« 12/1② 社会民主主義の点滴療法と生命維持装置 | トップページ | 12/2② 天災や犯罪被害者もいる »

2005.12.01

12/1 パーティー券の販売代理店

今日から12月。秋は終わってしまった!

きょうもマンション強度偽装事件についていろいろなニュースが出た。告発者の覆面インタビューも公開されて、小嶋や藤田、姉歯以外の本当のワルが見えてきた。
前から経営コンサルタントって羽振り良さそうなのに、なんの仕事をしているのかわからなかった。今回の事件の背後で内河健というコンサルタントが木村建設の背後でこうした偽装業者たちを総動員する仕事をしていたという。以前からブログ等で噂になっていたがようやく表面化したか。

それと伊藤公介代議士が12日に予定していたパーティーの発起人がヒューザーの小嶋社長らだったという(読売)。パーティーの発起人と言えばパーティー券を売るコネクションネットワークの始まりにあたるわけで、ヒューザーの出入り業者にパー券を売りまくって伊藤公介代議士に政治的影響力を強めていたことは想像に難しくない。

マンション強度偽装を各地の自治体で偽造が見抜けなかったことが問題になっている。それをとりわけ強調して、今回の事件を批判する人の中に、建築確認の構造検査を民営化したことが間違いではない、と強調する人が多い。その論者の言っていることは、「今さら」か、「役所でできないから民営化した」と決まり文句のように始める。本当だろうか。今回の事件の発生時期を見てほしい。規制緩和で、マンションの建築確認申請を民間でも可能にして以後に発生している。

その当たりは毎日新聞11/29夕刊2面で詳しく説明している。その記事では、役所がやるから、民間がやるから、というのではなく、建築確認・検査というのは公的な領域で、業者が任意で業者を選んで審査するシステムがおかしいときちんと指摘している。

●繰り返し、マンション強度偽装事件について記事を増やしたので「住宅・マンション」というカテゴリーをつくりました。
マンション問題を考えるにあたって参考になった本やブログをいくつかご案内します。アマゾンは労働者を搾取しているという話もあるのであまり使いたくありませんが、書店で取り寄せていたら時間がかかって事件のことがわからないまま過ぎてしまうので、今回はリンクを貼ります。

一番、根底から考えさせられるのは
山岡淳一郎「あなたのマンションが廃墟になる日」草思社
マンション業界が粗悪建築をして阪神大震災の被害を大きくし、そして補修で済みそうな程度の被害のマンションまで建て替えさせて二重取りした実態のレポートなどは真剣に考えさせられます。またどうしたらマンション住民が自分たちを守れるのか、ということについて、NPO等の管理組合の支援団体が必要だと提言しています。

住宅業界と政治や規制改革会議の不透明な関係について考えさせれるのは
島本慈子「住宅喪失」ちくま新書
住宅業界よりの審議会委員・文化人たちによる規制改革会議が土地や住宅の規制緩和で、経済的弱者を再開発で追い出し開発業者ばかり儲かるように制度設計したか、その実態を審議会議事録等から丹念に追跡している。

ブログ等からは
住宅が製造物責任法の対象から外された経緯について
評論家森田敬一郎の発言 マンション耐震強度偽装で「古い自民党」「官僚の裁量行政」復活?

住宅ローンを貸した提携銀行の審査体制にも責任があるんじゃないか、と私が問うたことについて、全面展開する意見もあるようです。考え方は新自由主義に貫かれていますが、筋は通っています。R30::マーケティング社会時評 ファイナンスした人が責任取れば

それにしても熊本ファミリー銀行のように、消費者が泣くことをわかりながら、木村建設をさっさと倒産させて資金回収を進めた銀行もあって、そんなに簡単な道ではありません。銀行に責任を取らせるには政治の決断が必要です。ちなみにこの銀行のHPに「困ったときは」という項目があります。ほとんうに困っている人のために対応してもらいたいものです。

最後に、被害者の方のブログのようです
揺れるマンション顛末記
自己責任が徹底され、事後チェックしか規制が許されないこの社会での犠牲者でありながら、前向きです。学ぶべきことが多いです。少し字が小さいのが難点ですが、これは私のブラウザの問題かしらん?

特集WORLD:耐震データ偽造 安全置き去りの民間委託
毎日新聞11/29夕刊

 マンションの耐震データ偽造は本来、官が行っていた住まいの安全検査を民間に委託した問題を浮かび上がらせた。しかし、官も自らの検査で偽造を見逃したことが分かり、検査制度の構造的不備が輪郭を見せ始めた。問題点はどこにあったのか、どのような対策が必要なのか。専門家に聞いた。【小松やしほ】

 ◇審査対象は「お客様」、官は技術に追いつけず

 偽造の背景には業界の厳しい安値競争などが指摘されているが、「欠陥住宅被害全国ネット」の構造計算書偽造問題対策本部副本部長を務める河合敏男弁護士は「生まれるべくして生まれた事故だ。建築確認業務を民間に開放してから審査が甘くなったという話を聞いていた。構造計算書を偽造した姉歯秀次1級建築士の倫理観、意識の低さもさることながら、確認検査制度の仕組みにも問題がある」と指摘する。

 建築確認や工事完了の検査業務は、自治体の建築主事が担ってきたが、98年の建築基準法改正で99年から民間の確認検査機関にもこうした業務が委ねられるようになった。行政側の業務が手いっぱいになったためだ。現在、民間確認検査機関は122社ある。

 98年に自治体が行った建築確認件数は年間83万3191件。民間に開放された99年以降、民間の扱いは年々増え、昨年は自治体33万3665件、民間41万8871件と民間が初めて自治体を上回った。

