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2005.12.22

12/21 与党の郊外型スーパー規制を歓迎

与党が郊外型スーパーを規制する政策に転換する。評価したい。
規制緩和だけが改革で、規制強化が抵抗勢力という一方的な図式を、93年の細川連立政権の誕生から信じ込まされてきた。しかし、まちづくりなど公益性の強い分野で「新規参入」業界の求めるままに規制緩和をやってきた結果、何もかもが壊れて、買い物までが消費者の主体性を求められなくなってきている。

商店街が努力しないからいけない、とスーパー業者を擁護する意見もある。確かに努力の余地は大きいだろう。しかし日本では地価が高く、商店主が商店で儲けるより、ビルでも建てて貸した方がずっと楽に儲けられるようになっている。商売人が本業でがんばろうと思える環境ではないのだ。また商売人にチェーンストアのように銀行がお金を貸すかといえば、不動産開発でもしない限りなかなか貸さない。そこで政府系金融機関が必要になってしまうという社会なのだ。チェーンストアと商店とあまりにもおかれた機会が不平等すぎると思う。

私は地方都市で中心市街地の隣接地域に住んだが、郊外に大型スーパーが林立した余波で近所の中くらいのスーパーが閉店してしまった。クルマが無くて消費生活もままならないという体験をした。これがたぶん地方での高齢者や、クルマを運転できない人の生活なのだろう
以下の新聞記事でジャスコの岡田元也氏が消費者の権利から、今回の与党の規制案を批判している。消費者の権利かも知れないが、それはクルマを運転できたり、郊外まで歩いて行ける健脚な人の権利でしかない。こうした人の生存権に目を向けないで、スーパー側が消費者の権利を代弁するのもほどほどにしてほしい。

郊外型スーパーに適合できる生活はあまり美意識が持てない。
内装だけが綺麗な店という施設に囲い込まれ、その中で、消費者はベルトコンベアに乗せられたようにカートを押し、あらかじめ予定されていた動線に従い、あれもこれもとかごに入れていく。そんな買い物の仕方をすれば必要以上の物を買うし、クルマが無ければ持ち帰れない。いくら新鮮なものを店で売っていても、消費されるのは一週間後、ちっとも新鮮ではない。商品は単に陳列されているだけなので、商品知識もつかない。

スーパー自体は否定しないし、むしろあった方がいいと思う。それは商店街の中にあって、他の商店にも人を呼び寄せる核のような存在であってほしい。スーパーや商店を行ったり来たり選べる環境において、はじめてスーパーと商店の公正な競争が成り立つと思う。

余計なことだが、この一点で支持政党を与党に変えてもいいかと思う。野党なんて消費生活に関する施策は無策に近い。規制緩和が大事で、生活は後回しでしかものを考えられないからだ。93年イデオロギーに囚われている限り、野党は次の時代に適合する政策は作れないだろう。

1万平方m超の大型店、郊外進出禁止 規制緩和を転換へ2005年12月21日21時49分朝日新聞

 政府・与党は21日、床面積が1万平方メートルを超えるスーパーなど大型商業施設の郊外進出を規制する都市計画法改正案を来年の通常国会に提出する方針を決めた。大型店の進出は中心市街地の商業地域などに原則限定される。政府は90年代以降、規制緩和の一環で大型店の出店規制を緩和してきたが、中心部の商店街の空洞化に歯止めがかからず、出店規制を復活させる。郊外進出を進めてきた小売業界は出店計画の大幅な転換を迫られるため、強く反発している。

 都市計画法、中心市街地活性化法、大規模小売店舗立地法の改正を検討する自民党の「まちづくり三法見直し検討ワーキングチーム」が21日、大型店の郊外進出を規制する案を了承した。政府は来年の通常国会で中心市街地活性化法の改正案も提出し、可決されれば07年にも施行する。

 規制では、延べ床面積が1万平方メートルを超すスーパーや飲食店、映画館、スタジアム、娯楽施設などが対象。こうした大型店の出店を市街地に多い都市計画法上の「商業」「近隣商業」「準工業」の3用途地域に限る。

 工場がある「工業地域」や郊外の「市街化調整区域」や「白地地域」などはこれまで出店が認められていたが、今後は原則出店できない。これらの地域に出店する場合、地方自治体が用途地域を変更しなければならない。

 市街化調整区域で大規模開発を認めてきた例外規定も廃止。郊外移転が相次ぐ病院や学校など公共施設も、新たに開発許可の対象にする。

 休耕地や工場跡地の増加などもあり、小売業界は広い駐車場が確保でき、集客力も大きい郊外型大型店を続々とつくっている。逆に中心部の商店街は「シャッター街」と言われるような客離れが深刻化している。

 このため、近年は出店規制を望む声が地方を中心に高まっている。福島県は今年10月、大型店の出店で地元の意向を踏まえることを義務づける全国初の条例を制定した。

 一方、大手スーパーは「個人消費をもっと刺激して、景気を拡大させるべきときに、逆行する動きだ。消費者の権利が守られていない」(イオンの岡田元也社長)など反発を強めている。スーパー業界にも中心部の不採算店を閉める動きが出ている。業界は郊外の大型ショッピングセンター(SC)に活路を見いだしており、新たな規制による打撃は大きい。

 最大手のイオンは郊外型大型店の出店を加速させており、今年度は22店を新設し、大半は1万平方メートル以上だ。イトーヨーカ堂も中心部の約30店を09年までに閉鎖し、大型SCを増やす。

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コメント

 窓が育った街(NHKのご近所の底力で取り上げられた街です。)に最後に1軒だけあった、生協系のスーパーが2年前、閉店しました。
 昭和40年代に造成された住宅団地のため、駐車場の絶対数が不足しているため、醜悪な路上駐車が幅をきかせる、「人にやさしくない街」に変わり果ててしまいました。NHKではその点は放送しませんでしたが。
 窓が少年の頃は、路上駐車は今ほど多くなく、基本的に必要なものは近所で購入し、特別なもの(本など。ちなみに団地内には書店がなかった。)は週に1~2回、バスに乗って買い物に行く、というのが、団地在住者の生活パターンだったと思います。路上駐車の増加と郊外型ショッピングセンターの隆盛は、自動車社会の進展の罪の部分なのだと思います。
 ちなみに窓が今住む街にも、市街化調整区域に郊外型ショッピングセンターが林立するようになりました。今月も北関東電気店が大型スーパーを併設してオープンしました。前までは駅前にスーパーがあって、わずかばかりの商店があって、それなりににぎわっていたのですが、現在では閑散としてきました。
 日本の人口も05年から減少するようになりました。高齢社会は進展していきます。そのときに生活を支える商店が街にない、ということは大変なことだと思います。今、日本中で「街」が消えようとしています。街に必要なものの中で、商店は大きなウェイトを占めていると思います。

投稿: 窓灯り | 2005.12.22 22:33

この規制の問題は、既存の店舗は関係がなく、保護されるということですね。

投稿: takeyan | 2005.12.29 08:52

大型スーパーの郊外への乱開発的な出店に対する規制なので、大型スーパーそのものの規制ではないと思います。
したがって、既存の店舗も保護はされるとは言い切れないと思います。大型スーパーが市街地に出店するようになれば、結果的に人の流れが中心地に集まるようになるので、既存店の保護というのか、今の郊外乱開発容認施策を大型スーパーへの保護というのか、立場によって変わると思います。

投稿: 管理人 | 2005.12.29 23:58

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