« 9/1  | トップページ | 9/3 場外戦で決する選挙 »

2005.09.01

9/1② 選挙を特殊な人たちの手から奪還する方法

民主党のメールマガジンを送られてくるが、総務省はとんでもない法解釈の一方的改正で、このメールマガジンの発信を違法行為として警告する方向らしい。
今回の総選挙は与党の世論誘導があまりにも露骨で、その延長からはこうした法解釈の一方的改正はいかにもという感じがしないでもないが、監督官庁まで巻き込んで、野党の言論活動を徹底的に、原理主義的に封じようということらしい。政権交代がないということはこうしたことなのだ。

もちろん民主党はこれに猛反発し、総務省に見解を質しているが、単にインターネット選挙の解禁ということではなくて、原理的に選挙のルールを変えなければならないと思う。

公職選挙法の骨格は、大政翼賛会が誕生したときに、大政翼賛会以外の政党が不利になるようにつくられたルーツを持ち、基本的には自由選挙の社会にふさわしくないものだ。基本的な人間のコミュニケーションにもとづく政治活動(ビラ配布や個別訪問による働きかけ等)を禁じ、組織や社会的コネクションを持つものだけがいろいろ運動できるチャンネルを認めるシステムになっている。
また、合法的な選挙運動を見いだすには、極めて難解な法解釈を必要とし、弁護士でも明快な答えはない。選挙事務所で働いてみると、逮捕を覚悟できるような特殊な人間しか選挙に関われないような雰囲気がある。それは誰でもが民主主義に参加し社会を改革するシステムとは言い難い。

国民の多くは政治や政治家に不信を持ち、小学生の学級会のノリのように、闇雲に選挙に関して規制をかけることを支持するようなところがあって、結果として公職選挙法は翼賛選挙のままのがんじがらめな体質が続いているが、そのことで国民と政治の距離を遠ざけ、かえって誰のものかわからない人だけしかかかわらない政治になっていることを、原理的に押さえ、公職選挙法を根本的に改正することが不可欠だと思う。

個別訪問や文書の自由のあるイギリスの選挙が金権選挙だと聞いたことはないし、選挙カーがけたたましく走り回るようなことはないという。有権者が政策検討をするにはビラが必要なのに、ビラ配りには演説を聴いている聴衆のみという厳しい規制がかけられている。そしてビラを郵便で送ると郵便代が買収になるからと、人件費の高い日本人をたくさん雇ってビラを手配りさせる、なんて矛盾が公正な法体系とは思えない。

民主党メールマガジンDP-MAIL 読者のみなさまへ


 いつも民主党のメールマガジンDP-MAILをお読みいただきありがとうございます。

 さて、このメールマガジンの発行について、本日、「選挙運動に使用する文書図画
の配布を規制する公職選挙法(以下公選法と略)第142条に抵触している」との指
摘がありました。

 公選法にはインターネット使用については明確な禁止規定はありません。総務省が
1996年に新党さきがけの質問状に答え、示した見解により、公示後のホームペー
ジ更新やメールマガジン配信などについて、規制が行われているのが実情です。
 
 公選法上の「選挙運動」とは、(1)特定の選挙において(2)特定の候補者を当
選させるために(3)有権者に働きかける行為、の3つの要素を指しています。
 
 メールマガジンは、登録した読者だけに送信されるもので、不特定多数への頒布に
はあたらないものと従来は判断され、民主党としても、選挙公示後は、「選挙運動」
にあたる文言を記事からいっさいはずして、通常の政治活動の一環として、党の政策
やそれに関わる情報、幹部の日程などをお知らせしてきました。
 
 これまでは、民主党のみならず自民党を始め各党がこうした形で関係記事を掲載し
てきており、自民党も4月の補欠選挙、6月の東京都議選でも同種の記事を掲載して
おります。

 我が党も、前回の総選挙、昨年の参院選、また今年4月の衆院補欠選挙や6月の東
京都議会議員選挙においても、上記の考え方を遵守しながら、ウェブサイトやメール
マガジンで情報提供を行っておりましたが、当局からの違反との指摘や指導は全くあ
りませんでした。
 
