7/1② 社会がきついんだったら合宿せよという社会
政府のニート更生事業、若者自立塾がスタートする。政府の事業委託に全国で20もの団体が応募したという。びっくり。
中身は合宿で研修させるという。何か違う。ニートの自立の方法は「根性のたたき直し」ととらえているのではないか。閉じこめた空間で何とかしようとするのは、戸塚ヨットスクールか、若い根っこの会か、自由の森学園みたいだ。私生活の自立を認めた開かれた場で主体的に何かをしない限り、力にならないような感じがする。
そもそも、合宿というしんどいイメージのある研修に自発的に来るようだったら、ニートにならない方法は他にもありそうだ。親に行け、と言われて来るようなら、何もしないよりいいかも知れないが、解決になるのだろうか。民間企業なら、入社と同時に合宿研修やってくれる。最近は根性もの研修も陰を潜めている。就職すればいいのだ。となると話は振り出しに戻る。やっぱり何か違うのだ。
などなど後ろ向きなことばかり考えてはいけないのかも知れない。
むしろ、労働組合こそが、ニートの自立支援事業をしなければいけないのではないかと思う。労働を通して、働く者としての誇りを伝え、福祉をかちとり、そして特に大事なのは権利を学ぶ、そのことを通して、社会に臆することなく渡り合っていける労働者を育成できるのかも知れない。学校などに乗り込んでいって、労働者の権利教育をしたりすることが必要だと思う。
今は丸裸のまま若者が社会に放り出されていて、運のいい人だけが機能している労働組合に守られている。多くの若者はかなり長い時間拘束されるような労働環境におかれている。そんな状況の若者が、社会に出ることを必要以上に恐れるのは当たり前だ。労働三権は教えてもらっても、労働組合の作り方、不当な仕事のさせられ方しているときの対抗戦術など、労働組合の門をたたくまで誰も教えてくれない。たたくべき労働組合の門がどこにあるのかも、わからないようになっている。
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