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2006.01.01

1/1 施設をもらわないと救急医療をしないのか

新年になる。紅白歌合戦の予告番組がだらだら続いたせいか、食傷気味で、本番を観るのをやめた。結局、原稿執筆など仕事をしてしまう。民放から始まったと思うが、いつからテレビ番組は予告番組をだらだらと流し続けるようになったのだろうか。定時にピシャッと観る緊迫感やありがたさがどこかに行ってしまった。

●市役所の発行する「広報あさか」が届く。少しリニューアルしたみたいだ。

その中で、朝霞地区(朝霞・志木・新座・和光)医師会のお医者さんの執筆している「わたくしたちの健康」というページがある。いつも参考になる情報でありがたいが、今回の医師会長の書いた小児救急医療と災害時の医療についての記事は問題を感じた。
小児救急医療と災害の対応をするためには、医師会が求めている医師会館の建設が必要だと主張する記事になっているのだ。市の広報は政策決定されたもの以外、特定の主張を対論なく掲載することは慎んだ方がよいのではないだろうか。掲載した市役所の問題もあるが、こうしたことを市の広報に無く書いた医師会も問題だと思う。

問題点の1つは、基地跡地利用について議論が神経質になっている今、その1つの案である医師会館についての意義を市の広報で主張したことだ。プレーパークの会や青年会議所などがそれぞれ異なる主張をしているのに市の広報で紹介されてはいない。

もう1つ、その主張の妥当性である。
医師会館がなければ休日診療や夜間小児救急医療や災害救急医療ができないのだろうか。今ある自前の診療所でなぜできないのだろうか。診療所では設備を置けないという理由なら、今ある総合病院がパンクしていたり不備に原因あるわけで、朝霞台中央病院と開業医との役割分担や、朝霞台中央病院の改革や、それでも不足するなら左派の市議が主張しているように市立病院の開設をする方が適切ではないだろうか。
医師会館による夜間・休日医療は、新たに難しい医療だけを行う施設を作り、そこにだけ難しい問題を転送するだけになりかねない。不採算部門ばかりなのでコスト高になるし、問題がおきたときの責任は市だが市は医療知識が無いから謝って金銭補償するだけになる。おととし、関西のある市長を取材した。医師会館が行う小児救急医療のやっていない時間帯に亡くなった子どもがいて、その後の政策対応が市長の就任直後の仕事になっていた。医師会館の小児救急医療の時間拡大を市が求めても、なかなか医師会が対応してくれない、というような話を聞いた。その結果死者が出てしまったのだ。医師会館方式をとるなら、医師会に対抗できる専門知識のある市職員の育成が重要になる。残念ながら現状の市役所では無理だ。

そもそも医師会館本体は何をする場所なのか。現在でも、市の施設である保健センターの一角に医師会の事務局があるが変だと思っている。その上に市のお金を使って医師施設を作れとは過大な要求だと思う。特定団体のためにハコモノを作らないと救急医療をしないという問題設定の仕方は、住民の命を人質に取るような言い方で政治的にも問題が多い。

医師会は10年前からの主張だと書いている。しかし何でもハコモノを造ってきた10年前と自治体の財政事情は大きく変化している。歳入は減りながら、新しい行政ニーズが発生している。またこの間に介護保険の導入や医療制度改革で病院・診療所の役割も変わっている。医師会もハコモノ抜きの現実的な要求に変えるべきではないだろうか。

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コメント

 紅白はだらだら感が抜けませんでしたね。前振りの番組が長すぎです。私は例年どおりラジオで「ながら聞き」していたのですが、ラジオでも前振り番組が続いたくらいですから、テレビ放送では「もううんざり…」となるのも無理はないと思います。
 地域医療については、個々の地域の事情によって異なってくると思いますが、医師会館がなけば、休日夜間医療ができないのか、と言えばそうではないと思います。
 実際に窓の住む町では、市の健康センターを利用しての休日夜間診療所(内科、歯科)と24時間体制の小児科の夜間救急診療所を設置しています。休日夜間診療所の医師は、医師会の協力で開業医の輪番制、夜間救急診療所は、近隣の大学病院と総合病院の医師の輪番制を取っています。他にも、開業医に夜間診療の輪番制を取るなど、方法はあるように思えます。
 それでも医療ニーズが不足するようであれば、市民合意の形成の中で市立病院を設置するということも選択肢にあるかとは思います。ただ、行政の財政事情が極端に悪化している現状では、現在利用できる施設を有効活用する方法を考えた方が合理的だと、私は思います。
 あと、驚いたのは、東京都某区で友人が夜間に歯科診療をお願いしなければならない状況に陥りまして、都消防庁などに電話を掛けまくったのですが、診療している医療機関が見つけることができませんでした。郊外の都市が実現しているサービスを東京都区内で実現されていないのは、意外に思った記憶があります。

