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2005.09.20

9/20 民間労組なら抵抗勢力ではないのか

民主党の前原が、公務員労組の支持はいらない、生き馬の眼を抜く民間労組の支持だけくれればいいというような発言をしている。

しかしここ数年の連合が問われていながら超えられない本質的な課題というのは、民間労組にこそもっと強く出ていると思う。
パートや派遣の組合員化をかたくなに拒否し、「生き馬の眼を抜く競争」のために、人権蹂躙も甚だしい業務請負会社への仕事の丸投げを積極的に容認してきた。組織率の低下は、むしろ分け前を特定の人に集中させることで、大企業労組にとっては、歓迎すべきことなのだろう。

組織運営の談合体質もひどく、城繁幸の富士通の内幕暴露本には人事当局よりもひどい実態が表現されている。連合のホームページの組合づくりの案内に、組合結成大会の前には、根回しを良くし、誰がどの順で話すか十分意思統一せよ、と書いている。どういうことだろうか。

戦後、労働運動は共産党の独善的な引き回しをいかに遠ざけるか、という目標は単純で技術的に難しい問題に直面し続けてきた。特に終戦直後、権謀術策、隠密行動に長けた共産党の組織のかきなわしから労働運動を奪還した民主化同盟は、共産党から発言の場を奪うテクノロジーだけを発達させてきた。今日のように共産党が影響力を失い、棲み分けが明確になる中で、こうした共産党封じの労組の運営手法はただの談合体質で閉鎖的なものになってしまった。

組合員にとっては意見1つ言うのも面倒な組織になり、自分の組織という意識が失われていく。幹部も組合員の意見の聴き方がわからなくなって、反対意見がないんだからいいんだろ、という感じになる。その結果、人道上どうよと思うような会社のリストラ策や、下請け・パート・業務請負への抑圧、それと並行して組合員である労働者の能力発揮の場を狭めていくような会社側の改革に組合員の力を結集されることは困難になる。

いやいやそれでも民主的だよ、という人は、韓国の労働組合と比べてほしい。韓国の労組は、会社と1つ協約結ぶにしても全組合員の秘密投票による批准が必要としている。2年に1度の無競争選挙で役員になっただけで、おれは組織をまとめているんだ、と尊大な気持ちでいることは許されない。

民間労組と政策の関係も課題が多い。民間労組は、自分の会社や業界の未来を考える以上のことは組合員に求められていない。本質的に社会的連帯できる広がりを持たせることは難しい。民間労組は年金も医療も自分たちの職域、業界の人のこと以外考えない。組合員以外の人たちのことを考えるなんて、そんな余計なことを組合員は付託していないだろう。

民主党と民間労組の関係の試金石は、医療保険制度の改革だ。公務員制度改革や郵政民営化より国家財政に直結する課題だ。
民間労組は、大手企業の労働者とその退職者に至るまでを組合健保に囲い込むことを訴えている。表向きは保険者機能の強化で、高齢者を食い物にした診療報酬にチェックを入れることをめざしている。しかし現実には、大企業が雇用の外に放り出した、フリーターや重度の障害者、疾病などによる中途退職者などのリスクの高い人たちを国保に見てもらい、大手企業の正職員たちが安い保険料で医療サービスを受けられる結果になる。民主党は地域ごとの統合をめざしている。そこには大手企業の正職員もフリーターも重度障害者も同じサイフで運営される。この対立する主張をどのような理屈ですりあわせできるのか。こうしたとき前原原則が貫けるのだろうか。

労組との関係悪化辞さず 郵政・公務員改革で前原氏
 民主党の前原誠司代表は20日、連合の笹森清会長と都内の連合本部で会談し、労組との関係について「郵政民営化の対案づくりや公務員制度改革にしっかり取り組みたい。意見の合わない組合、産別とは(一致できなくても)仕方がないというスタンスを貫きたい」と述べ、郵政・公務員関連労組との関係悪化も辞さない考えを伝えた。
 同時に「働く方々の視点に立った政党でありたい。民間労組は生き馬の目を抜く経営環境で労使が一体になってさまざま改革をしている。そういう流れを止めてはいけない」と述べ、連合内の民間産別・労組との関係を重視していく意向をにじませた。
 これに対し笹森氏は「政策が合わなければ党は党、労組は労組の判断でやればいい」と表明。選挙支援に関し「労組一辺倒ではない選挙支援体制をつくってほしい。民主党はこれまで労組以外の支援団体をつくってこなかった」と述べた。

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