11/16② 歳出カットはいつをもって成功とするのか
増税の是非をめぐって政権内部でいろいろな議論がされているようだが、俗受けしやすい「まず歳出カットから」という言葉、もういい加減にしてほしい。
よく税金の無駄遣いが指摘されるが、それはなくすべきだが、そんなことで数十億浮かせたところで、1000兆の政府債務が消えるわけじゃないし、毎年35兆の財政赤字(正味20兆)が消えるわけがない。
その間、障害者福祉が切られ、介護保険は当初の理念をねじ曲げるような改革が行われ、保育所の整備は進まず、宗教政党の集票活動のために児童手当がばらまかれながら母子家庭は涙を飲み、教育の質は上がらず、国より信用度の低い地方財政につけ回しが進み、行政や政治の停滞が続いている。バブル時代が終わってから、歳出切りつめとずっと言われている。その結果、政治も政府も何も新しい思い切った事業はできないでいる。
増税反対論者は、歳出カット努力を何年続ければ増税が許されるのか答えるべきだろう。
そう思っていたら、東北の民主党議員がとてもよいことを言っていた。民主党は早々と増税反対を言っているから、党のポピュリズム路線にきちんと問題提起している。
http://www.manabu.jp/diary/index.php?20051116
とても素晴らしい議員だ。増税に言及しない財政再建は無責任な議論なのである。
税金は安ければやすい方がいい、ということを「庶民」が言いがちだし、小泉圧勝のからくりを見ているとそういう感覚が強い。しかし本当は「庶民」は減税で損をする。増税でトクをする。税金が安ければいいというのは高所得者の実感で、有名テレビタレントや、テレビ局や新聞記者、高級官僚、バブル紳士などの実感である。それにまんまとのせられているのが「素朴な」増税反対論なのである。
低所得者が負担する税は収入の実質3~5%で、年金の国庫負担分、子どもが産まれて保育所や学校を利用した場合の公費などを考えればむしろ戻りの方が多い。減税すればするほど、高額納税者が喜ぶことになる。一方、公的支出が減るから低所得者などが受けていた行政サービスが削られる。低所得者はもともと安い税金がごくわずか減るだけである。だとすると、払う税金がちょっと減って、もらう公的サービスは大きく減る。それは税金ではなく、私費で負担しなければならない。有料老人ホームや無認可保育所の高い利用料などその象徴だろう。
「庶民」は増税を言うべきなのである。そして保育料や民間年金保険料など私費負担しているものを堂々を公的負担してもらうことを主張すべきなのではないか。
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コメント
全面的に賛成です。東北の議員さんのページもよく整理されてますね。
民主党議員の方々には、増税についての感覚をつかむヒントとして、クリントン前大統領の『マイライフ』を必読書としてお薦めしたいです。
投稿: 森田敬一郎 | 2005.11.17 08:47
ありがとうございます。
私も読まなくては。ケネディー以来の大統領ですから。
投稿: 管理人 | 2005.11.17 20:53