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2005.04.21

4/21 招かれざる市民

午後から休暇を取って地域福祉計画の市民委員会に出席。これまで市民任せにしてきた計画策定に、事務局(市)からの細かい指摘が異様に増えた。その標的はなぜか私。私が発言しすぎるせいかも知れないが、原案の半分の不適切な表現は市側がつくっているものではないか。先日、策定委員会で細かい言葉の表現についていろいろ指摘されて、事務局は気にはなっているのかも知れない。あるいは、人事異動もあり、市民中心の計画策定に批判的な庁内の声が挙がってきたのか。

細かい文言の指摘をされることはいいとしても、それ以外に、市民の価値観に関わることについて市職員があるべき論を展開したのは、大きな問題だと感じた。市民委員会側が提起した「専門的な相談・援助の充実」として事例に離婚相談を挙げた。それに対して事務局である市職員の1人が、「子育ては夫婦が基本であり、やはり離婚というものはあってはよくないものだと・・・」。離婚相談というのは事例と指定良くないということに、ここまで言うかという内容だった。

びっくり。離婚しようが、何しようが、子どもが親のために著しい不都合に陥らないためにどうしようか、ということに思いも馳せずに、離婚しない人間の立場だけを、しかも先入観に満ちた言い方は大問題だ。市役所が市民の生き方のあるべき姿を規定し、それにはまらない人のことには対応したくない、と会議の席で公言していることになる。行政の中立性とそれを保障する公務員の身分保障は何のためにあるのだろうか。

3組に1組が離婚する時代、放置しておけば、育児放棄や、生活破綻→生活保護受給者の増大になってしまう。法律相談、立ち直りのケア、住居や就労や保育所の斡旋と、離婚家庭のやるべきことはたくさんある。離婚当事者を支援するグループが関係機関が連携とってやれば、悲惨な状態に陥らずに、離婚家庭の生活再建ができる。

離婚に限らず、こうした「専門的な相談・援助の充実」の実現にあるので、離婚相談を事例に出してこのことそのものが否定されてはかなわないので、市職員の指摘に従い撤回したがが、どうにも腑に落ちないことだった。

次世代計画の審議会でも福祉事業者の委員から離婚家庭や共働き家庭に対する差別発言があったが、ライフスタイルやおかれた生活の境遇が普通でない人に、倫から外れた者として、差別することに平気な風潮があるのかも知れない。招かざる市民なのだろう。

●国会で野党に疑惑を追及されまくっているのに、厚生労働省が「筋肉トレーニングは介護予防に効果あり」と。それを疑いもせずそのまま掲載するブル新。

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コメント

お久しぶりです。
いつもROMで申し訳ないです。

これを読んでエールを送りたくなり、
書き込みました。

実は我が家も私が大学3年の時に両親が離婚しました。
誤解を怖れず言うと、
必ずしも離婚=不幸ではないということです。
確かにしなくて済むならその方が楽ですし、一時的には不幸といえるかもしれませんが、当事者がいかに乗り越えるかで変わってくるという実感があります。

ただ離婚が不幸のきっかけになる可能性は高いと思います。だからこそ離婚相談は非常に有効な施策だと思います。また再スタートの年齢が高くなればなるほどケアが大切になるはずです。

格差社会の話とも共通しますが、他者に対する想像力の欠如からくる自己正当化(一般化)は本当にたちが悪いなと思います。

投稿: wacky@tsu | 2005.04.21 23:13

トラバありがとうございました。
何よりも、朝霞市というのにびっくりしました。私はお隣の志木市在住のものでして・・。どこかですれ違っているのかもしれません。
このサイトは、まだ少ししか読みきれてませんが、あまりに身近で、考えさせられる内容ばかりですね。これからじっくり読ませてください。
離婚相談の否定については、こんなレベルなのかと、嘆かわしくなりますね。「子育ては夫婦が基本」などというご本人が、どれほど子育てに携わっているのでしょうか。

投稿: 御神崎 | 2005.04.21 23:51

お久しぶりです。もう1年ぶりですね。
離婚=不幸といった先入観をもつことで物事を素直に受け止められないことは悲しいことですし、もったいないことです。不幸でもどうやって解決するかを考えようとせず、原因追及だけを考えるのは無駄だと思うのです。
離婚に限らず、福祉計画が対象にしている課題は今まで不幸だと思われたことを、少しでも不幸でなくするか、ということなのだと思っていて、計画づくりに関わってきましたが、役所にとってそういうことは不浄なのかも知れません。
市役所で比較的良心的な人たちとして担当者たちを信頼してきましたが、議事録の残る公式の場でこういったことを言うということに、信頼感ががたがたと崩れました。市役所内はそういうことを公式の会議で話しても許容されているのかと疑っています。

投稿: 管理人 | 2005.04.21 23:53

御神崎さま
志木ですね、ほんとうに近いですね。これからもよろしくお願いします。
ほんとうに今日はびっくりしました。議事録に残るんですから。
「きょうも歩く」は日々書いたものが溜まって嵩んでいるので、適当に拾い読みしてください。

投稿: 管理人2度目 | 2005.04.22 00:13

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