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2005.11.12

11/11 目の前の子どもがいるところに権限を

教育費の一般財源化問題が議論の俎上にのぼっている。日教組にも労働組合仲間がいるから言いにくいが、私は思いきって教育費は地方の自主財源にすべきだと思う。国の行う国民教育だから国の補助金として残せ、と言っている人は、実際の効果より、理念系の話をしているに過ぎないとしか思えない。

志木市で見られたが、文部科学省が国庫負担金(補助金)で補助要綱を事細かに決め、国定教育を推進していくことは、自治体によって高い水準の教育を求める場合の足かせになっている。
現実には、少子化で地方では少人数教育が可能になっているにもかかわらず、国庫負担金の縛りで、表だって少人数教育はできない。あるいは、小学校から英語を教えることに問題を感じてはいるが、地域によっては中国語やポルトガル語、ロシア語を小学校から教えなくてはならないところもあるだろう。そういった場合に、今の補助金では加配の教師をつけられず、何もできない。

また、今の子は少しでも向学心があると塾に放り込まれ、深夜まで学校でやっているはずのことを教わる。公立学校が塾との学力競争にうち勝たないと、子どもたちが遊んだり地域活動をしたり社会経験する時間が取れない。その戦略は中央の文部科学省では立てられないだろう。
国鉄の分割民営化ではないけれども、教育はヒューマンサービスで、ヒューマンサービスは小回りがきかないと全然質が良くならない。自治体が必要に応じて、クラスを大きくしたり、小さくしたり、なくしたり、専門教育課程をつけたり、そんなことができる教育システムに変更しなければならないのに、根幹のお金を出すところががんじがらめではどうにもならない。

国の補助金だからといって、質が保障されるということはないと思う。現実、国の補助金だから、国の指導要領のままにしか教えられない教員ばかりになっている。そして立案する文部科学省は三流官庁だ。今の教育に関して言えば、低位安定である。
さらに国という生活からは抽象化された場で教育が議論されるから、その内容はどうしてもイデオロギー論争の代弁になる。実際、役に立つ教育、意味のある教育を実現するには、目の前でお客様である子がいて、それに教育をする教員がいて、その当事者たちが課題に思っていることが翌年には変えられるような議論をしなければならない。それは自治体単位で教育施策が変えられるシステムが必要なのだ。福祉と違い、大多数の人が関わり関心が高い問題なので、自治体の自主財源になったからと言って、節約のため教育のレベルを落とせば子どもたちがいる家庭の人口流出がおきて自治体間競争に脱落するだろう。

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コメント

 小中学校では「指導要領」が幅をきかせて、「地域独自の教育」というものが難しくなっている現実がありますね。
 私の時代は「第2次ベビーブーマー」時代でしたので、義務教育時代はプレハブ校舎がありまして、そこで学んでいる児童・生徒も多かったです。で、クラスルームは詰め込み状態。NHKの「ようこそ先輩」を見ていて、クラスルームが空いている…、と正直驚いている次第です。
 私自身は「読み・書き・ソロバン」の最低到達限度を国で定めて、あとは小学校6年、中学校3年でどのように「到達」させるかは、それぞれの教育委員会、学校長、教員に任せてみても問題は少ないのではないかと思っています。
 あと、空き教室の問題もありますから、例えば選択科目の充実とか基礎学力の習熟別学習に利用するとか、発達障害の児童のために利用するとか、利用方法はいろいろあると思いますが、何事も法定受託事務のため(県を通じて=県の役人を説得して)国にお伺いを立てなければならず、八方ふさがりというのが現状でしょう。
 教育の競争といえばいわゆる「偏差値競争」になってしまうのではないか、と言われますが社会は教育関係者が考えるよりも多様性を増していると思います。教育内容の多様性を行えば、学区を越えた複数学校選択制にもつながり、教育の質が上がるような気がします。

投稿: 窓灯り | 2005.11.12 09:32

教育水準を維持する方法として2通りあると思います。1つはイギリスのようにすべての学校に学力検査を行って学校に対して文部省や教育委員会が評価を行うという方法。もう1つは地域住民や子どもによる評議会をつくって、教育内容を決定・評価させる方法があります。後者は北欧で取られている方法ですぐれていますが、地域に関わる大人が特定の人たちしかいない日本の現状ではいろいろ弊害が出るかも知れません。前者はまさしく教育ママをたくさんつくる政策です。
教育は宗教みたいなものですから、どうしても無意味な競争に駆り立てられがちです。そこをどう止めるのか、難しいところですが、今日のように学校も、塾も就職も競争させられ続けるのではおかしくなると思います。

投稿: 管理人 | 2005.11.12 10:56

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義務教育費の一般財源化について、地方六団体と文部科学省の綱引きが続いています。この話ほど、本音の飛び交わない話はないと思います。本音は以下の通りではないか、と私は勝手に妄想しています。 ・文部科学省 ただでさえ少ない権限が減ったらたまらない。 これまでの学... [続きを読む]

受信: 2005.11.14 11:14

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