 ところが、今回、総務省において突然、公選法の解釈変更が行われ、かつ、そのこ
とが関係者に事前説明のないままに、まさに、不意打ちの形で違反との指摘が我が党
になされたことは、きわめて不当であり、誠に遺憾です。民主党は、直ちに、なぜこ
のような解釈変更が行われたのか?また、その変更がなぜ事前に告知されなかったの
か?などの点について、本日、枝野幸男幹事長代理名で、総務省に対して質問状を提
出いたしました。現在、その回答を求めているところです。
 
 民主主義の根幹である選挙のルール規定について、担当省庁の担当課が恣意的に解
釈変更を不意打ちにより行なうという暴挙は、断じてあってはなりません。

民主党は、従来より、インターネットの選挙への利用について、透明で明確な明文に
よる法定化を求めてきましたが、常に与党によって、阻まれてきました。まさに今
回、その問題点が明らかになりましたが、我が国の民主主義にたいする重大な問題が
発生いたしております。

 当面の対応といたしましては、総務省から質問への回答が示されるまで、民主党
メールマガジンDP-MAILは当分の間、発行を差し控えることにいたしますので、ご了承
くださいますようお願いいたします。
 
 政策や幹部の日程については、メールでお問い合わせください。個別に応答いたし
ます。prc2@dpj.or.jpへお送りください。

 なお、参考までに、民主党は、マニフェストで「インターネット選挙運動」につい
て、次のようにお約束しています。
 

マニフェスト(政策各論)
-----------------------------------------------------------------------------
14 政治改革・行政改革
 1-4
  マニフェストを誰もがどこでも入手できるようにします。
  インターネット選挙運動を解禁します。
 
 「政策本意の選挙」「政権選択の選挙」を実現するために、すべての選挙につい
て、マニフェストの配布方法の制限を撤廃します。また、ローカル・マニフェストも
解禁します。ホームページ、電子メール、ケータイ、ブログなどを利用したインター
ネット選挙運動の解禁と同時に、戸別訪問をはじめ直接対話による政策宣伝活動の解
禁など、選挙運動の規制改革をすすめます。また、政策宣伝物の点字化、手話化の促
進など、障がい者が選挙に参加しやすいように環境を整備し、電子投票制度の国政選
挙への導入も促進します。
-----------------------------------------------------------------------------
 
 最後までお読みいただきありがとうございます。
  

民主党国民運動委員会 メールマガジン担当


<参考資料:公開質問状>

2005年9月1日
総務省選挙部長 様

                        民主党本部
                        幹事長代理 枝野 幸男

      政党HP上における選挙関係情報の掲載等について

 総務省関係行政へのご精励に感謝致します。

 さて、過日の8月30日に、総務省選挙課長より当方の事務局宛てに、民主党本部
掲載のHPに公選法142および146条に違反するとの指摘・指導が行われまし
た。この件につき、下記の質問にお答えいただくよう、要請いたします。

                  記

1 当方のHP上の記事内容について、公選法違反の指摘がありましたが、同様の選
挙関係に係る記事掲載は、4月に実施された統一補欠選挙の際にも掲載しましたが、
全く指摘・指導はありませんでした。

 加えて、こうした選挙関係記事は、民主党のみならず、自民党を始め各党が掲載し
ていた事実があり、それが改めて指摘・指導されるに至った経緯、その間に公選法解
釈の変更された理由、その解釈変更が関係者に告知されなかった理由、詳細をお知ら
せ下さい。

 例えば、自民党は、4月の統一国政補欠選挙の際に、別紙のように、同種の記事を
掲載していましたし、6月の東京都議会議員選挙についても、同種の記事を掲載して
いました。これらに関する見解もあわせて、文書にてお知らせ下さい。

2 衆議院選挙期間中の政党代表等の記事の党本部への事掲載については公選法違反
の指摘を受けましたが、例えば、党本部のHP以外では、現在も掲載されている、自
民党広報本部本部長代理及び自民党遊説局長のブログなど、小泉総理の遊説に関する
記事が選挙期間中も掲載されています。また、自民党東京都連のHP、TOKYO自
民党BBSには、特定候補者に関する投票呼びかけに類する記事も掲載されています
が、これらについては、掲載が許される根拠についても、文書にてお知らせ下さい。

