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2005.06.23

6/22 小さな政府は政府依存を高める

サラリーマン中心に増税が提案されている。時期が示されていないところは、自民党がスキームをつくって、下野したときに民主党にやらせようという魂胆なのかも知れない。自営業者や医者や農民に比べて、ますます不利になるという感じがしている。

しかし、その中にいくつか合理的なものはある。配偶者控除や扶養控除の圧縮である。税金の控除は弱者にやさしいように見えるが、実は税率の高い高額納税者ほど戻りが大きい。家族構成で、金持ちほど得をするような制度は撤廃したほうがいい。高額所得者の専業主婦が、低所得者の夫婦共働きより優遇されるというのは、制度矛盾だと思う。

では増税しっぱなしでいいかというと、それを補う政策をしなければならないと思う。私は母子家庭への扶養手当の削減が行われたり、保育所の整備や、児童虐待対策が行われる前に児童手当の拡充することは反対だが、扶養控除の撤廃と同規模の児童手当の拡大なら、かえって低所得者や経済的弱者への支援になる。

その上で、やはり増税は必要だと思う。それは、サラリーマンだけに打つものではなく、公正な富の配分に寄与するような中身でなければならない。今回の増税の原因は、先進国では最低レベルの租税負担による財政の欠損の問題だと思う。一時期、税金が高いと産業が海外に流出するというような言説がまかり通っていたが、今は地域経済の研究家などから、人材や技術、情報の集積が海外流出を防ぐカギだと明らかにされてきている。高い技術や情報に対応できる人材を育成することができる社会ならば、税負担が多少高かろうと、日本に産業が残る。

経済財政諮問会議の骨太の方針では初めて、小さな政府を志向することが提起されるようだ。しかし、小さな政府づくりは成功した試しがないのだ。レーガン改革も、サッチャー改革も、支出の切り込みはできたものの、もっと大きな減税の大盤振る舞いで、かえって財政を悪化させていった。税金の無駄遣いを解消するといっても、今日の国の毎年の財政赤字30兆円は埋め合わせられない。
税金が安いほうがいい、という立場の人たちは、自分たちの財布に残る金がもっと多ければもっとチャンスがある、と考えがちだが、高額納税者ならともかく、大多数の人にとっては、税金が多少下がっても財布に残るお金はさほど増えず、逆に税金が安いことによって、人間の能力が十分に開発されず、そのことによって経済的な飛躍がかえってできなくなる可能性が高い。

私は、日本において、もはや小さな政府は不可能だし、かえって日本人の能力を抑え込んでしまうと思う。朝霞市は今のところ低福祉のまちだ。しかし、健康増進施設という市営の温泉やプールが何カ所もある。福祉は無駄だ自立心をそぐ、なんて言っている人が、民間でもできる温泉事業は市営でよかった、なんて言っているのだ。住民票の交付だって、紙と機械のリース料だけではなく、交付にかかる人の人件費まで市民が負担するようなことをして、自分の身の回りの行政依存をことごとく潰していかない限り、小さな政府なんて土台無理だ。

不況とはいえ、財政赤字をある程度解消していくことは考えていなかければならないが、それを支出の刈り込みだけでやることは限界に近い。高い負担で、みんなでリスクを共有し、誰にでも能力開発のチャンスがあるような社会にしないと、やる気のなくしていく人がたくさん発生し、その人たちが生活保護や他人の資産を依存して生きるような社会になってしまう。

最初にすべき増税は何か。がんばったものが報われる、というのが小泉構造改革の美しい理念だが、それなら、がんばりもしないで財産が転がり込んでくる相続に、重税を課すべきだ。これは左翼の主張だけではなく、新自由主義の経済体制を説く野口悠紀夫も言っている。働いたら税金を取られ、親が金持ちで転がり込む財産が無税なら、不公平感は強くなるだろう。

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