオロギーの政治闘争しかしてこなかったから、彼らがバカ高い家賃を請求されても、不動産屋に得意の火炎瓶を投げるとか、ゲバ棒もっておしかけるとか、そういう話は聞いたことがない。団塊がいきいきと働いたバブル時代に、めちゃめちゃ不動産価格が上がったことを放置した責任も大きい。それなのに子どもの世代のしかも自分の子ども以外に闘争ばかりをけしかけるのはズルいと思うのだ。
団塊の学生運動が若者の発言力をぶっ壊したというのは思想論と世代論の両方であちこちで書かれているので改めていうまでもないが、その反動で、40代が前の世代を尊敬のできない世代として、各所でシニカルに管理主義と競争主義を推進して世代交代を行っている。理屈で社会を抑え込む40代より尊敬のされるおじいさんおばあさんになる道を探ってほしい。
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コメント
激しく同感します。
団塊の世代の功罪は大きいと思います。団塊の世代がどのような老後を送るのかで、日本は変わってくると思いますが、退職金と年金をたんまり貰って、ノホホンと過ごすだけなのだろうなと、今の上司達を見て思います。そのつけを私たちがなんとかしなければいけない・・・。20代の若者にやる気をだせというのは酷だろうと思っいます。直接的に関係する記事ではありませんが、ふつふつとした思いがあるので、TBさせていただきます。
投稿: ぐーたん | 2006.03.20 10:10
今のおじさんたちも、その一世代上、もろ封建的な感覚のうちのオヤジの世代にいじめられたので同情しないわけではないし、40代の共通一次世代より面白い人が多いですから。
しかし、そのおじも若い人にのっとられたこの社会を嘆くのも結構だけど、まず隗より始めよと思いますね。携帯電話で怒ってもいいけど、いい歳なんだから人に恥かかせないようなたしなめ方を身につけてよ、と思います。
投稿: 管理人 | 2006.03.20 21:47