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2005.12.08

12/8 歌舞伎帰りの小泉首相、現在暴走中

ジョンレノンの暗殺された日。さいたまミュージアムにジョンレノン記念館があるので行ったことがあるが、1階は遺品や記念品の展示だったが、2階はいかにオノヨーコがジョンレノンに愛された、という結論を導くための展示でいっぱい。なんか日本の前衛芸術家って権威にすがりたいんだなぁ、なんて思って、げっぷして帰る。
それとアメリカに戦争を仕掛け、日中戦争から太平洋戦争に切り替わった日。いろいろ考えさせられる。

昨日買った岩波文庫「最暗黒の東京」を読む。明治時代の東京の貧民街の体験ルポルタージュ。文語で細部まで読みこなせないが、文章は力があって引きつける。当時も大食堂は結構残飯を出していたみたいで、これが貧民街で再販される話は圧巻。小泉構造改革の行く末の社会を見るようだ。

●京都で歌舞伎見物から帰ってきた小泉首相は、みんなが抵抗勢力のレッテルを貼られることを恐れている今、次から次にめちゃくちゃなことをやっている。

1つは、昨日指示した選挙制度の見直しである。議席数を約4割減らし、小選挙区と比例代表の重複立候補をなくし、大都市部だけは中選挙区制に戻すという内容。自民党と公明党が議席を独占するような結果になるだろう。

1つは、NHKの民営化である。放送は民営化された方が政治や財界のコントロールがしやすくなる。民放に政権批判はともかく、現政権の施策の矛盾を告発するようなルポルタージュ番組がなくなっていることはその証左だ。

1つは、夕刊紙の報道だが、民主党との大連立を画策しているという。大政翼賛会3代目の小泉らしい発想だ。議員年金で与党のまとめた案を却下し、民主党案を評価したあたり、その端緒かも知れない。

この他にもヒューザーの小嶋を検察が立件せずと申し合わせたらしいなど、めちゃくちゃな意思決定がされている話も出てきている。共済年金を厚生年金にどさくさで統合して、国民年金の改革を放置した。

どさくさの間に、国民が無関心でありながら政治や社会の根幹にかかわるルールがどんどん変えられている。小泉さんに近しい会社だけが行政の民間委託・民営化の利権を貪り、それ以外はとにかく社会の害毒のように言われ続けている。小泉構造改革は公務員などの小さな既得権を小気味よく叩きまくる。小泉政権の政策で、命を預かる保育士、ヘルパーの賃金は引き下げられ続けている。しかし物もつくらず命も預からず、パソコンの画面をいじるだけで、不動産を投機の対象として証券化しているだけで年収6000万を得る若者が少なからずいる。

抵抗勢力だっていいじゃないか、守るものがあったっていいじゃないか、そうした気持ちが持てないものだろうか。みんな抵抗勢力というレッテルを貼られることを極端に恐れていて、何の動きにもならない。勇敢なる抵抗勢力をつくっていく必要がありそうだ。

重複立候補制は廃止を 首相、与野党協議を指示
 小泉純一郎首相は8日夜、与党幹部に検討を指示している衆参両院の選挙制度改革に関連し、現行の小選挙区比例代表並立制について「政党が順位を決める比例(ブロック)代表よりも、一般有権者が直接選ぶ方がいい」と述べ、小選挙区を重視し、重複立候補の廃止を検討すべきだの考えを示した。
 その理由として「(小選挙区で)落選したのにどうして(比例復活で)当選してくるんだと疑問を持っている人がたくさんいる。矛盾がある」と、重複立候補の仕組みの問題点を挙げた。
 その上で「議論をいつでも政党間でやるのはいい。(与党の)幹事長や国対委員長が各党と相談すればいい」と述べ、与野党間の協議も進めるよう求めた。(共同12/8)

森派が660万円を返還 ヒューザーなどからの献金
 自民党森派(政治団体名・清和政策研究会)は8日、中堅マンション販売「ヒューザー」など耐震強度偽造問題の渦中にある企業や個人から過去に受け取った献金や、パーティー券購入代など計660万円を全額返還した。
 森派事務局が同日午前、それぞれの企業や個人の銀行口座などに入金した。事務局は適正に政治資金を処理しているとした上で「国会で事実の解明が進み、政府が国民の生活保護に努力している。返還することで被害者救済に役立ててもらいたい」とのコメントを出した。
 清和政策研究会の収支報告書によると、ヒューザーは2003-04年に森派が主催した政治資金パーティーで計200万円分のパーティー券を購入。(共同12/8)

自民、民主で大連立? 首相が提案、前原代表そでに朝日新聞2005年12月08日21時48分

 自民、民主両党による「大連立政権」を――。小泉首相が9月の衆院選後、民主党の前原代表に人を介してこんな話を持ちかけていたことが8日、明らかになった。前原氏は自民党との連立について同日、「99.99%ない」と語ったものの、与野党の憲法改正論議が進む中で再燃する可能性もあり、政界に波紋を広げている。
(中略)
与党内は首相の真意を測りかねている。相対的に位置づけが低下しかねない公明党は「首相にはそういう傾向がある」(幹部)と警戒。自民党の閣僚経験者も「大政翼賛会的なものか、あるいは異論がある人を外して連立しようということなのか」といぶかる。

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コメント

最近、ドイツの大連立を見ながら、この先日本も大連立というシナリオがあるのではないかと考えていた矢先で、このニュースには驚きました。都市部中選挙区制というのは公明に利益がありそうな話ですが、実は大連立構想とセットで出てきた話なのでしょう。今後もし中選挙区復活があるなら大連立は時間の問題ではないかと思います。
NHKについては自己改革の取り組みが甘過ぎて世論も民営化に賛成してしまうと思います。
現経営陣にはNHKを守り、報道の自由を守ろうという気もないだろうし、そういう人物が幹部になれない組織(末期的なのかも)なのではないかという気がします。
現場の良心的なジャーナリストやドキュメンタリストが気の毒でなりません。

投稿: wacky | 2005.12.10 23:22

wackyさまコメントありがとうございます
大連立はわがままばかり言う公明と必要以上に媚びてくる民主右翼を天秤にかけたブラフでしょう。ただ警戒は必要だと思います。公明と民主右翼とどちらが利用し易いかを見れば心配でなりません。
民営化やコストダウンは国民のひがみねたみに訴えかける方法であらゆる分野に求められています。NHKは格好の標的になるでしょう。しかしここは冷静な議論を期待したいのです。放送業界とくにキー局は公正な商売をしているのかどうか、NHKだからできることできないこと、峻別してほしいことです。NHKの不祥事の温床は決算承認1つ接待や特定番組の事前チェックを要求するような政治家の過度な介入です。そんな政治介入をする政治家を選んでいるのは情けないことに私たちなのです。

投稿: 管理人 | 2005.12.11 18:45

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