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2005.04.02

4/2② キャリアウーマン考

NHKの格差社会でのキャリアウーマンたちの意見を聴いたり、日頃出会う、日本のキャリアウーマンたちの考え方にふれ、思うところがある。

というのもNHKの格差社会の番組では、格差社会についてどう思うか、という(あまり意味のない問いだが)、①問題あり(金子勝・斉藤貴男)、②問題はあるがやむを得ない(本間正明)、③格差はあったほうがよい(奥谷礼子・ホリエモン)と、番組参加者に三択でこたえさせる場面があった。

そのシーンについて詳細な画面を記憶しているわけではないが、③の格差社会全面肯定論は、成功者のなかでは男性より女性のほうがたくさん出てきているのだ。男性の成功者の多くは②の格差社会は問題があるがやむを得ない、という立場を選択したが、女性の成功者のほとんどは③格差があったほうがよい、とこたえている。貧乏は自業自得という考えだ。ホリエモンがそうこたえるのはそんなもんだろうけど、今は得策じゃないと思うなぁ。
コメンテーターで出ていた人材派遣会社の社長の奥谷礼子、番組で成功者として紹介された女性、いずれも格差があったほうがよい、と考えている。

80年代後半からのかつてフェミニズムは、女が実力を評価されないことに問題提起をし、また女性が社会的マイノリティーというところが出発して、土井たか子さんにイメージされる「平和・女性・フェミニズム」というパッケージのイデオロギーを否定できなかった。サッチャー英国元首相がフォークランド戦争で敢然とアルゼンチンに戦っているにもかかわらず、女が政権とれば戦争はできないとまで言い切る女性国会議員もいた。つい最近まで、1950年の社会党の派閥抗争の末に出てきた「青年よ銃を取るな、婦人よ夫を戦場に送るな」のスローガンのままだった。しかし冷静に考えると高度成長期に、夫を企業戦士として職場という戦場に送り続けたのは「婦人」だったのだが。

これは実感のレベルだが、まわりのフェミニズム的価値観を重視する女性の多くが、格差社会に男性以上に肯定的になっている。能力主義に疑義を挟むこと自体が野暮のような感じだ。私は、女性だからといって、無思考に平和運動や人権運動や平等志向につきあわす考えのほうが間違いだとは思う。女だってタカ派はいるだろうし、人権が嫌いな人もいるだろうし、平等が嫌いな人もいるだろう。
こんなにまでバランスの悪い考えが突出しているのは、彼女らが敵視する「男性社会」が男性だけの談合による安定社会であったこと、能力ある女性を認めようとしなかった現実への反逆なのかも知れない。

それでも、私は、今のキャリアウーマンや経済的成功者の中に、極めてイデオロギッシュな能力主義を開陳する人が猛烈に増殖していることに、なんだか割り切れない気持ちを持っている。
とくに、人が人を売る商売の経営者や、たまたま株で一気にチャンスをつかんで投資のチャンスが広がった人が、自分に能力があったから成功したのだ、あなたも努力しなさい、努力しないから報われないのです(現実にそういう人もわずかにいるが)、と説教するような意見には、どうしても与したい気持ちにならない。

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コメント

ここ10年ぐらい、格差を作ることを肯定する人が増えてきたような気がします。富裕層への減税もその一つでしょうか。この減税に人々の同意を得るため駆り出されたのが、プロ野球選手でしょう。彼等に「重税感」を語らせることで、私たちは同情し、富裕層への減税をいとも簡単に受け入れました。今また教育現場でも同じことが行われています。運動会の徒競走で順位をつけない学校を、ことさら取り上げ「悪平等」がはびこっているという報道です。何かトリックにひっかかっているような気がするのは私だけでしょうか。

投稿: はちきん | 2005.04.03 16:13

コメントありがとうございます。私も少なくとも半分はトリックだと思います。昔は金銭面が「悪平等」でも職場での評価や自分の達成感などで自尊心を持てる人が多かったのだと思いますが、そういう自分なりのものさしを持ったおとなのたしなみがなくなってきたのではないかと思います。お金を気にせずに、自分がやらなきゃと思うことにがんばれる社会というのが本当は理想だと思うのですが。
格差容認社会ではたいてい相続税が下がります(格差容認論者でかつ相続税100%を訴える野口悠紀夫さんのような超例外の人もいますが)。そのことで世襲という一番努力しない方法で富裕層に入る人たちが増えます。

投稿: 管理人 | 2005.04.03 17:54

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