11/25 不動産で悪さをする銀行
マンション強度偽装事件がどんどん広がっている。そもそも姉歯建築士が勝手に悪行を繰り返したという設定に無理がある。強度偽装をするからにはそれで儲かる人たちがいるわけで、そうした人たちが姉歯氏を利用したか姉歯氏に指示したとしか考えられない。
その偽装の最大の主犯であろう木村建設が破産申請したのは、やはり主力銀行の肥後ファミリー銀行との共謀のようだ。木村建設の社長の血色の良いこと、破産した会社の社長とは思えない。肥後ファミリー銀行の企業倫理が問われることだろう。預金者はモラルのない銀行に三行半をつきつけ預金を払い戻してほしいものだ。
ところで野党、とくに建設的な対案を出すはずの民主党はこの問題で何をしているのだろうか。幹事長の談話や、党首の地方行脚の話を点検しても、マンション強度偽装問題で政策変更しなければならないことについて何一つ言及していない。ほんとうに政策勝負、マニフェストを売り出した政党なのかね。民主党が規制緩和に対して総論賛成、規制緩和することはとにかく改革になるという色眼鏡を外したくないから何も言えないのだ。それにしても労組は批判できても、悪徳不動産屋には頭が上がらないのだろうか。
行政が建築確認をチェックできなかったということが声高にニュースで伝えられ、行政の無能さをなじり、これまでの民間による確認申請のままでいいという国土交通省の責任逃れの態度をマスコミは疑いなく宣伝している。この問題は、利益背反する人たちがチェックしあっていることに問題があったのだ。建築確認を誰の指示で行うのか、行政の指示で民間業者が受託して行うのがいいのか、建築業者が懇意にしている民間業者に頼むのがいいのか、消費者の利益を考えたら行政が建築確認の発注主になる方がいろいろあってもまだましなはずだ。またマスコミも規制緩和はいいことだという色眼鏡を外したくないからこんなバカな報道がまかり通るのだ。
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コメント
やばくなったら自己破産(またはペーパーカンパニーとの合併)というのは、建設会社がよくやる常套手段ですね。木村建設も自己破産して、手形を買い直して、また新たに違う会社名として出発するでしょう。法人は有限責任で与信があり、自然人は無限責任で与信が小さい、という銀行の「法人万能主義」がこうした動きを加速させるものだと痛感しています。
実は買い物へ出る準備をしているときに、フジテレビの某番組に自民党の武部某が出演しておりまして、ながら聞きのため不確実かもしれませんが、某は「規制緩和とは、官僚の事前規制から事後確認への方向転換」だと力説しておりました。
なるほど。つまり、建ってしまったマンションは、事後確認で不適格だから、壊しなさい、ということは自民党の施政方針でもあるわけだと、妙に納得してしまいました。
私自身は規制の見直しは必要であると思っています。規制を厳しくするところは厳しくする、規制の必要のないところは規制を外す、そういうことが行政改革だと私は思っているのです。その判断基準は民富にかなうかどうかだ、と思っておりますが、こういうことを言うと、あんたは世間から視点がずれているとよく言われます。
投稿: 窓灯り | 2005.11.26 14:07
窓灯りさん、全然視点がずれていませんよ。規制をいじることが自己目的化することは強化するにしても緩和するにしてもおかしいわけで、最終の目的は規制緩和や規制強化でどうしたいのか、どういう効果をもたらしたいのか、ということにあるのではないでしょうか。規制強化して統制経済で貧乏になってもかなわないし、規制緩和ばっかり進めて競争ばっかりして疲れ果ててしまう公害社会でも困るわけで全然ずれていません。
事前規制とか事後規制とか決めつけるのかおかしいのです。事後規制にふさわしいこともあるし、事前規制でトラブルを回避しなくてはならないこともあるし、それを効率という面で照らし合わせてみれば普通に仕事していればわかることではないでしょうか。
マンションを建てさせて事後チェックやって壊すなんて経済合理性に反しているわけです。
やはり武部がのさばる政治なんて国を滅ぼします。
投稿: 管理人 | 2005.11.26 17:18