5/27 労働政治
労働組合の中間株主総会にあたる、中央委員会が名古屋であり、その出張から戻る。
夕方から星陵会館で開かれた読書会に参加。「生活経済研究」100号を題材にした。社会民主主義を研究している学者が2ページずつ日本の社会民主主義がどうなるのか報告していて、多忙なメンバーでも読み、まとめられるからと思ったので選ぶ。
この中では篠原一氏と宮本太郎氏の文章のクオリティーが高かった。篠原一氏は社民主義の課題をポスト工業化社会など的確に指摘しながら、しかし結論が社民主義の結集を憲法9条に求めていて少し残念。憲法9条の価値はあると思うが、経験的な教訓では、それではリベラルや左派の対立軸になっても、結集軸にならないと思う。
帰りは池袋から1時過ぎに出る深夜バスにトライ。自宅の最寄り駅に行くバスは満席。やっぱりこういうことがあるんだ、とがっかりしたら、その1コ手前の駅まで行くバスがあると知らされ、見たら、普通の路線バスでしかも満員。途中の光が丘まで30分以上立ちっぱなし。家に着いたら足が痛かった。
●中公新書「労働政治」を読む。
労働組合が民主党の政策決定過程をねじ曲げている、とか、労働組合が抵抗勢力だ、と思っている関係者には是非とも読むべき本だと思う。
ただし、この本では、労働組合への「改革」の推進度を、規制緩和の推進や、小さな政府への改革を目指すことだけで測っていて、そこに議論を単純化しているのが、どうかと思った点だ。ポスト工業化社会の中で、福利厚生をはじめ企業内福祉が先細る中で、民間大手労組が主張するような税金が安くなるような行政改革だけでは、社会全体の不幸を社会が回収できないだろう。
それでも、どうして連合が今のような政治の関わり方をしているのか、知るにはいい本だと思う。
中曽根内閣時代、輸出産業を中心とした民間大手労組が行政改革をテコに労働界での主導権を握り、脱イデオロギーの労働運動の流れができ、連合結成に至ったと評価している。また中曽根氏は改革推進するに当たり、同盟系労組との合意形成を重視したことも中曽根行革が進んだこととして評価している。
今日、連合が抵抗勢力と見られるようになったことや、野党支持を明確に打ち出したことは、連合結成時の目標と意味合いが変わってきているという著者の指摘はその通りで、これは労働運動史、あるいは政界再編での研究テーマとなってくると思う。
著者は、連合が、改革抵抗勢力的な動きになってきたのは、公務員関係労組が合流したことにある、と単純化しているが、私はそれだけではないと思う。望外なおたかさんブームの発生で否応なく労組が政権交代の主軸になることを巻き込まれ、その後も細川連立政権の接着剤役や、民主党結成などの合意形成づくりの支援を求められたことで政治的影響力が大きくなったことが原因と見る篠田徹氏の説によりたい。
90年から98年ぐらいの間の公務員関係労組の議論の中では、進められる改革に対する後ろ向きな姿勢は弱い。むしろ民間労組よりも派手に構造改革を提起するリーダーもいたぐらいである。公務員関係労組が抵抗勢力としての動きを見せるのは、99年ぐらいから、自民党の政治的思惑がちらつく規制緩和策で、公務員労組が得意とする社会政策分野に市場原理の導入が進められてからではないかと思う。
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