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2005.04.06

4/6 過去の呪縛

職場である労働組合で、NHK格差社会が話題になっている。
左翼労働界では、高度成長期に蔓延した原理的マルクス主義の窮乏化理論(貧しい者は資本に搾取されますます貧しくなる)に支配され、革命理論にふりまわされて運動が陳腐化したほか、職場の近代化まで阻害してしまった過ちの過去があって、貧しい者はますます貧しくなる、金持ちはますます金持ちになる、という考えそのものをあえて拒絶してきた時代が続いていた。
マルクス主義とは全然違うところで、金持ちと貧乏人の二極化ということが語られ、統計上も表れはじめ、ようやくイデオロギーから自由なところで、格差社会についてたたかう気持ちがまとまってきたのではないかと思う。

●自民党が憲法改正素案をまとめる。
国民への義務だらけ、復古調だった当初の議論からずいぶんトーンダウンしたものの、民主党や公明党がのれないような内容で、何とか改正するための合意形成のための案なのか、自民党の政治スタンスを明確にする綱領の代替物としての案なのか、政治的意味合いがわからない。この案では今の憲法の中で運用が可能なものがほとんどのような気がしている。
家族を保護する責務というのが、親孝行路線かとびくついたが、DVや児童虐待へのメッセージという範囲だったのでほっとした。
逆にいうと、復古的色彩をトーンダウンさせたことは、政権党・自民党の現実主義的感覚というものを感じたし、自民党政権という装置は、良きにつけ悪しきにつけ、暴走しないが思い切った判断が不可能なシステムなのだと思う。

宮沢喜一回顧録を読む。
ちょうと安保条約改定のところを読んでいるが、宮沢氏いわく、安保闘争というのは、本質的に戦前的政治家に対する国民の拒絶だったというような話が興味深い。岸首相が退陣したところで、安保闘争そのものは静かになったというような受け止めをしている。
この後、石橋湛山を経て池田首相になって、保守側は戦後がおかしかったという感覚をもち、戦前に日本の体制を戻すことをめざす政治家が影をひそめたターニングポイントだと思う。
自民党の党是が憲法改正というのも、反軍であった吉田茂を批判する流れを自民党にまとめていくための方便だったようなことも言及されており、憲法改正論者というのが、戦前しかモデルを持てない限界がここにあるのかと納得した。
終戦直後の政治家どうしの世界というのは、思ったより非民主的な話が多く、今ならオレ聞いてない、とか言われそうな話が多いのも驚いたし、党首が簡単に所属議員を除名したようだ。
戦前のエリート層がどんなこと考え、どんな感覚を持っていたか、という側面も面白い一冊だ。

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