 一方、官民の能力格差と官の地域格差が民間委託の流れを加速したと指摘するのは、1級建築士の資格を持つ明海大不動産学部の松本光平教授。「建築技術の進歩は非常に早く、行政の能力では追いつけない。また、都市部では建築主事の数が多い分、ある分野に突出した人が何人かいるが、地方では平均的にどの分野もこなせる人が求められるため、最新の技術にうとい場合もあり、民間の技術力を借りる必要があったのです」

 ◆悪化しやすい品質

 建築物はもし倒壊すれば、居住者だけでなく周囲への影響は避けられず、公共的な要素が大きい。人の命にもかかわる安全の審査を民間に委ねることに問題はないのだろうか。

 「そもそも、営利を目的とする株式会社が確認検査機関として厳しい検査をするのは非常に難しい」と河合弁護士は言う。「検査手数料で利益を得るわけだから、依頼する業者は確認検査機関にとってはお客様。チェックを厳しくしたり、審査に時間がかかるようでは、依頼が少なくなり困る。検査が甘くなるのも道理」

 松本教授も「民間業者が確認検査業務をやるようになって、綿密な審査より、サービスが重視されるようになっていると聞く。市場競争の中では、目に見える品質は保たれるが、目に見えなければ品質を下げて利益を上げようということになりやすく、品質の悪化を招きやすい」と話す。

 ◆第三者の目が必要

 今回の問題では自治体もデータ偽造を見逃したケースが出た。自治体が技術や能力の面で対応できないのを民間に任せたのだから、扱う件数は減ったとはいえ、自治体の検査が万全であると期待できないのだろうか。

 河合弁護士は「建築には設計・施工・監理の三つの作業が必要だが、これは三権分立にたとえられ、互いにチェックするようにできている。一番重要なのが監理。設計どおりに施工されているかをチェックするところです。これがきちんと機能していれば欠陥住宅はかなり防げるはず」と言う。

 しかし現状では、1級建築士が1人管理建築士として名を連ねれば設計事務所の開設が可能だ。大手の施工業者やゼネコンが子会社や関連会社として設計事務所を持っていたり、確認検査機関への出資を行っていることも多く、事実上1社で設計・施工・監理を行うこともかなり多いという。

 河合弁護士によると、地震が多いため建築基準の厳しい米ロサンゼルスと周辺市には「インスペクター」と呼ばれる公的検査官制度があり、資格者が建築現場に15回以上立ち入りするという。違反があった場合には赤紙が張られ、改善するまで作業を中止しなければならない。「日本にも営利目的でない半ば公的な立場の厳しいチェック機関を設けるべきだ」というのが河合弁護士の主張だ。

 松本教授も「現在の制度は性善説の上で運用されているが、人間は誘惑に負けやすい。見えない品質を担保するためには第三者的な目が必要だ」と強調する。

 ◆外国は規制厳しく

 建築基準法が公布されたのは1950年。「戦後の復興期で、焼け野原になったところに出来るだけ早く建物を建てなければならないということで、煩雑な許可制ではなく簡略な確認制となった経緯がある。世界各国は許可制で日本と比べるとはるかに規制が厳しい」(松本教授)。例えば、ロサンゼルスでは壁や屋根の修理などでも費用が500ドル(約6万円)を超えるものは許可が必要という。建物は公共性があり、近隣にも影響を与えるとの視点に基づいているそうだ。

 松本教授は「安全の確保を目的に、規制緩和の流れと矛盾しないように、検査の手法や指導・監督のあり方を整備し直すべきだと思う。例えば、確認申請の何件かに1件、第三者の専門家が抜き取り検査するというのは、コストもあまりかからず、かなりの効果が期待できる」と提案する。

 また今回、マンションの建築主ら業者の多くが、保証を行う財団法人「住宅保証機構」の制度に入っていない実態が明らかになった。口だけの「補償」では意味がない。松本教授によると、欧米では住宅開発では、業者に保険付きの保証制度への加入を義務付けているという。「保険制度は被害住民の救済だけでなく、保険加入の条件として建築物が厳しく点検され、副次的に監視機能が強化されている」と松本教授は話している。

|

« 12/1② 社会民主主義の点滴療法と生命維持装置 | トップページ | 12/2② 天災や犯罪被害者もいる »

コメント

民間審査会社の立場は監査法人みたいなものですが、監査法人並みの世間の目もなかったわけですから、こんなもんでしょうね。
「建築士 職業倫理」で検索すると「公認会計士 職業倫理」の100分の1しかヒットしません。
まあ、会計士はCPE制度の関係でたくさんヒットするのでしょうが、それにしても・・・。

投稿: takeyan | 2005.12.08 00:59

制度が建築業界の要請でできたものですから、どうしても業界内モラル以外のモラルは期待されていない制度なんですよね。
本当は購入者や住宅ローンを貸す銀行が審査会社を選ぶようなシステムがいいのですけどね。一番シビアな審査がされると思います。

投稿: 管理人 | 2005.12.08 01:19

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/44442/7410297

この記事へのトラックバック一覧です: 12/1 パーティー券の販売代理店:

» 家を失うということ [娑婆に出る]
「ブロードキャスター」の「お父さんのためのワイドショー講座」、今週の1位は「耐震強度偽造問題」だった。証人喚問では、新たに提出された資料で、姉歯氏以外が携わった物件でも、構造計算の偽造が行われている可能性が出てきた。この事件がドコまで膨らんでいくのかは分か...... [続きを読む]

受信: 2005.12.18 03:50

« 12/1② 社会民主主義の点滴療法と生命維持装置 | トップページ | 12/2② 天災や犯罪被害者もいる »