11/3 愛する吉田ドクトリン
午前中、父親の子育てを考えよう、というグループ主催のやきいもの会があって、浦和に出かける。会場を貸してくれたわらしべ保育園の園長さんが、手際よくおいしくやきいもをやくコツを教えながら、みんなで焼いていく。
やきいもという作業を通して、知らない人どうし話したり、子どもが火のまわりで友だちをつくったり、垣根を外していくよい機会だった。
夕方、友人の誕生祝いで、喫茶店でよもやま話。ほとんど同じ年だが、この年齢になって大学に行ってみるという。以前は仕事が脂にのっているさなかに大学行きの話をされたので反対したが、今回は一段落ついているみたいなので、大賛成する。
岩波新書の「吉田茂」を読み始め。同じ「しげる」仲間といったら不遜だが、なんとなく親近感があって、また数々のエピソードがど外れて面白いので私の好きな偉人の1人だ。今やっている改革だって、吉田が作り上げた戦後政治の枠から出ているかどうかわからないが、とにかく吉田の考えた枠組みを踏み出すことに成功した政治家はまだ戦後、いない。
吉田は、その政治資金のために麻生炭坑、麻生セメントの利益の半分を食べたと言われているが、それ以前に手広く事業をしていた吉田の養父の資産も食いつぶしているらしい。政治活動をしているとどうしてそんなにお金を使うのか、今の政治資金規正法の感覚ではわからないが、大したものだ。
吉田茂は、今の一橋大学に入学したが、商業を習うのが性に合わず2ヵ月で退学した。偉大な政治家は商業・経営ができないと言ったのは小室直樹だ。自称「改革派」や○○○○塾出身の政治家は、財政規律だけを気にするあまり、国を経営する感覚、自治体を経営する感覚、と言いたがるが、吉田やサッチャーやゴルバチョフを見ている限り、偉大な政治家はそんなことをあまり気にしなかったみたいだ。しかし、その吉田は、戦前の日本に経済統計があれば戦争は起きなかっただろうし、起こしても負ける戦争はしなかったと言っている。
| 固定リンク
コメント
初めまして、最近ちょくちょくよませていただいています。
偉大な政治家でサッチャー、ゴルバチョフは意外な感じがしました。イメージとしては周恩来とかかなぁと思ったのですが。
投稿: 村越 | 2005.11.04 03:44
周恩来は尊敬し偉大ですが、偉大だったことが認知されたのは毛沢東がめちゃくちゃだったからかなぁ、と思うような感じがします。10億の中華人民共和国が滅びなかったのは周恩来の成果だけど、世界の流れを変えた政治的人物だったかと言われると、私は、少し違う感じがしています。
逆にサッチャーは尊敬していませんが、西側社会の常識を壊した人で、その壊した結果、今も小泉信者の感覚的イデオロギーを下支えしています。
ゴルバチョフは冷戦に自ら終止符を打ったことです。私が高校を卒業した年まで、冷戦の常識は諦めるしかない理屈でした。ゴルバチョフの登場は日本の政界の色合いまで塗り替えたのですから、私には胸に刻まれる政治家です。ただし自分の国を壊したから、復権できませんが。
投稿: 管理人 | 2005.11.04 21:36