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2005.02.01

2/1 金融リテラシー

昼間のテレビ広告を見ていると、情報操作という感覚がわかってくる。北朝鮮のニュースじゃあるまいし、昼間のニュースにバックミュージックがついていたり、情報が断片でしか伝えられなかったり、キャスターから感情的なコメントがつけられたり、ひどいものだ。
とりわけひどいのがテレビコマーシャル。3分の1近い量を占拠している(のではないかと思われるぐらい頻度の多い)外資系生命保険のコマーシャルは、内容もどうかと思う。100万円貯められて、保険の機能が果たせる、1日入院から入れる、さらに健康祝い金みたいなものを何年かに1度受け取れるというもの。

保険は、リスクを分散するから意味がある。貯金では突発的な事態に対応できないから、保険は意味があるのだ。ところがこのコマーシャルでやっている、100万円貯めて、1日入院(かかる経費なんてせいぜい2~3万が限度)、健康祝い金もらえて、と、一見入って損はないように見えるが、この保障はどの加入者にもこれに対応するわけで、結局は払った保険料の大部分がこの「入って損はない」という部分に使われることになる。逆にいうと掛け捨てになる加入者が多い保険ほど、非常事態には役に立つと言ってよい。
結果的に、実は突発的事態に対応したときの保険料の支払いにあてる部分が少なかったり、あるいは条件付きでしか払われなかったり、とすることになる。さらにいえば、決して安くはないテレビコマーシャル料はどこから支払われるか、ということである。

保険会社の貯蓄には、元本保証はないし解約時にはとてつもないリスクがあるから、10年で100万円貯めるなら、もっと他の方法がよい。健康祝い金程度のお金も同じだ。5日未満の入院の費用など、公的保険が使えれば微々たる金額で、これも貯金でまかなえばよい。そういう無駄をそぎおとして、入院や死亡や障害を負ったときにほんとうにいくら必要なのかきちんと見定めて保険を選ばないと、払った保険料が掛け捨てよりも無駄になる。

テレビコマーシャルで金融商品を宣伝するなとは言わないが、こうした宣伝のやり方は消費者に何が本当に必要な保険なのか、きちんと伝えているとは言えない。特に保険は消費者の知識がまだまだ足りない世界だ。金融リテラシー教育は重要だと思った。

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