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2005.06.01

6/1 取り立て屋が社会保険庁を乗っ取る

情報が古いが、社会保険庁の市場化モデルの入札で、厚生年金と健康保険の未加入事業所に対する加入促進が入札に出された。落札したのは、東京・港、渋谷、足立社会保険事務所管内が東京社会保険労務士会、福岡、久留米社会保険事務所管内がICRという債権回収業者だ。

小泉構造改革で、官民対立が煽られ、民でできるものは民で、ということがことさら強調されたが、その結果、社会保険の取り立てが債権回収業者に、たった1円で委託された。

社会保険事務とはプライバシーのかたまりである。それを1円で落札する業者は、絶対何かを狙っている。

社会保険庁改革は、そもそも変なところから出てきた話だ。
数500兆円と見込まれる年金財源不足をどうするか、という議論をしているときに、意図的とみられる動きで、保養施設の建設など数百億円の年金財源の不適切な使用
が露呈し、それにかかわった政治家が追及されると思ったら、政治家が年金払っているか払っていないか、という問題にすりかえられ、そしてその情報がどこから流れたか、ということをめぐって、社会保険庁の職員のリストラ問題にすりかえられ、御用「エコノミスト」たちが横から民営化して効率化せよ、と脈絡もない話を持ち込んで今日に至る。そして、官業の民間払い下げを委託費たった1円でプライバシーが商売になる2団体に委託されてしまった。

福岡、久留米社会保険事務所管内の事態は深刻である。
債権回収業者にとって、プライバシー情報はのどから手が出るほどのおいしいものだ。それがただで把握できる。もちろん委託にあたってさまざまな守秘義務などの制約はかけられるが、おそらくそんなものは精神訓だろう、千葉市で産廃処理場建設に反対した住民の名簿を産廃業者に流されたこともあるように、守秘義務なんて、属人的なものでしかない。たった1円の委託料がそうしたものを守らせる規範を持つとは思えない。この地域の住民や企業の保険加入状況や財力などは、社会保険加入状況の調査などとして、公権力に裏打ちされた債権回収業者が立ち入り、踏み込み、調査できることになる。

同様のことが駐車違反取締りでも言える。
政府は駐車違反の取り締まりの民間委託を可能にした。私も駐車違反はビシバシ取り締まるべきと思ってはいて、警察の対応が手ぬるいと思うこともある。
しかし、この業務に暴力団まがいの会社が入ったらどうするのだろうか。駐車違反の対応が恣意的に行われる可能性が高くなる。暴力団の多い街では、暴力団関係の自動車の駐車違反は摘発されない、という噂があるが、取り締まる側が暴力団の息がかかっていれば、こうしたこと自体を不正と言うことすらできなくなるだろう。おそらく警察はそういうことがないよう資格審査はする、というが、いくらだってかいくぐる方法を考えるだろう。

JRやNTTのように事業部門の民営化ならともかく、公正さや権力行使にあたるきわどいところを民間に市場開放するということが危険に思えてならない。

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