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2006.01.24

1/24 奴隷が奴隷を働かせて奴隷になる

22時まで開いているある保育園の掲示板では、利用者の間で議論が沸騰している。
その保育園が22時以後も子どもをしばしば引き取りに来ないルーズな利用者がいるらしく、やむにやまれずペナルティーを科したり、退園措置をすることにした。そのペナルティーも時間あたり3000円程度で、年収500万の人の時給を超える程度の水準である。
そのことに対して、競争にもまれて忙しいお母さんから、社会はそうなっていない、ユーザーに従えと怒りの書き込みがスタートしている。

でも、どうなのか。仕事は生活費の源泉だからむげにできないとは言っても、「競争」のためなら、保育園の下園の定刻を守らなくてもいい、相手にもっと働けという。何かが違うと思う。
客であれば何を言ってもいい、相手に何を要求をしてもいい、それに従わない業者は「抵抗勢力」だの「努力の足りない業種」だのありとあらゆる悪罵を投げかけられる。あるいは言下にそれをにじませるような物言いをする。それでいいのだろうか。
それといつから保育園労働者はこんな奴隷労働みたいな立場におかれるようになったのか。労働組合として情けなくなる。

保育園に子どもを預けるだけで精一杯の親の気持ちや状況はよくわかる。よくわかるからこそ、子どもを引き取らせるような言い方ではなくて、保育所のスタッフに愚痴を聞いて貰えるような関係をつくらなければもったいないんじゃないか。

「競争」「努力」そうした主観的な言葉に騙され、脅かされ、何の対抗手段も思いつかず社会のもっと弱いところに同じやり方で圧力をかける、そんな今の若年労働者の忙しくも無力な姿が浮き彫りになるような話だった。
小さな政府型の構造改革はこうした金、仕事、競争のために何も犠牲にして構わないという価値観を蔓延させた。人の命こそまだ大切にしているが、その寸前の、人が人であり、文明的に生きる社会的な命というものをずたずたにした。そうして日本人をどんどん野獣のようにしていくような価値観を推進した、小泉、竹中、宮内義彦、八代尚宏、田原総一郎、草野厚、猪瀬直樹、大宅映子、テリー伊藤、松下政経塾出身者、他人に努力を求めながら、自分たちは互助会組織で勝手なことばかり言い合っている。見るだけでイヤな気分になる。

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コメント

ご無沙汰です。
お元気でお過ごしですか。

「22時までオープン」している保育園と知って子供をお願いしているなのだから、「22時までに」子供引き取りに来るのは至極当たり前のこと。

「サービス」についての議論は、ルールがきちんと守られた上で、「ところで、これこれこういうようなニーズがあるけど、何とかならないかな。」と提案されるべきですよね。

基本的に、「してあげよう」という気持ちと「してもらっているんだ」という気持ちがベースなんだと思う。そうすれば、もっとうまくいくのではと思うんだけど。

「ほれほれ、しっかりサービスを提供せんかい。こっちは金はらっとんじゃい。」というえらそうな気持ちが根底にあるとやっぱりだめなんですよ。「何卒よろしくお願いします。」という気持ちがしっかりあれば、相手も「このお客さんのためなら」と思うでしょう。人間とはそういうものなのでは。

ドラマ「王様のレストラン」より
「お客様は王様である。しかし王様の中には、首をはねられた者もいる。」

人間にとってとても根本的なものだと思うのだが。

投稿: 上野武志 | 2006.01.25 02:58

話の文脈はすこし違いますが、デイケア、保育、看護などの分野では利用者が弱者なだけに労働者がストライキに罪悪感を持ってしまうという話を聞いたことがあります。今回の保育園も、保育している側からすれば、退園を促すのは断腸の思いなのではないでしょうか。ルールを守らない保護者は、そこにつけ込んで文句を言っているのだと思います。論理としては罪悪感に訴えてストライキを妨害する経営者と一緒ですね。

投稿: 村越 | 2006.01.25 03:09

会社は相手に社会のルールを破ってでも会社の他に働けと言っている、その一点が際立った問題なんじゃないですか。
要は、会社のために法規範を平気で破る(破らせる)体質が日本の企業文化にまだまだ色濃く残っている気がしてなりません。
まあ、それは競争社会とか、ネオコンとは関係ない話だと思いますが・・・・。
ちなみに、日本のネオコンは本当のネオコンとはかけ離れています。日本的全体主義者が時々「市場主義のおいしいところをつまんでいる」というのが現実なんじゃないですかね。

投稿: takeyan | 2006.01.26 08:45

もとは会社のごり押しが問題なことです。それを会社への不満とせず、保育所しかも今の常識でいえば相当遅くまでやってくれている保育所に「世の中そんなもんじゃない」とぶつける人が出てきているという異常さです。
私も保育所改革の仕事に携わったことがありますが、政府規制改革会議と株式会社の保育業者が癒着した世界の中で、公立保育所の保育士集団に投げつけられた理屈と一緒で、特殊な「構造改革」イデオロギーにかぶれている人の問題だと思います。

投稿: 管理人 | 2006.01.26 23:06

22時になっても子供を引き取りに来られない親も、客から「営業努力」を求められているのでしょう。
本当に悲しい世の中です。
無茶苦茶なことが「営業努力」「熱意」などの言葉にすり替えられています。
サービス業もある程度以上は「安さ」では勝負できないので、サービスを売りにするようになる。ますます従業員に負担がかかり、サービスを享受するものは、サービスが良い・無料であるというのを当たり前と勘違いしてしまう…
どこかでストップをかけないと大変なことです。

22時なんて、子供はとうに本格的に寝ている時間のはずです。
その時間にならないと家に連れて帰ってあげられないなんて、これは本当に悲しいことだとい思います。

投稿: 為吉 | 2006.02.03 20:23

為吉さまコメントありがとうございます。
時間切れなのに仕事をねじ込んだりすることが自分にないかと自問すると、ないとは言い切れないところが、この親を責めきれないところですが、最近は平然とそういうことをする人が増えました。午前様になったらコンビニに行かないとか、みんなでとこかでそれを止めないとまずいんでしょうね。
私は子どもがいても夜働いてもいいと思います。夜間保育所の調査では、子どもは慣れてしまうようです。子どもの情緒に与える影響は、一緒にいる時間をどれだけ大切にできるかだということです。
働いている以上、夜遅くまで縛られることもあると思うけど、それなら種付けした夫に責任と協力を求めたり、それに見合う保育所を探したり、実家から親を呼び寄せたり、居丈高にものを言うような言い方ではない方法を探るべきですね。

投稿: 管理人 | 2006.02.03 22:38

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