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2005.11.08

【地域福祉計画⑤】職員の研修

地域福祉計画で市民アンケートを取ったら、市役所の職員の仕事の姿勢に対する批判が多く寄せられた。もっともその中には、「いわゆる公務員批判」や「市民より睡眠時間は少なくあるべき」というような無茶な要求もあったが、中には、切実な窓口対応の問題を指摘する意見や、市職員の問題解決能力に疑義を呈する意見もあった。

そのようなこともあって、地域福祉計画には、職員の研修を項目として入れたが、これが市役所側には「接遇の研修」に矮小化されてしまった。
接遇なら今の朝霞市も悪くはなく、市民と接することの多い市民課、税務課、図書館などの批判はあまり聞かない。一般的に地方公務員の接客態度は改善されていて、クレームも多いせいか、相当丁寧になっていると思う。これ以上接遇研修をする意味がわからない。来客時のお茶を右から出すべきか左から出すべきかなど、そこまで公務員に教える必要があるのかは疑問である。

問題は、接遇より、営業マン的な技術をどう身につけるかである。
地域福祉を進める上では、市民や困っている人のニーズを聴き、その真因を分析し、どの市民や事業者に働きかければ、より満足度が高く、ローコストで、自分の力を中心に、参加意識を高めながら問題解決ができる市職員が必要になってくる。
しかし現在の朝霞市の職員は、こうした能力に個人差は大きく、能力を身につけている人は少数派である。それが如実に出ているのが、先日の庁内検討委員会の検討結果である。これを読んでも、市民には自分の仕事とぴったりあわせるように要求ばかりして、そうでない仕事は自分の仕事ではないからどこかいってくれ、という態度が見られる。まさに、注文の多い料理店である。
これでは要求がニーズにまで深まらず、市民の言いなりになるか、自分が統治するかの二者択一にしかならないし、市民や事業者の情報は集まらないし、満足度はないし、市民の参加意識なんか高まらない。

ここから先朝霞市を良くするためには、市職員の接遇改善で市民を気持ちよく市役所から帰ってもらうようにし向けたり、他の窓口に行ってもらうことではない。問題解決のために動ける職員をつくることだ。市民が持ち込んでくる難しい課題を解決するために、いろいろなところを調整したり、話し合ったり、働きかけたりすることができるか、である。

埼玉一の市役所になるのはまだまだ当分先のことになりそうだ。

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コメント

まったく同感です。
接遇がどうのこうのというのは表面上の問題ですよね。やたら丁寧に対応されても肝心の事が解決しなければ慇懃無礼になるだけです。
公務員改革も待遇どうこうではなくて、行動原理、ワークスタイルの改革こそやってほしい。

今度、総合計画策定のグループインタビューに行くことになっており、どんなことを話そうかと考えていますが、総合計画で描かれている分野別のビジョンだけを担当課だけが取り組めば良いのではなくて、全ての課が全ての分野のビジョンの実現にできることを考え、行動できるようになってないとダメだということを言おうと思っています。

投稿: wacky | 2005.11.09 00:34

教職員には一般企業研修というのがありますね。一般企業が善だとは思いませんが、感覚のずれを認識するためには最良の方法であることは間違いないでしょう。それにこの方法だと研修自体もやすくあがりますね。

投稿: 村越 | 2005.11.09 07:18

村越さん、いつもコメントありがとう。
一般企業と役所が一緒なわけがないので、同じということにはならないと思いますが、デパートで店頭仕事を手伝わせるより、優秀な営業マンに同行研修させて、客の求めているものを嗅ぎつけるコツや言葉のかけ方など教わるといいのでしょう。
私もそうした研修を受けましたが、そのすっはぽんのようなヒアリング技術は忘れました。ただ相手の言うことはたらいまわしにしない、とか基本的な訓練は今でも役に立っています。

投稿: 管理人 | 2005.11.09 20:32

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