10/3 相手を叩いて世の中が変わるか
午後一番に、私と一緒に労働運動から共済に異動になった理事長のあいさつを聴く。それから朝霞に戻り、次世代育成支援行動計画推進委員会の会議に出る。
昼間という時間帯のせいか、保育所に風当たりが強い。曰く税金を独り占めしている(年金受給者、医師や介護業者に比べてそうだろうか)、預けれている親はお気楽だ等々。
そうした保育所&保育所利用者への風当たりが強くなると、保育所利用している保護者は「専業主婦は働かないで社会サービス受けてお気楽だよなぁ」なんて議論になって、実に不毛な展開になってしまう。最悪な場合は、役所が両方の議論を手玉に取って何もしなくなること。
保育所を利用していようが、利用していまいが、社会資源をきちんと利用して、子育て、生活、労働、余暇のバランスのとれた生活して、子育てを通して少しでも楽しく、充実した暮らしを創り出すことに意味を求める議論をしていきたい。
●ムネオ疑惑で連座した佐藤優の「国家の自縛」を読む。
外務省、情報外交のあり方、対ロ関係について、編集者のしょうもない質問に対して、佐藤優が極めて的確に答えていくかたちで書かれている本。
興味深かったのは、北方領土四島返還論。単細胞民放視聴者の代表のようなテリー伊藤はムネオ疑惑のときに、鈴木宗男の北方領土返還交渉の動きを「売国奴」と言ってのけた。多くの日本人も四島一括返還論が、鈴木宗男が推進した現実的四島返還論(鳩山・グロムイコ交渉で返還に言及した歯舞・色丹の返還を確定し、国後・択捉を交渉事項にするやり方)より正しいと信じている。私は、北方領土問題の課題は漁業者の安全が第一の目的なんだから、歯舞・色丹の先行返還だって構わないと思っている。
佐藤は、原則的な四島一括返還論にもとづく運動は、進める側が絶対実現しないことを前提に運動を進めており、運動体はそのために年間1億円程度のお金を政府からせしめ取り利権化していると言う。
最近、外交で突っ張れば突っ張るほど国内受けがいい。しかし、北方領土も、靖国参拝も、北朝鮮拉致事件も突っ張れば突っ張るほど元も子もなくなっている。でもその突っ張っている立場の本質は何の外交成果も必要ないという立場なのではないかと思ってしまうことも多い。安倍晋三の言っているやり方で拉致被害者が帰国するシナリオを見てみたいし、根室の漁師たちがイスラムマフィアに泣かされない漁業ができるシナリオを見てみたい。ないだろうと思う。
実を取る外交は、交渉で突っ張り、国内向けには世論の暴走を沈静化させ、交渉の中でお互いの最大のメリットを冷徹に探ることではないか、と思っていたら、佐藤も同じようなことを言っていた。
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