 ※ 上記の質問について、一両日中にも回答をお願いします。回答先については、
民主党事務局届出法規担当宛てにご連絡をお願いします。

(総務省への添付書類は省略)

|

« 9/1  | トップページ | 9/3 場外戦で決する選挙 »

コメント

「今の日本の公職選挙法が翼賛選挙をルーツに持つ骨格を伴っている。」

私の無知をさらけ出す書き込みでお恥ずかしいが、本当に驚きを隠せなかった。

あの暗黒の時代の産物なのか。
それをもって、21世紀の選挙が行われている、と。

驚きを通り越して、笑えてきた。
感想に終わってしまうコメントでご容赦いただきたいが、それにしても・・・今、2005年だぞ。

総務省の回答を読みたくてたまらない。

投稿: 上野武志 | 2005.09.02 11:41

上野さんお元気そうですね。
公選法と関わって15年、勉強を始めて10年、ほんとうに何をやるにもびくびくしながら、合法的にビラを配っていても、うしろめたい気持ちがしてくる、そんな法律が民主主義の骨格にあるなんておかしいのです。
候補者や政党の情報を手に入れたくても、労組に入ったり、業界団体に入らない限り、紙での情報は入ってこないし、候補者の演説を聞いてみたくても、それすらも違法文書や違法の捨て看板でしか知ることができないのです。
有権者は「日頃のつきあい」かイメージでしか投票しないわけです。

投稿: 管理人 | 2005.09.03 01:09

結局、どこまでが違反か分からないというのは、罪刑法定主義がない刑法みたいなもので、選挙もそうですが、交通違反、税務調査なんかも同じように感じます。
何より、法律自体、官僚の解釈より下位にあるのが実情ですからね。

投稿: takeyan | 2005.09.03 01:59

 ビラ配りやメールマガジンの発送、インターネットのホームページを用いた政策の公表などは、容認すべきだと思いますけどね。ビラは興味がなければ読まなくていいし、メールマガジンは興味がなければ配信を停止すればいい、ホームページの情報の発信は、興味がなければ見なければいい。それらの情報にアクセスする権利は国民一人一人が握っている訳です。
 情報にアクセスして、判断して、投票する、というのは国民の基本的権利だと思います。
アクセスした情報で、特定の候補者に投票を呼びかけたとしても、秘密投票の原則があるわけですから、自分の意見に反する、と思えば情報をブロックすればいいだけの話です。
 その辺は、戸別訪問で特定の候補者に投票を呼びかけるのとは違うと思います。

 戸別訪問と言えば、与党の某政党の支持者がピンポ~ンと呼鈴を鳴らして、「投票、よろしくねー」って来るのがうざったいのですが…。与党だから許されて、野党だから許されないとしたら…。まさしく「そうはいかんざき」ですね。まぁ、「はいはい、了解しました。」とか言って適当に受け流していますが…。

 あと、地方政府は行政委員会としての「選挙管理委員会」がありますが、中央政府は「中央選挙管理会」があるだけで、事務局は総務省がやっている状態を改めないと公正な選挙はできないのかな、と感じています。少なくとも与党、野党から独立した事務局を持つ「中央選挙管理委員会」が必要ですね。でないと、選挙自体、政権与党の影響を受け続ける状態は改まらないと思います。

投稿: 窓灯り | 2005.09.03 07:29

まず選挙を担う人々が普通の人たちになること、その上で、有権者と運動員が面と向かって政策論議をするような風土をつくらないと、日本の政治はお任せ便利屋政治以上のものには絶対ならないと思うのです。
それが今の公選法では絶対不可能なのです。選挙マニアあるいは選挙動物が選挙を担い、有権者と運動員は隔絶された関係で後援会に入った特定の人だけが政策の情報を入手できるのです。後援会も開かれたものではなく、利害関係者や地縁組織で占められ、故人がふらっと参加できるようなものではないですし。

投稿: 管理人 | 2005.09.04 22:53

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/44442/5744221

この記事へのトラックバック一覧です: 9/1② 選挙を特殊な人たちの手から奪還する方法:

« 9/1  | トップページ | 9/3 場外戦で決する選挙 »