11/26 不動産族議員だけ生き残っている
都合がつく限り応援してきた石毛えい子さんという前議員がいる。介護保険制度の細かい部分を固めた中心的人物といってもよい。だから自立支援型の福祉政策についてよく精通していた民主党では数少ない政治家だった。
しかし、女性で、年齢も高く、マッチョ大好きな政治業界のプロたちには「まじめでいい人だけど、おばちゃんだからね変えなくちゃね」みたいなこと陰口言われてきた。それでも、女性が小選挙区でがんばるのは難しいという周囲の心配を裏切るように毎回票を増やしながら惜敗率で追いついて当選を重ねてきた。
しかし、この間の総選挙で小泉の盟友の相手の自民党候補が票を大幅に上積みして、惜敗率が届かず、とうとう落選してしまった。前原マッチョ路線で公認されない心配もある。今回の落選はほんとうに残念なことだ。
その相手候補であった自民党の伊藤公介議員(森派)が今回のマンション強度偽造事件で、業者側の片棒を担いでいたことが判明し報じられている。
元国土庁長官・そして自民党の住宅土地調査会長というポストにありながら、国土交通省にヒューザーの社長が弁明する仲介をしたらしい。おそらくそれは口利きであり、議員という地位をちらつかせて国土交通省に手心を加えさせようとしたのではないだろうか。でなければこの期に及んで議員なんか使うとは思えない。
首都圏の保守(民主含め)というのはどうして生活者と不動産屋の対立する問題で必ずといっていいほど不動産屋の側に立つのか。地方都市のように核となる産業がないので、経済界との交流も不動産屋ばかりになるのだろう。
自民党は族議員の追放といって、政策調査会の専門分野の責任者を総入れ替えをしたようだが、不動産業者を保護するこの自民党住宅土地調査会長は入れ替えなかったようだ。これも謎だ。
かえすがえすも町田の選挙区で福祉の専門家を落選させ、悪徳不動産業者の味方を当選させたことはくやしくてならない。
<耐震偽造>伊藤元長官が小嶋社長を国交省幹部に紹介
自民党衆院議員の伊藤公介・元国土庁長官が、耐震データ偽造問題で建築主として国土交通省から聴取を受けている不動産会社「ヒューザー」(東京都千代田区)の小嶋進社長を、「友人が困っている」として、問題の公表2日前に国土交通省幹部に引き合わせていたことが分かった。「今さら建物を壊さなきゃいけないというのは困る」と話す小嶋社長と同席し、伊藤元長官は「何とか考えてもらえないか」と要請したという。多くの居住者の安全を脅かす問題の公表前に、政治家が業者とともに監督官庁に介入していた疑いが出てきた。
伊藤元長官が小嶋社長とともに同省内に建築指導課長を訪ねたのは、同省が問題を公表する2日前の今月15日。「友人が困っている。今から行くから話を聞いてやってくれ」と電話したうえで訪問し、約30分間、3人で面談したという。
建築指導課長によると、小嶋社長は「イーホームズが審査を通した物件なのに、今さら壊さなきゃいけないというのは困る」と発言。伊藤元長官の要請に、課長は「入居者の安全が第一だ」と答えたという。
伊藤元長官は毎日新聞の取材に対し、小嶋社長から「耐震基準の設計に公文書でOKが出たものだが、問題があるといわれた。どういう対応をしたらいいか」と相談を受け、「実際に人が住んでいるし、一日も早く安全確保をするのが最優先。一刻の猶予もないと、当日に連れて行った」と説明。「小嶋社長と知り合ったのは6~7年前。耐震データ偽造のことは知らなかった。お礼などはもらっていない」と話した。
伊藤元長官は小嶋社長に、昨年9月の政治団体「東京公友会」の2万円のパーティー券50枚を購入してもらっていた。
伊藤元長官は76年、新自由クラブから衆院議員に初当選。96年から97年まで国土庁長官を務めた。
(毎日新聞) - 11月26日3時30分更新
ヒューザー社長、公表前に伊藤元長官伴い国交省に陳情
朝日新聞 2005年11月26日13時36分
マンションなどの耐震強度偽装問題が公表される2日前の今月15日、建築主のヒューザー(東京都千代田区)の小嶋進社長が自民党衆院議員の伊藤公介元国土庁長官(64)を伴い、国土交通省幹部と面会していたことがわかった。小嶋社長はその場で公的資金の援助を求めたという。伊藤元長官は「安全にかかわる問題なので紹介した」と説明している。
