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2006.01.12

1/12 市役所に出入りする業者は障害者や高齢者を雇え

s868武藤博巳「入札改革 談合社会を変える」(岩波新書)を再読した。
16日に控えた地域福祉計画の市民委員会の行政ヒアリングで、障害者や高齢者の雇用に積極的な企業を評価する入札制度の導入の検討ができないか意見交換する。それにあたり、再確認したいことがいくつかあったためだ。

武藤さんの論旨は、①談合を防止しなくてはならない、②一方で価格競争による入札で公共サービスの提供者側も細ってきている、特に福祉のような労働集約型の公共サービスでは。③入札で質の評価をどう行うのか、④障害者や高齢者の雇用、男女平等、環境への配慮など、コスト高になるが社会の求める政策に取り組んでいる企業にどのようにインセンティブをつけるか、などの観点で、価格一辺倒ではない総合評価による入札制度を提言している。「我々は物を買うときに価格だけで選んでいるだろうか」と武藤さんは言う。
もちろん、談合防止だけについては一所懸命努力している自治体も珍しくなくなっている。そのノウハウは学ぶべきことが多いが、それだけでいいのかという思いがある。また武藤さんは「価格という単一の価値だけで入札を行うから簡単に談合ができてしまう」という。その通りだと思う。
税金を節約しろ、と言う人の多くが、入札を厳格化して価格だけの競争すれば何でもコストが安くなると思っている。しかし、価格だけのものさしだから、喫茶店や入札会場の廊下で簡単な打ち合わせができてしまう。つくるものの質、内容、そして入札参加業者の障害者雇用や環境への取り組みを評価したら、廊下での打ち合わせでの談合はできなくなるし、行政の発注先が公害企業、人権抑圧会社、低賃金労働なんて笑えないような話はなくなっていくだろう。

朝霞市の地域福祉計画づくりでは、障害者の雇用推進を課題にした。日本社会では何より就職することが自立の指標になる。障害者の人権が確立されたことを証明するには、障害者が当たり前に働いている社会づくりを目標を立てて環境を変えたり能力開発をしなくてはならない(もちろん働けない障害者がいるし、そういう障害者も大切にされて生きなければならないが)。
朝霞市役所でできることとして障害者の就職支援もあるが、そもそもの雇用が広がらないと話が進まない。そこで障害者雇用や高齢者雇用をやった企業の入札での評価を求めた。市役所がお金を落とす企業が障害者雇用に取り組んでほしいと思い、その意欲を入札での優遇に求めた。どこまで入札を担当する課に理解されるかわからないが、障害者を働かせずに税金を使うより納税者になってもらった方が、福祉でたくさんのお金を使うより企業や市民の自主的な工夫で改善する方が、長い目で見れば市役所全体にとって効果的だ。

ところで、障害者の自立に力をおいた活動をしているDPI日本会議という障害者団体が長年の取り組みで、課徴金を払ってでも法律で定められた障害者雇用率を守らない企業名を公表させている。DPI日本会議のHP・2000年度障害者雇用未達成企業9012社。このうち厚生労働省は46社しか改善勧告していないという。※この中でソニーは後に改善のための行動に取り組んでいるようです。見直した。

もう1つ。質や内容を評価した入札をする場合も、それをやった市立宮戸保育園の運営委託のように、提案書はものすごい立派でも、現場の指導者の質が追いついていないような問題も発生している。それには、十分な対策が必要だ。ただし、宮戸保育園の委託にあたって、多くの業者が参加した入札が行われたとは聞かない。

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コメント

 おっしゃることに同意します。
 私の住んでいる市も、この4月1日から原則制限付き一般競争入札に移行しますが、これで談合を防止できる、価格は下がり「余分」な税金は使われなくて済む、と喜んでいる市民団体もあるようです。しかし、価格だけでいいのか、と私は思っています。
 いわゆる「安かろう、悪かろう」の傾向に走るのではという懸念もありますし、実際に行政の仕事は、施策を活用して公益の増進を図ることですから、安くても雇用者が低賃金にあえいでいるとか、悪質な社会保険逃れをしているとか、公害を発生させているとかでは本末転倒だと思っています。
 実際に業務委託するような場合は、障害者雇用を何%達成しているとか、総雇用者の中に社会保険に加入している人は何%以上とかなどの、公益にかなう条件を付けるべきだと私は思っています。
 あと、障害者雇用達成率ですが、あの厚生労働省でさえ未達成という笑えない現実があります。実際に行政が達成しようとする努力をしなければ、民間が倣うとは思えません。

投稿: 窓灯り | 2006.01.14 06:09

厚生労働省がなかなか未達成企業を公表しようとしません。これがモラルハザードの原因のような気がします。障害者の雇用が増え、高齢者も働ける職場環境がつくれれば、少子社会も乗り越えて行けるのではないかと思っているのですが。

投稿: 管理人 | 2006.01.14 08:21

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