投稿: 窓灯り | 2006.01.02 14:47

そうですよね。私も左派系議員の市立病院待望論は論外だと思っています。総合病院は重篤患者の扱いに慣れているけど、簡単な病気は町医者の方が親切だし待たされないです。施設じゃなくて、町医者のもっている潜在力をきちんと引き出すことが大事ですよね。
関西は中規模の都市はみんな公立病院を持っているせいか、夜間の医療がしっかりしているみたいですね。私の取材した市は例外のようです。
東京は夜間小児救急医療が全くないし、窓灯りさまの体験したように歯科なんか盲点だと思うのですが、大学病院頼みでお寒い状況のようです。朝霞地区も、夜間の難しい病気は、池袋に近い日大病院に運ぶしかないそうです。聞いたのは何年も前ですが、朝霞で倒れた人に脳死者はありえないと聞いたことがあります。

投稿: 管理人 | 2006.01.02 15:58

 追伸失礼いたします。
 先ほどお話した、我が町にある小児救急診療所ですが、調査すると市内と市外の利用が半々なのだとか。なんと、県都千葉市からも利用がある、という事実に大変驚いています。千葉市には大規模な医療機関がいくつもあるし、県立こども病院という専門の医療機関もあるのに…。
 子どもは急激に病状が悪化するため、安心できる小児科医療システムの構築が急務であると感じています。安心して育児ができる環境づくりの一つ一つが、出生率向上の方策であると私は考えています。

投稿: 窓灯り | 2006.01.02 20:28

安心して子育てできる環境をつくるということが大切ですね。そういう中で小児救急医療はほんとうに遅れた分野です。それをめざす医師が少ないからです。もっと楽な診療科目の方がぼろ儲けできるからです。
余談ですが、出生率は回復させない方がよいようです。それより知識でも技術でも世渡りでもポテンシャルの高い子どもをつくっていかなくては、ということの方が大切なようです。少子の方が家庭も社会もいろいろなことができるという少子化プレミアムという言葉があるらしいのです。

投稿: 管理人 | 2006.01.02 21:21

  「左派系議員」て、誰のことですか?

 私の知る限り、朝霞市議会の「左派系」は旧社会党系と共産党だけですが、どなたのこと?

投稿: ハンス | 2006.01.03 02:32

そういう情報って知りたくなりますよね。
投稿されている方は朝霞市の政治事情に通じられている方のようですから、ご自分でお調べてみてはいかがでしょうか。

というのも意地悪ですから、旧社会党系ということを申し添えます。共産党の市議は市立病院よりも福祉や医療の利用料問題が中心だったと思います。

マンション住まい、かつ市境に住み市外の駅を利用しているので、次回から、いちいち取り寄せないと選挙ビラが手に入らなります。こうした情報にも疎くなりますねぇ。

投稿: 管理人 | 2006.01.03 08:47

 「旧社会党系」ですか…。会派としては一つ、議員としては一人ですからあの人物なんでしょうが、「市立病院の開設」なんていう主張はしていたかなあ…?時折会いはするんですがそういうことを言っていた記憶が無いんで質問した次第です。私が覚えていないだけかもしれませんねえ、あんまり現実離れしているもんだから。

投稿: ハンス | 2006.01.03 22:09

その主張自体は間違ってはないのですが、朝霞市の優先課題(全国屈指の不足問題を抱える学童保育や保育所の整備や介護サービスの改善、基地跡地の利用問題)や財政問題などを考えると、違和感を感じました。
土地持ちと公明党と共産党しかいない市議会の中で、この旧社会党系市議の業績は評価しています。自分の人気を考えずにきちんとたたかってくれることも頼もしいものです。

投稿: 管理人 | 2006.01.03 22:48

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