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2005.12.04

12/4② 政策効果がわからない児童手当

繰り返すが、児童手当が何のために増やされているのかわからない。公明党は支給対象を親が年収1000万まで小学校6年生までに広げよ、というし、自民党は3歳未満までは2倍にしろ、と言っているらしい。

ところが先日、三位一体改革で与党と厚生労働省は生活保護を切ろうとしたことを思い出してほしい。特に地方交付税の積算根拠化することで、地方交付税を受け取っていない東京、川崎、横浜、名古屋(景気がよくなれば大阪市も入る)などのそれこそ貧困層やホームレスなどの多い都市を直撃するような内容だった。

いったい3歳未満児で月7500円程度のお金もらって何だというのか。そんなお金なら1日休日返上して交通量調査のアルバイトでもすればいいのだ。義務教育の小学生を育てるのに、何の経済的負担があるのか、今で年収700万ぐらいまでもらえる児童手当をそれ以上の人たちまでバラまいて何の意味があるのか。具体的な政策効果がまったく説得力がないのに、お金をもらって反対する人がいないという理由でばらまき福祉が行われている。

朝霞市の場合、保育所に入れない子どもが70人近くいる。この親たちは、民間の無認可保育所に5万から8万の保育料を払って子どもを預けている。通常の保育料が高くて4万8000円(3歳児未満)、普通だったら3万7000円程度だから、2万円近い持ち出しをさせられている。何に使われるかわからない児童手当に毎年何千億もばらまくぐらいなら、保育所にきちんと予算をつけてもらえば、本当に変わる。

こうしたいい加減な政策だけがどんどん進むのは、政府が何のためにあるのか、という定義が違うのだろう。
政府が国民を統治することを出発点にしている人は、民が不満を持たないように慰撫するために福祉をやればいいと考える。だから社会的弱者でも発言力のない生活保護受給者や母子家庭はどんどんカットするし、児童手当のようにお金のある人たちにわずかな金をばらまくために何千億も無駄遣いができるのだ。
一方、困ったことをみんなで解決するために政府がある、という考え方をとる人は、困ったときだけ政府に頼ればいいように福祉の制度設計をするはずだ。この考え方に立てば、熱心に子育てしてても、育児放棄してパチンコしていても、金持ちでも貧乏でも等しく7500円払うなんてバカな制度はつくらない。

ただ1点、児童手当を認めてもよい場合もある。それは、今の所得税・地方税で子どもがいると税金がまけてもらえる扶養控除を廃止した場合だ。
今の控除制度は税率35%の高額納税者が子どもをたくさん作るほど効果が大きくなって、税率8.5%の貧乏人が子どもをたくさんつくっても、ほとんど減税効果はない。子育てを応援するという制度の主旨とは逆行する結果になっている。しかも、障害があろうがなかろうが収入がなければ何歳までも控除が認められていて、金持ちが子どもを自立させないほど税金を負けてくれる。ニート・フリーター減税といっもよい。
私はこうした高額納税者ほどトクする所得税・地方税の扶養控除は廃止すべきだと思っているが、その場合、社会合意を取るために必要というなら児童手当を入れることが考えられても良いと思う。この場合、高額納税者で子沢山は増税となり、低所得者で納税もぼちぼちという程度の人は大きなメリットになる。先の衆議院選挙で民主党が提案したが、前言撤回ポピュリズムの前原民主党はこの方針を堅持できるのか。

児童手当、小6拡大3400億円 負担増額分厚労省試算
2005年12月04日18時09分朝日新聞

 少子化対策として与党から拡充を求める声が出ている児童手当について、厚生労働省は、現在小学校3年生までの対象を小学校6年生まで広げると、新たに約3400億円が必要などとする試算結果をまとめた。ただ、三位一体改革で国の負担率が3分の1に引き下げられたため、増額分の多くは地方の負担に。国の財源確保に加え、地方の負担増の問題が、児童手当拡充の新たな火種として浮上してきた。

 現在の児童手当は0歳から小学校3年生までに、第1・2子に月額5000円、第3子以降に1万円を支給。サラリーマンの標準世帯で年収780万円の所得制限がある。

 公明党はこれを6年生までに引き上げ、所得制限を年収1000万円まで緩和することを求めている。試算では、その場合、給付に必要な財源は6400億円から9800億円に膨らむとしている。自民党内には3歳までの支給額を増やすよう求める声がある。試算では、現行の1.5倍にした場合で1100億円、2倍にした場合は2200億円が新たに必要としている。

 これらの増額分は、従来であれば国が3分の2、地方側が3分の1の負担だったが、今回の三位一体改革で、国と地方の負担割合が逆転。このため、例えば公明党案の場合、増額分の負担は国が約1100億円、地方が約2300億円となる計算で、地方側の負担が重くなるため、地方側の理解を得ることができるかどうかも焦点になってきた。

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