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2005.10.12

10/12 市民のふりをして潜入する利権

朝霞市の基地跡地利用の市民検討委員会の委員募集(定員100人)に160人以上が応募。何があったのだろうか。

もともと基地跡地利用については市民の関心が高い。財源をどうする、既存のまちづくりとの調和をどうする、ということを置き去りにしながら、夢物語ばかりが膨らんでいる。それというのも朝霞市は埼玉県の同規模の都市に比べ、野球場、陸上競技場、老人ホーム、図書館、公民館を基地跡地につぎつぎに作り、あたかも基地跡地が都市基盤づくりの玉手箱のような役割を果たしてきたからだ。

しかし、今回の基地跡地利用は難しい。今までのように財務省が安価で貸与することはありえず、あくまでも市価での貸与または譲渡になる。あまりにもおおぼらを吹きすぎると、他の自治体のように公共事業で首が回らない自治体になる危険性がある。

ところで、跡地利用の市民委員会にどうして160人もの人が応募したのか不思議でならない。福祉にしたって、子ども政策にしたって、みんな切実だし関心があるし文句言うのに、そうした委員になろうという人は桁が2つ違う。役所が文句言う市民にまで声掛けて、やっと2桁に乗っている状態だ。

私は10年前、札幌駅の再開発の市民ワークショップに出席したことがある。小グループでワークショップをやるのだが、一緒になったメンバーのうち私ともう一人の中年男性以外はみな土建屋か行政コンサルの社員。他のグループもそんな感じだった。8割は再開発で儲かる人たち。彼らはどうでもいい態度で議論をされるし、自分たちの仕事に不利な意見が出てくると、「極端な意見ですね」なんて言われる。そういうシーンが各グループで繰り広げられ、最後には各グループでなされたどうでもいいやりとりを発表させられた。それを行政と公共事業業界お抱えの建築学者が「うるおいのある、親しみのある、やすらぎのある駅前づくり」と強引にまとめてしまい市役所にフリーハンドを与えてしまった。そして、いくつかの肝心なことは全く省みられることはなかった。
札幌駅は高架化するときにそっくり北側にそのまま駅をつくってしまった。そのためJR駅が地下鉄駅と200メートルも離れてしまい、乗り換えにはものすごい歩かされるようになった。また地下鉄駅は高度成長期のもので、バリアフリーに全く対応しておらず、それらと一体的に改築すべきだと言ったら、「極端な意見ですね。違う意見も尊重しましょう」と土建屋連合に一蹴された。で、何ができたかと言えば、長い距離歩かされる人がお金を落とすためのデパートであり地下街だった。

この思い出が今回も再現しないで欲しいと思う。基地跡地開発は土地と税金がからむ朝霞市では最大の利権が動く事業である。それが役所や土建業者、基地跡地を自分たちの商売道具にしようとして虎視眈々としている業者の回し者で圧倒されてはならないと心配でならない。
160人の委員の過半数に善良を求めたいが、どういう仕事をしている人たちなのか情報公開を求めたい。

また多すぎる委員で利権を議論することがいいのか疑問でもある。行政コンサルタントの手のひらで、本当に異議を唱える人はまず少数派だろう。そうした人を特殊な意見とか、相手の意見を尊重しない人などと言いながら、雰囲気やレッテル貼りを利用して強引に運営するようなことが100人の会議ともなると可能になる。多くの人はやじ要員でしかないからだ。根回しされた何人かの意図ある委員たちで話の段取りが固められていることもありうる。心配でならない。

●福島県が郊外型スーパーを規制するという。拍手を送りたい。
スーパー業界、特にイオン・ジャスコは憲法まで持ち出して猛反発しているようだが、道路整備、土地用途区分の見直し、水道整備、公害の処理、犯罪の誘発など、郊外型スーパーは無軌道な営業に対して、あまりにも自治体(税金)に無用なコストを押しつけている。失業や廃業、コミュニティーバスの運行、買い物ボランティアの確保なども含めれば多大な間接コストも払わされている。そうしたものを行政任せにしている以上、開業規制されるのは当たり前だ。営業の自由の尻ぬぐいを自治体がさせられるのはあまりにも異常だ。
国民の義務や責務ばかり言いたがる財界が、自分たちの無軌道な自由に何ら反省しないで、改正提案までしている憲法を持ち出すところが情けない。

