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2006.02.15

2/15 自己決定・自己選択を実現してからに

岐阜県中津川市に聴覚障害になってしまった小池議員がいる。議会は小池議員が望んだ代読を拒み、議会は音声変換パソコンを本人に押しつけたようだ。その押しつけた副議長は「小池市議には今日を第一歩に自分の気持ちを切り替えて、議会活動をやってほしい」と言ったようで、どこまでバカなんだか。

01年からスタートした社会福祉基礎構造改革は、福祉の当事者の自己選択・自己決定ができる社会をめざしていくとしている。本人が意思を伝える手段は、極力本人の望むかたちにするのが望ましいはずだし、たとえそれが難しくて他の手段になったとしても「ほんとうは望む通りにしたかったが力不足で申し訳ない」と言うべきで、「今日を第一歩に気持ちを切り替えて」なんて偉そうなことを言えるものではない。

こうした福祉や人権に関する大都市近郊の地方議員の質はすこぶる悪い。大都市のように人権にうるさい住民に厳しく言われることもなく、また地方都市のように財政難の中で障害者や高齢者の責任から逃れられないような関係性があるわけでもなく、温室の中でねたみとひがみをぶつけ合っている。この岐阜県中津川市議会の話も情けなくて仕方がない。

地方議員やまちの有力者は口を開けば市民に、自助だ共助だと言って、公的責任を回避しようとする。それは自己決定、自己選択という社会福祉基礎構造改革の精神が貫徹された地域社会において言えることで、自己決定、自己選択も認めずに自助、共助というのはお気楽な責任のがれでしかない。

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コメント

こういう場合、明日はわが身、という考えは出てこないものなんでしょうかね。
代読をやらせておいて、是非は次に選挙民に判断してもらえばいいじゃないですか。

投稿: takeyan | 2006.02.16 00:25

最初にお詫びです。聴覚障害ではなく、お話できない障害のようです。
この事件を伝える中日新聞は言葉を濁していましたが、音声変換パソコンの日本語は聞き取りにくいものだったようです。
ため息しか出てきませんね。

投稿: 管理人 | 2006.02.16 07:04

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