6/30 逆少子化・逆人口ボーナス
NHKの少子化社会の番組の反響が大きいみたいだ。
とくに、エコノミストを中心に少子化おそれるなかれ、という意見は慧眼だったようで、反響も大きい。
また、LovelessZeroという非婚化、少子化、ニート・雇用問題、教育問題、希望格差社会・社会の2極化に関するリンク集のHPで、「人口ボーナス」という言葉を紹介してもらった。少子化傾向にある社会では、生産人口に比べて子育ての負担が少なくなるため、経済に余裕が出てきて活性化するという理屈だ。
逆のことは朝霞市でおきている。
朝霞市は、出生率こそ全国平均を下回るが、マンション乱売の結果として子育て世帯の流入増加が続いている。その結果、首都圏の中では大人の数に比べて子どもは多い。「負け犬」のメッカ、東急や小田急の沿線地域と比べると、子どもや妊婦を驚くほどたくさん見かける。
猛烈な少子化に悩んでいる自治体にとってうらやましい話だが、朝霞市に住んでみると、納税額の少ない子育て世帯によって、市民ひとりあたりの税収はそう上がらないままに、保育所や学校教育、公園整備等にお金を使わなくてはならない。生産人口と子どもの比率が、日本の標準的な比率より高い、逆ボーナス現象がおきている。
そんな中でも健全財政を維持した市役所はドケチとも言えるが、ドケチ財政路線を修正しても、子育て世帯が大量に流入している中での需要追随では子育て施策をいくら打っても財政が続かない。これ以上の子育て世帯の集中を避けるために、私が繰り返し提起している需要コントロール、つまり新規マンション建設の調整という難しい政策判断が必要になるが、土地による収益で暮らしている市議さんたちはこうした政策を絶対飲まないだろうし、市職員の苦労と、市民の不幸は続くのだろう。
朝霞市民は、他市なら公的なサービスとして受けられる子育て関連サービスのいくつかを、自己責任、自己負担でまかなわなければならない。最大のものは比率で全国屈指の保育所不足だ。そのことで月5万から8万の自己負担を強いられている世帯がいる。
地方税は全国どこでも同じだ。さらに地方交付税で、どこの自治体も不公平がないように財政がつくられている。そこで、自己負担を強いられるというのは、税外の税をさらにとられているようなもので、しかもそれは子育て世帯が集中して負担しなければならないような性格のものになっている。これはまさに税金が高くないことのリスクだ。
そんなことを考えていたら、今日、市報が配られた。
すでに2ヵ所ある子育て支援センターにさらに2ヵ所新規にできるという。保育所・幼稚園が7~10ヵ所に1ヵ所を想定している施設を、こんなにたくさんつくっていいのだろうか。そのことが全体的な子育て世帯のためになるのだろうか。
子育て支援センターは、究極には児童虐待防止、近いところでは保護者の孤立回避や、専業主婦の子を社会に引き出す場だ。当初は既存の保育園や幼稚園をサポートして、通園児以外の保護者や地域の子育てネットワークづくりを支援するセンターとしてスタートしたはず。それが今、公園デビューの代わりの場になって行き場のない子育て中の専業主婦のたまり場になってしまっている。単なるたまり場を行政丸抱えで提供することはどうなのか。一方的な子育て支援ではなく、保護者が自分たちで集まって何とかする空間をもっと増やさなくていいのか、考えさせられている。
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