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2005.07.05

7/5 入るを計りて出ずるを制すが財政赤字を膨らます

組合の機関紙コンクールの審査。メディアの変わりめになっているせいか、応募作品が少ない。職場で構内LANを活用したメール連絡が進んでいたり、ISO14001の運動が進んできたから、印刷物の機関紙は少なくなっているのかも知れない。

●財政の議論で「家計のように入るを計りて、出ずるを制す」という馬鹿な俗論が蔓延している。税金を取るところから考えたら、税金がいらない、という議論か、逆に税金取りまくって、というところから話がスタートしてしまう。それは税金を取る側、つまり財務省や国税庁の理屈だけになってしまう。税金は、使うから取られるべきものであって、使うことを考えないで、取られるところから考えたら、税金が安ければ安いほどいい、という理屈しか生まれず、結果として、現在の国の財政のように、収入欠損のまま、支出が肥大化するということが起きてしまう。「家計のように入るを計りて、出ずるを制す」などと誰が言い出したはかわからないが、全く無知な俗論である。

そんなことを考えていたら、神野直彦東大経済学部教授の「財政論」もそういうことを冷静に書いていて、王道はそうなのだと納得した。

だからこそ、出ずるをきちんと検証し計画立てて財政を考えなくてはならないのだろう。
もう1つ言うと、税金が高い、というのはインチキな議論である。中曽根政権の税制改革で減税が行われて以後、所得税はビタ一文たりとも上がっていない。その後、マンション減税、生前贈与減税、定率減税と、減税がたて続けに行われ、むしろ実際に払う税金はどんどん下がっている。とりわけ高額納税者はものすごい勢いで下がり続けている。

そんな減税天国にいる国民が、入るを計りて出ずるを制す、なんていうことは、放漫財政と同じく、誰かがどこかで帳尻合わせてほしい、という無責任なお任せ主義の延長でしかない。国民が主張すべきは、これだけの社会サービスを用意すれば、政府に依存しないで生きていける人が、自分の能力にチャレンジする人が増えていくので、それに見合う税徴収をやってください、と言うべきなのだ。

そうして財政を家計にたとえるような人は、ばらまき児童手当や、ばらまき乳幼児医療費無料化、介護保険料のばらまき減免に表だって反対したとは聞いたことがない。、「あったらいいから」という理屈にもならない論理で、正当化され、結果として、その財政のアンバランスが拡大。その帳尻あわせを、自立だ自己責任だ、という論理で、母子家庭の手当の削減や、障害者福祉の利用高払いのような制度にすり替わっていく。もっと言うと、与党支持者には、こうした給付の削減や、自己負担の増大を既得権益から護られるような制度の抜け穴も用意されていたりする。

ほんとうの重税感があるのは社会保険料だ。とくに介護保険を導入しても一向に減らない健康保険の財政問題についてもっと切り込む必要がある。
日本医師会は1970年代、政府が健康保険財政の見直しに切り込んだときに、患者の受診拒否をやって、結果的に人を死においやっている。そのことが政府の足をすくませているのだろう。しかし今日、そんなことをやったら、公務員がバッシングされているごとく、医師会の存在や、医師の社会的評価と高い報酬を認めている社会的合意が一気に否定されることになる。やはり、税にしても社会保険にしても、使途を明らかにし、その運用を透明化して、利用者、業者、政府(社会)の合意によって、支出と収入のバランスが取られてくる。

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