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2005.05.02

5/2 人間不信の労働

JR西日本の尼崎の脱線事故で、ここ数日、マスコミは今さらという情報を出してきている。おとといは対向列車が直前で止まって難をのがれたという話、今日は、昨年のダイヤ改正で快速が停車駅を増やしたのに時間をそのままにした(実質1分の時間短縮をした)というニュースが出てきた。
そんなこと、事故直後だってわかる情報だろう。事故原因や事故の再発を考える上で重要情報で、1週間もしないとわからない事実ではあるまいに。
さらに、その事実が事故原因となりうるかどうか、という検証がされていない。マスコミはJR宝塚線が1時間に15本走っているからと、過密ダイヤと決めつけている。遅れが取り戻せないような余裕のないダイヤという指摘は正しいと思うが、過密ダイヤだから事故が起きたというのは単純な論理展開だ。東上線は日中でも1時間に16本走っているが、過密ダイヤとは言わないだろう。

JR西日本を感情的に批判する遺族を捜して映像にすることばかりに熱心になっていて、肝心のことが調べられていない、あるいは調べてあったとしても、紙面では優先されない、ということなのだろう。それを「センセーショナリズム」というのだろう。

10年ぐらい前だったか、朝日新聞主催のマスコミの報道のあり方を考えるようなシンポジウムを聞きに行って、朝日の論説委員が「センセーショナリズムがマスコミをダメにする」ということを話すというので、朝日の社会面のセンセーショナリズムを自省するような講演が聴けると思って期待して行ったら、FRIDAYの陰毛掲載が商業主義でけしからんという批判だった。がっかり。

この事件は、規制緩和時代の労働についてようやく問題をつきつけることになるのではないか。

人命を預かる仕事はえてして単純労働だったり、判断業務者の下で補助業務についている仕事が多い。電車やタクシーの運転手、パイロット、看護士、保育士、介護福祉士etc。だからえてして業務内容も厳格に決められているし、パターンの仕事が多い。
2000年ぐらいからの規制緩和の論理では、そういう単純労務についている人の人件費や発言権がコスト高を支え、社会に必要なサービスを安価でいきわたらせることができない、という決めつけに近い論理展開が行われ、強い現場をつくらせない、強い本社を支援するような規制緩和が次々に行われてきた。

その結果、今回のJR西日本のように、事故を顧みないほど使命に邁進させるほど労働者を追い詰めても、それを含めての給料の対価という考えで、会社のやりたい放題を追認するような考えが蔓延し、会社にブレーキををかける論理を持たなくなった。ビシバシ追い詰めればいいサービスになっていく、という大東亜戦争の精神主義があらゆるサービス業に蔓延している。

そういう弊害は内橋克人が15年以上も前に、前川リポートや細川内閣が「構造改革(≠江田派)」を叫び出した頃にいろいろ指摘していたが、自分も含めて理解が遅れ、守旧派の言い分ぐらいにしか聞かなかった。その結果が今回の事故だろう。それに対抗できなかったというのは、運動に携わって生きる者としても反省だらけだが、精神主義的な反省以外に何からできるのか、考えが浮かばない。

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