2/11② 地域の中核医療を担うもの
幼い家族が痙攣をひきおこすタイプのインフルエンザにかかった。そのことで、この地域の救急医療の量的にも質的にも課題だらけだ、ということを見えてしまった。
確率論からいえば、痙攣のインフルエンザで死にいたったり、後遺障害となるのは圧倒的に少数だが、痙攣はびっくりしたし、万一のことがあるといけないと気持ちは焦る。真夜中におきた痙攣は短時間でしばらくして顔色も表情も戻ったので、朝を待ってかかりつけの医師へ行くことに。
かかりつけの医師へ行くとお休み。「建国記念日」だったことに気付く。あわてて、近くの市に救急病院として指定されているA中央病院に行く。
最初に医師に「痙攣起こしているのに真夜中でも、救急車呼びつけてでもなぜ連れてこない」と怒鳴られた。次に痙攣したら救急車を呼んで三次医療(都道府県に1つあるかないか)の救急病院に連れて行けと言われて帰宅。
悪いことに帰宅後、再び痙攣。A中央病院の医師の指示の通り救急車を呼び、日大病院か清瀬小児病院に連れて行ってほしいと伝えるが、救急隊員が日大病院に電話するとA中央病院で対応してほしいと差し戻されたのだろうか、確認のためにA中央病院に電話した。しかし、A中央病院は日大か清瀬に連れて行けというだけだったようで、救急隊員は救急隊員も出動させてしまったし、目の前に子どもはいるし何とかしてあげなくては、という使命感で、隣の市の中央病院に搬送してくれた。
結局、隣の市の中央病院の医師も同じような診断を受けた。この病院の診察でわかったことは、インフルエンザにもいろいろあって、痙攣をおこすインフルエンザになっていること、痙攣を起こしたといっても三次医療圏の病院に搬送するような危ない病状はこういうときで、それはなかなかならないから、注意して安心して安静にすべし、と教えてくれたことだ。待ち時間に横に寝かせる場所を用意してくれたことだ。これには朝から病院通いで疲れていた子にとってとっても助かった。
朝霞市近辺では二次医療、つまり三次医療という都道府県レベルの医療の手前を担う二次医療圏があまり機能せず、ちょっと難しい患者は救急車を使って三次医療に送ってしまう。それでは受け入れる三次医療を担う病院も困るし、救急隊も長距離搬送で大変だし、患者の家族にとって、家からとても遠い病院に簡単に連れて行かれたのでは社会生活が成り立たなくなる可能性もある。地域福祉計画では情報の非対称性から市民には手に負いにくい医療の課題にあまり言及しなかった。しかし、それは間違いではなかったかと、大いに反省している。
また、この程度のことで救急車を呼んでわかったことは、医師や家族が勝手な判断をしてこき使われ、いろいろな場面で様々な場数を踏んでいる消防署の消防隊員が一番冷静で、まともな判断をしていたように思う。
読売新聞埼玉版のこの記事がよい。安心のカルテ@埼玉 第1部 救急医療 《2》 “医療過疎”県(2005年6月1日)、第2部 小児救急 《1》 親たちの叫び(2005年10月13日)
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コメント
ご家族の件、大変でしたね。お見舞い申し上げます。
小児医療の件、わが市内に小児科医が何件あるかHPで調べてみました。17万都市に17件、1万人に1件。これが多いか少ないか。うち小児科専門医は3件、そのほかは内科、循環器科、外科と複数の診療科目がある医院でした。その病院も遅くても19時にはしまってしまいますし、休日は診療していません。
わが市の場合は、市の保健福祉センターを利用した小児科の夜間休日診療所がありますが、受診者の半分は成田市や千葉市からの市外居住者とのことです。ここで緊急処置して、必要に応じて東邦大佐倉だとか日医大北総のような二次医療機関、三次医療機関に転送するという形を取っているとのことです。
医療過疎という点では、千葉県北西部も同じです。しかし、行政が少し知恵を絞ることで幼い命を救うことは可能だと思います。
投稿: 窓灯り | 2006.02.12 01:58