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2005.06.04

6/4 子どもの代弁者をおく自治体

子どもの権利条約総合研究所の主催する「子ども救済制度の成果と課題・川西市オンブズ調査を素材にして」を聴きに行く。
川西市子どもの権利オンブズパーソンは、自治体における子どものセーフティーネットとして関心を持ち続けてきた実践だったので、それを学術的にはどう評価されているのか関心があって出席した。

オンブズマンというと、不正を発見して告発するような、行政オンブズマンのイメージが強い。しかし、福祉や教育に関わるオンブズマンの場合、不正を告発して、利用者が幸せになるとはいえない。あくまでも本人のために福祉や教育が行われていることを前提にすれば、本人が闘う意志もないのに不正をあげつらうことは、あまり良い結果を生まない。検察の代用品のような態度ではなく、調整を主体としたコンサルタント的な態度が求められる。

弁護士もつけられず、ともすれば親でさえも本人の立場に立って考えてくれることが少ない子どもの問題については、なにがしかの代弁者や調整者は必要であり、子どもの意志や選択を支援し尊重するような代弁者が求められる。児童虐待や不登校、いじめ、非行、親の過干渉など子どもの問題が深刻化し、孤立で適切な相談者が失われている環境の中で、子どもオンブズマンの意義や役割は重要になるだろう。

しかし、最近の、他人の権利を認めることに後ろ向き(もっと義務を、という人に限って他人の権利を認めようとはしない・・・余談)な社会や、子どもそのものを非効率で迷惑なものととらえる社会の中で、子どもの権利をサポートする仕事を行政が抱えることへの合意形成が難しいだろう。事実、川西市もスタートして3年目に議会が予算カットを決定しようとした(のちに川西市議たちは認識を改めたようだが)。また、学校教師を中心に、教室権力を客観化してしまう第三者がいることに不快感を隠せないようなこともあるらしい。

主催者の1人が、子どもオンブズマンを設置しないで問題を深刻化させる場合と、子どもオンブズマンを設置して問題が深刻化するのを予防する場合と、どちらが社会全体のコストが下がるか、そういった検証も必要だ、と言っていた。自治体で子どもオンブズマンを推進していくためにはそうした検討の必要性については同感だが・・・。
観念的には可能だろうが、それを金額やマンパワーの量などに置き換えて検証することは、無いことを証明することが難しいように、子どもの代弁者がいなかったがために得ている社会の損害を測ることは難しいだろう。

川西市では、オンブズマンの認知度が高く、また市民や子育てしている人たちのいざというときの安心感にもつながっているようで、市民の評価が高い。そのことによる自治体の満足度の高まりを評価したほうがよいのかも知れない。

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