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2005.03.11

3/11 下心は何か

朝日新聞の論壇で社会保険庁に関して、3人の識者関係者が発言をしている。
またまた、日本経済研究センターの八代尚宏氏が、民営化論を展開している。今度は社会保険庁の徹底した民営化。
この人の説は民営化すれば何もかもうまくいくようになる、という、民営化チチンプイ神話ばかりだ。保育所の民間企業参入に道を開いたばかりか、保育所が大手民間教育産業にあまり委託されないとわかると、民間委託強制化案まで出した。現実に儲からない保育所なんてそうそう民間が引き受けてくれるものではない。政府の審議会で八代氏は大手民間保育事業者の意見ばかり採用し、保育所に預けている保護者の意見など、当事者としての敬意すら払われることがなかった。

そうした強引な審議の結果として、八代氏が期待した大手民間保育業者は、受託した保育所をどうしたのだろうか。その業者が市立保育所を受託した市内のある保育所では、保育士が次々に脱走して安定した保育が成り立たない状況になっている。公立であれ、民間であれ、ユーザーと現場労働者がコミュニケーションが成り立たない商売のやり方を続けている限り、何も問題は解決しないだろう。特に社会保障関連は、一方的なサービスと選択だけでは何も良くならない。

八代氏が政府の審議会で、大手保育産業や、社会保険庁改革でいえば大手金融機関の利益を代表するような、何でもかんでも民営化チチンプイ神話を主張し、強制しようとするのはなぜなのだろうか。学者としての理論の正確さから発信された主張であれば資質の問題だと思うし、そうでなければ請託か。請託であれば、政治力学的に仕方がないとは思う。

年金の民営化論を展開しているが、自分の老後のために運用益に一喜一憂しなければならないシステムは、人々を勤労から目をそむけてしまう。せっかく出てきた運用益もバカ高い金融機関の手数料に消えるだろう。
日本企業の一方的な労働者支配が前提となっていれば、民営化で年金制度を好きに選べると言われても、雇われている会社のメインバンクの年金に強制加入させられるのが現実だ。八代氏が主張するような競争原理を利用できるのは学者と公務員とフリーターだけではないかと思う。悪夢はメインバンクと企業と自分の年金が鼎(かなえ)の共倒れという悪夢もありうる。給与振り込みと財形の指定銀行が拓銀だった経験があるので、その悪夢は想像できる。

また年金民営化は年金を自助努力で貯めよということなので、30年後の貯金より、あすの飯という年収300万程度のサラリーマンなど年金積立なんかやらなくなるだろう。そうして生み出される低所得高齢者や無年金者が稼げなくなれば、結局税金をばらまいて養うしかない。民営化チチンプイ論者は面倒くさくなったら自分が考慮にも入れていない生活保護とか刑務所に責任を押しつけてしまえばいいのだろうが、そのことによって高いツケを払うのは、我々未来を担う世代なのだ。

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