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2005.01.09

1/9 もらってうれしいけれども

公明党が児童手当を小学校6年生まで拡大させる、という方針。多分連立政権で選挙以外は譲歩し続けている公明党のことだから、これぐらいは本気で取りにいき、ある程度は実現してしまうのだろう。
児童手当をもらう方は嬉しいが、「少子化対策」や「子育て家庭への支援」など政策的効果は疑問だ。ギャンブルやアル中で崩壊している家庭など、この5000円はアル中促進、ギャンブル経営支援にしかならないだろう。

こうした祝い金的なばらまき政策で思い出すのは、かつての高齢者祝い金だとか、金杯をプレゼントだ。そういうことをする自治体がかつてはたくさんあって、「高齢者を大事にしています」というメッセージを出していたけど、実際には元気な高齢者が、もらったときだけ喜んで、ほんとうに困っている高齢者やその家族には、介護地獄だとか、親族間の介護の押し付け合いという言葉があったように、扱いかがひどかった。でこの政策をやめようとすると、地域の老人会の元気な幹部が「あいつらの世代までもらえて、俺らの世代からもらえないのはおかしい」なんて言ったりして、市議なんかに元気良く圧力をかけたりすることもあって、ほんとうに始末の悪い政策だったと思う。

今、子どもが少なくなって高齢者が増えて、社会のシステムも団塊の高齢者や子どもを産まない若い世代ににあわせた仕組みに変わりつつある中で、子どもやその家族は社会のマイノリティー的存在になっている。社会サービスはともかく、職場のシステムも、消費施設も、娯楽産業も、公共交通機関も子どもや子育て家庭のニーズを後回しにしてきている。
そうした子どもや若い世帯への応援として、月5000円程度のお金をあげても、主体的な力になりえないという意味では、まったく意味がないし、総額8000億円※近い財政の無駄遣いというマイナス面しか出てこない。
※大ざっぱな計算ですが月5000円×12ヵ月×1年に産まれる子の数110万人×12歳分=7920億円

もう1つ考えなくてはいけないのは、児童手当の拡大の裏側で、母子家庭に対する「児童扶養手当(紛らわしい)」が月4万円程度出されるが、ただでさえ低い支給対象となる所得要件が毎年のように厳しくなっている。どうしてこういうむごいことするのか、というのは、裏側に離婚した奴が悪いという価値観があるからだ。しかし母子家庭は好きで離婚した家庭だけではない。死別もあれば、一方的な離婚もある。また最近ではDVがらみでの離婚だってある。好きで離婚したという場合も、子どもの精神衛生を考えれば結婚を継続しないほうがよい家庭もある。価値観でこうした給付カットをやっても、母子家庭の子どもの生活水準や社会にトライしていく機会を奪うだけで、単なる人権侵害にしかなっていない。
※母子家庭への補助金「児童扶養手当」は削減の始まった2003年度予算で2500億円程度。

では「母子家庭は自立しろ」、、という方向に政策を進めている政府が、母子家庭に対する就労支援をやっているかというとほとんどやっていない。民間の職業紹介だって、母子家庭なんて門前払いか、登録した人から技術教育料を集めることが目的の業者ばかりだ。かろうじてハローワークが差別なく対応してくれるが、積極的な対応となると大きなハローワークに個人的努力でそういう取り組みしている職員がいる程度でシステムとしてはできていない。

もっというと、父子家庭なんて全然政策の光が当たっていない。ひとり親への支援は母子家庭のこの手当金だけである。

そういうほんとうに所得保障が必要なところを削っておいて、母子家庭なんかよりずっと恵まれている家庭に月5000円ぽっちばらまいて何になるのか、さらにお金がそれほどかからなくなる義務教育課程の家族にまで広げようというのだから、政策としての効果が何だかわからない。

公明党は以前、少子化対策臨時交付金という自治体への保育施策に対する交付金制度を創設した。これによってやる気のあった自治体は待機児童問題は緩和されたし、保育園ばかりではなくて、専業主婦への相談事業なども相当前進した。私は、規制緩和一辺倒の当時の民主党の保育政策や、女性の社会参加という視点しかない社民党の保育政策などと比べて、確実に政策の効果があるとして、さすがは平和論争ばかりにうつつを抜かしている社会党が手をさしのべない支持者の相談を熱心に行ってきた福祉の公明党と思った。しかし児童手当の拡大一辺倒の最近の公明党の政策を見ていると、本当に困っている人を直視できなくなっているなぁという感じがしてしまう。

私は所得保障という明確な視点がない限り、ほとんどの福祉施策は現物支給に絞るべきだと思う。福祉目的で現金を支給しても、そのお金がそれぞれの家庭で目的にかなった使い方をされるインセンティブはない。
子育て世帯に所得保障を行いたいのであれば、第1に雇用政策や労働政策、経済政策を何とかすべきではないか。それでも苦しいひとり親家庭とか、親が就労不可能な家庭には、もっと大胆なお金のばらまき方をすべきだと思う。

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