5/29 整備新幹線の国・自治体負担の内訳
整備新幹線の建設資金についてどんなふうになっているのか、いろいろ調べてみましたがはっきりはわかりません。国土交通省、新幹線誘致をしてきた自治体、公共事業に反対する運動体の資料を見て、おぼろげながら見えてきたのは、こういうことらしいのです。
建設費は総額1兆1600億円。
①国が純粋に持ち出しているのが35%、それに地方負担が17.5%。地方負担のうち国の交付税措置される地方自治体負担が7.875%、自治体持ち出しが9.625%となっている。(合計6090億円+国債・地方債利息)
②これに、「既設新幹線譲渡収入」なるJRから国に払われる既設新幹線の買い取り費用3300億円が国負担に上乗せされ、また地方自治体負担もその2分の1が上乗せされる。この自治体負担の9割の半分が国の交付税措置されるので、多くの自治体では実質国負担となる。
(つまり新幹線建設のために発行した建設国債は償還されずに次の新幹線建設に使われてしまうということ、またそのことで自治体負担が膨らまされるし、交付税特別会計の採算が悪化すること)
③残りのうち、払える分がJR貸付料(レンタル料)としてJRが負担する。(差し引き2210億円)
ということで③が何割だかよくわかりにくいのですが、結果としてJR負担2割。多額の国費がねじ曲げられて特定の地域に投入されることには違いありません。
以下、その財源配分の合意文書。
平成8年12月25日 「整備新幹線の取扱いについて」 政府与党合意
今後の整備新幹線の取扱いに関し、以下のとおり決定する。
一 、整備新幹線の建設費は、国、地方公共団体及びJRが負担する。
(一) 国については、従前の基本スキームの考え方により措置する(約三十五%)。
(二) JRが鉄道整備基金に支払う既設新幹線譲渡収入全額を国の分とみなし、これに国の公共事業関係費を加えた額を国の負担分、その二分の一を地方公共団体の負担分とする旨、全国新幹線鉄道整備法において所要の措置を講じる。
地方公共団体の負担については、JRの固定資産税承継特例が廃止されること等を勘案し、所要の地方交付税措置を講ずる。
(三) JRについては、受益の範囲を限度とした貸付料等によるものとする。
(四) 現在着工している三線五区間についても、上記のとおりに取り扱うこととし、財源を新規着工区間と合体させることとする。
二 、新規着工区間の事業規模は、平成三十年度までの間で、概ね一・二兆円程度(一(三)のJRの貸付料等を除く。平成七年価格)とする。
三 、今後の整備に当たっては、与党三党の申し入れ(別紙)に基づき、以下により決定することとする。
(一) 政府及び与党からなる検討委員会において、整備区間ごとに、収支採算性の見通し、受益の範囲を限度としたJRの貸付料等の負担、用地確保の見通し、並行在来線の経営分離についての沿線地方公共団体の同意の取付け、JRの同意等基本条件が整えられていることを確認した上で、工事実施計画の認可申請等の手続きの進捗状況等の所要の要件を総合的に勘案して、優先順位を決定し、その順位に従い着工するとともに事業費の配分を行う。
(二) 現在着工している三線五区間については、優先的に整備を進める。
四 、並行在来線については、以下のとおりとする。
(一) 建設着工する区間の並行在来線については、従来どおり、開業時にJRの経営から分離することとする。
(二) 具体的なJRからの経営分離区間については、当該区間に関する工事実施計画の認可前に、沿線地方公共団体及びJRの同意を得て確定する。
(三) JRからの経営分離後の並行在来線について安定的な鉄道輸送を確保するため、当該鉄道事業に係る固定資産について税制上の所要の措置を講ずる。
五 、鉄道貨物輸送については、並行在来線のJRからの経営分離後も適切な輸送経路及び線路使用料を確保することとし、新幹線鉄道上を走行することを含め、関係者間で調整を図る。
六 、平成九年度の整備新幹線関係予算は、以下のとおりとする。
(一) 整備新幹線建設事業費千七百三十五億円を計上し、現在着工している三線五区間の建設事業費に千六百三十五億円を充てるとともに、新規着工区間の整備のために百億円を別途確保しておくこととする。
ただし、別途確保の必要がない場合には、これを三線五区間の建設事業費に充当することができるものとする。
(二) 従来の建設推進準備事業費三十億円及び駅整備調整事業費十億円に代えて、新たに整備新幹線建設推進高度化等事業費(仮称)四十億円を計上し、新幹線鉄道の高速化効果を他の地域に均てんするための軌間自由可変電車の技術開発等の事業等を推進するとともに、未着工区間における所要の調査を実施する。
七 、本申合せに係る事項については、国、地方公共団体の財政事情、行財政改革の進捗状況、建設費の変動等の社会経済情勢等に照らし必要になった場合には、逐次見直すこととする。
八 、本申合せに抵触しない事項であって従来の整備新幹線に係る申合せに規定されている事項は、依然として有効である。
平成八年十二月二十五日
--------------------------------------------------------------------------------
(別紙)
一 、新規着工区間
(一) 東北新幹線
八戸・新青森(石江)間(標準軌新線)
(二) 北陸新幹線
長野・上越間(標準軌新線)
(三) 九州新幹線(鹿児島ルート)
船小屋・新八代間(新幹線鉄道規格新線)
二 、その他の区間
(一) 北海道新幹線
新青森(石江)・札幌 駅・ルート公表
環境影響評価
新青森(石江)・新函館 工事実施計画認可申請
町境トンネル難工事推進事業
新函館駅駅部調査
(二) 北陸新幹線
富山駅駅整備事業
小松駅、福井駅駅整備事業
(三) 九州新幹線(長崎ルート)
武雄温泉・新大村 駅・ルート公表
環境影響評価
武雄温泉・長崎 工事実施計画認可申請
県境トンネル難工事推進事業
長崎駅駅部調査
| 固定リンク

コメント