11/28 仮託の人
西村真悟代議士が逮捕。国と国民を守ることをメインテーマに活動した議員が、民間の損保・共済を恫喝する示談屋を使い、国民の財産を収奪していたとはとんでもない事件だが、政治家にありがちな話で、公的資金を標的にしなかっただけ少しましかも知れない。少なくとも国民は命を失わない。
それよりやはり殺人マンション、つまりマンション強度偽装事件の方が大変な事件だと思うのに、西村真悟の逮捕報道で塗り固められ、全然報道されない。昨日は、自民党の国会議員、都議会議員が、今日は公明党の国会議員が加害者側のヒューザーの事件の「穏便な解決」のための便宜を図ったことが発覚したというのに。
ヒューザーの社長、自民党武部幹事長、ともに発言を二転三転させてとんでもない発言を続けている。不動産業に政治は甘いが、彼らの倫理に公共性はないのだろうか。
●「夜回り先生講演キャンセル」の記事に今頃になって水谷支持者と思われる方からコメントがつく。水谷氏のやり方に評価すべき点があるんじゃないか、というコメントはまともだ。しかし、「批判するのは簡単だ、誰も救っていない(と決めつけて)黒川が何かしている先生を批判するな」という論旨のものがあって、背筋が寒くなる違和感を感じる。
これは土俵にのって同じことやるまで批判をしてはならない、という没論理である。それは絶対に間違っている。同じことするまで批判を許さないというのは、オウム真理教や、自己啓発セミナーの危険性を指摘した勇気ある人たちへ信者が投げつけた理屈である。私たちを批判するのは簡単だ、まずはオウムのヨガをやってみてから批判しろ、と。
製造業やサービス業は、クレームを受けて、改良を重ねていって完成度の高い商品やサービスをつくっている。クレームを無視した企業は、欠陥商品を送りだし、ひどい場合は売った商品やサービスが死亡事故を起こす。
私は、理想の教育者がとんでもないことをする場面を見たり聞いたりしてきた。日本の教育者は教育本来の仕事以上に、生徒の人格支配を求められている。子どもが事件を起こすたびに親以上に教員たちが責任を問われ謝罪して歩くのはその証左だ。水谷氏に自分を仮託しているという人が何を体験しているのだろうか。
そうした「大きな力」に自分を仮託して、同化して、批判する人を封じようとする現象に危険を感じずはいられない。
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コメント
こんばんは。「公共性」について改めて考えさせられるような記事(批判)には感服しています。
>ヒューザーの社長、自民党武部幹事長、ともに発言を二転三転させてとんでもない発言を続けている。不動産業に政治は甘いが、彼らの倫理に公共性はないのだろうか。
まずあり得ないでしょう。特に今の政権は「土地」関係者で成り立っているのは明らかです。自分達の大失態の尻拭いをし、また損失補填までしてくれる「VIP」なのですから(TV・新聞報道もまた然り)。
ただ、連日の下らない隠蔽報道は同時に与野党共に無為無策(あるいは単なる無能)であり、また日頃の怠慢ぶりを逆に露呈してしまっている。妙な事ですね。つまり政策面(特に事業面や票数獲得等)において他に頼れるものが「全くない」という確固とした証明になる。そして裏では公金の奪い合いが日常茶飯事的に、実に白昼堂々と行われている。怖ろしい事です。どこかでこういった癒着の連鎖を絶たない限り、この手の特大事件は今後爆発的に起こるでしょう。もしそうなれば国家レベルでのジェノサイドを地で行く事になるわけで……いいかげん欠陥製品規制緩和は止めないと拙いですね。
あとこれは余談ですが、一応身の確保を考慮しておいた方がいいです。なかなかあやしい輩が徘徊しているのが現実ですから。
今後も頑張ってください。
投稿: 匿名さん | 2005.11.29 01:25
夜回り先生はすごいと思います。そして、講演会も無料でなければならないという彼の信条も分かるような気がします。ボランティアで行っているのだから、金銭的にクリアでありたいという欲求はあると思うのです。
ただ、管理人さんは運営側に立って、広報もしなければならないし、会場も押さえなければならない、講師にまさか自弁で来てください、ともいえないだろう、そのための「受益者負担」としての応分の負担を考えてみては、という意見も理解できるのです。
このまま行くと、どっちつかずの日和見主義者か、と思われるかもしれませんが。
ただ、気になったのは夜回り先生の伝説が一人歩きしているのではないか、と思う現実です。そして、夜の町にたむろして帰れない、帰らない児童の福祉まで、夜回り先生に負わせているこの社会の異常さを感じています。
あと、福祉に立ち向かっている人間もすごいですよ。福祉事務所勤務の時に、現代日本に本当に文字通り食べられない子供がいることをまざまざと見せつけられました。社会福祉士の実習生が絶句したほどです。他者に行動を求めるなら、自らの行動を省みよ、が自省の言葉です。
投稿: 窓灯り | 2005.11.29 07:47
窓灯りさまいつもコメントありがとうございます。日和見なんて思っていませんよ。
夜回り先生が英雄にならない社会が必要ですね。それはすべての教員が水谷氏のように滅私奉公で働けというのではありません。
問題行動になる前のところで子どもたちに居場所感があり救われる社会であり、問題行動をする子どもがいても、複数のおとなや友だちにチャンネルが残され、自分にあったチャンネルから救いを見いだせるようなことができないかと思っています。
人を救うのは向き不向きがありますし、内容や手段によってもまた向き不向きがありますね。他者との比較よりも、自分が確信もててできる範囲での支援を、と思います。
投稿: 管理人 | 2005.11.29 07:48
匿名さんありがとうございます。欠陥商品を売りつけられているのは昔のまんまですね。
自民党幹部から出てくる被害救済策だとか、耐震強度強化の税優遇だとかが、結果的にマンション業界を潤すものであったり、自力救済が可能な人を支援し、自力救済が厳しい人に何もしない結果になるような内容で、泥棒に追銭という感じがぬぐえません。
また後ほどこのことについて書きます。
投稿: 管理人 | 2005.11.29 07:59