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コメント

市民参加の正当性の担保のためには、情報の完全公開が必要ですね。
市民参加には胡散臭い副産物が結構あります。

投稿: takeyan | 2005.10.13 00:05

まだとんでもない委員が選ばれたわけではないので、過去のトラウマからの懸念です。
利権がからむ政策決定過程は、相当の公開性を持たせなければ何があってもおかしくありません。
福祉の政策効果についていろいろつきつめる議論がありますが、土建公共事業はムードだけでどんどんものがつくられていくことに不安を感じます。

投稿: 管理人 | 2005.10.13 00:19

現在、まちづくり3法の改正が進行中なんですよね。私は商店街で生まれ育ち、今もそこから生活の糧を得ている当事者であるわけですが、最近まちづくりが利権でむちゃくちゃにされてきたし、今もされつつあるということを痛感してます。ただ商店街も問題で、商店主たちも補助金利権に群がっているのは事実で一方的な被害者ではないと思っています。イオンが経済的自由権を主張することにも一利あり、一つの理論としては成り立ちうるわけで、商店街を社会資本として維持・発展させることが公共の福祉足りうるという社会認識を広めなければ、
商店街を保護するような法解釈は導かれないのではないかと危惧しています。そのためには商店主が商売人としての原点に立ち返り、努力する必要があると考えてます。

投稿: wacky | 2005.10.13 07:56

同感です。
でもやっぱり、クルマに依存した消費社会が高齢社会で持続するわけがなくて、豊かな消費社会を高齢社会でも維持できるようなまちづくりが必要です。そのためには今から商店街をデザインし直して、買い物と生活と住居が一体となって、かつ段差の少ないまちづくりをどうするか、そこにスーパーは何ができるのか、という観点で考えていくことが必要かなと思っています。

投稿: 管理人 | 2005.10.13 23:00

そうですね。たらればでいろいろ言っても仕方ないですしね。中心市街地活性は商店街の力だけではできないし、都市計画やその他いろいろな分野の政策をフル稼働させて、ようやくできるかできないかぐらいハードルが高いことだという気がしてます。

投稿: wacky | 2005.10.14 08:09

市民懇談会、抽選に通りました。
ボクの本職も、大きな枠で言ったら土建屋かも!?(苦笑)
もっとも、弱小…いや極小なので、どうあがいても利権とやらには関われませんけどね。
一市民として、とにかく事の成り行きをしっかりと見届けようと思います。
市民側も、一部では多数派工作の如き動きもあるようで、利権からの防御という意味ではそれもアリなのだろうけれど、それはそれでひとつの「偏り」なので、これからがちょっと心配。

自分がクルマ乗りなので、いつもアンチクルマな話を、ドキドキしながら読んでいます…。

投稿: yone-zo | 2005.10.14 11:21

yone-zoさま久しぶりです。いつかはご家族に大変お世話になりました。まだまだ使っていますよスリング。ありがとうございます。
私の福祉に関しては利害関係者とも言えます。でも仕事上の利益どころかひょっとすると知り合いの朝霞市職員は管理人の働いている労組なんか絶対に入らないと思われているかも知れません。
利権の動員はもっとあさましいですよ。彼らは市民カレッジ行ったり、まちづくりに参加してきた実績のあるyone-zoさんのような助走期間はありません。突然、そうした会議にやってきて、オウム返しのような意見しか言いません。
アンチクルマの思いはトラウマを起因にした趣味ですが、人に共感してほしい考えは、クルマをもう少し乗らないようにしたらもっと良い暮らしができて、良い街づくりができるんじゃないかなぁ、ということです。ご安心ください。

投稿: 管理人 | 2005.10.15 01:20

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