伊藤元長官によると、15日に小嶋社長から「当社のマンションの耐震強度が基準に満たないことがわかった」と連絡があり、国交省に電話を入れた。同日、小嶋社長が国交省内で建築指導課長と会うのに同席した。
小嶋社長は「検査機関が機能していない部分に早急に対処してほしいと要請した」と話す。関係者によると、小嶋社長は「建て替えには何十億円もかかり、公的資金の面倒をみてほしい」とも要請したという。
建築指導課長は「事実を調べて、一両日中に公表したい」と回答し、その場で、伊藤元長官からの要請はなかったという。
伊藤元長官によると、小嶋社長とは数年前に知り合った。「安全にかかわる問題なので、すぐに国交省に話した方がいいと思い紹介した。その時点では姉歯(あねは)建築設計事務所のことは知らなかった」と話している。
国交省は15日にはすでに一部の書類偽造を把握。ヒューザーなど建築主各社に居住者の安全確保を求めていた。建築指導課長は「社長だけなら、通常は課長補佐が応対するが、議員が一緒だったので会った。圧力に感じることはなく、居住者の安全を図るという方針に影響はない」と話している。
ヒューザーは、耐震性不足を国交省が確認した完成済みマンション13棟のうち7棟の建築主。
伊藤元長官の政治団体「東京公友会」の政治資金収支報告書によると、昨年9月に開いた政治資金パーティーで、ヒューザーがパーティー券100万円を購入し、小嶋社長自身は、00~02年に、各16万円の献金をしたとの記載がある。
伊藤元長官は当選9回。
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コメント
私は石毛議員の落選を嬉しく感じています。あまりにも親朝鮮すぎるからです。国会議事堂の中で北朝鮮のアピールをするなど、限度を越えていたと考えているからです。
投稿: よしお | 2005.11.26 23:36
北朝鮮のアピールとはどんなことなのか、理解できません。嬉しいと勝手に実感してください。
生活感にもとづかない被害妄想による議論が蔓延していることはあまりいい傾向ではありません。
投稿: 管理人 | 2005.11.27 00:49
最近、誰の顔を見て政治をするのかということが大切だと思います。政治家の有権者との付き合い方はどうしても偏りがちになりますよね。結局個々の市民ではなくて、どうしても票を持ってる人との付き合いになってしまうので、その人たちの意見が有権者はこう言っているという話になってしまう。ここら辺は政治家のスタンスの持ち方一つですよね。対有権者コミュニケーションのあり方を変えなければ、結局、政権が変わろうが変わるまいが、同じことになってしまうような気がしています。
投稿: wacky | 2005.11.27 01:22
なぜ選挙民が自分の首をしめるような投票行動をするのか。まさに「生活感にもとづかない被害妄想による議論が蔓延している」からではないでしょうか。正鵠を得た表現だと思いました。
議員と有権者、ひいては有権者同士のコミュニケーションのありかたが重要であるのは確かな気がします。
投稿: 村越 | 2005.11.27 03:06
wackyさま
不動産業は票よりも、選挙を進めるための便利な道具立てを他の業界より持っている環境にあると言えます。例えば掲示板を出す場所、高い利潤、時間の自由がつきやすい営業マンの多さ、仕事上行政に関わる機会の多さなどです。
地域福祉やまちづくりに関わっていると、不動産業や土地持ちの地域政治への過度な関与が政策を動けなくしていることを感じます。そこを市民の側がどう乗り越えコントロールするのか、頭を悩ませる日々です。不動産業の公共性を確立するアイディアがほしいところです。
村越さま
コメントありがとうございます。地方から首都圏に戻ってきて、生活感なしに政治談義をする人に暴走しがちな人が多くて危うさを感じています。
投稿: 管理人 | 2005.11.27 07:00