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2004.12.30

12/30 変態の再犯

奈良の幼女誘拐殺人事件の犯人が逮捕された。
この事件について週刊誌等では犯人の変態性が指摘されていて、今回逮捕された容疑者(証拠はいろいろ出ているし犯行を認めているので真犯人だろう)は、89年、91年と大阪府内で女児にいたずらを働き、強制わいせつ罪の有罪判決を得ている。どうしてその時点でもっと何とかできなかったのか、という思いがつきまとう。

他にも大阪・池田小学校の殺人事件の犯人・詫間守など、こうした変態性癖や、痴漢癖、ストーカー、DV、ネット上での荒らしなどの性癖や心理的原因による犯罪を行う犯罪者が増えている。彼らは再犯や、今回のようにエスカレートする可能性が高くても、刑務所からすぐ社会に帰ってきてしまう。刑務所では教育刑という考え方で運営されているが、悪人を真人間にする、という発想を超えておらず、生産活動が大切なのだ、と教えるような内容にとどまっているため、こうした犯罪者に対しての教育効果は疑問点ばかりだ。

15年前、友人宅で見たつまらなくて恐ろしい映画で、「サイコ野郎」という言葉を初めて聞いた。映画は主人公が今でいう「おたく」っぽい男と交際して、その男の恐い心理的性癖と向き合いながら、だんだん生身の人間を取り戻させていく、というストーリーで、当時は何のことを言っているのかちんぷんかんぷんだったが、最近、そういう犯罪者が増え、すごいリアルに感じてきている。刑法や刑事訴訟法、監獄法がそうした犯罪者や容疑者に全く対応できていないことも実感している。

一方で、奈良の容疑者は、89、91年段階では人殺しをしているわけでもなく、その時点で長期刑を科すことは不可能だったともいえるし、刑期をいくら伸ばしても、殺人犯並みにしない限り安全とはいえない。強制わいせつ罪の刑期を殺人犯並みにすることの妥当性も考えなければならない。
そういう足踏みをするより、刑務所でのきちんとした教育プログラム、出所後の監視とケアを整備することが重要となっている。ただし、教育プログラムをつくるにしても人材育成はこれからになるので10年以上はかかると思われる。DV加害者の立ち直り教育などは民間レベルですでに始まっているが、問題となった「自己啓発セミナー」のレベルと変わらないものが多い。こうした犯罪者の立ち直り教育技術の確立はまだまだこれからであるし、人の内面や生き方を改造する、ということを公権力でやることの妥当性も検討しなければならない。
一方、出所後の監視とケアに関しては、人員確保と制度さえ整えればすぐにでも始められる。すぐにでも検討してほしい。

それとこうした「サイコ野郎」の恐怖と、精神障害者や知的障害者などに対して十把一絡げに、犯罪者を擁護したり、逆に危険視する見方も広がっている。精神や知能に障害があることと、犯罪を行う性癖とは別物で、きちんと峻別して捉えなくてはいけない。死人を批判するのはどうかと思うが、詫間守が許せないのは、精神障害者のふりをしていたことだ。このことで全国の精神障害者が危険視された。

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2004.12.28

11/28 お題目をコメントする

午前中、自宅で朝霞市の次世代育成支援計画のパブリックコメントを出すために、市内の知人で集まって作戦会議。午後、出勤。今年最後の勤務。

●朝霞市から提示されている中間とりまとめ案の質が悪い。内容が悪いというのではなくて、「○○○○の推進」といったような議論のしようがないお題目ばかりで、市民にまともに議論させない、というスタンスが見え見え。
政府の「策定指針」は結構ラジカルで、策定指針では、市民参加と情報公開、子どもが主権者である、ということをきちんと定義している。それが市民参加は、官選の「市民委員」の参加で済まされ、情報公開はほとんどなし、子どもは「視点」扱いにとどまっている。それをそのままに書いたほうがまだよい計画ができるはずなのに、高いお金を払ってできの悪いコンサルタント任せで、市民への窓口はシャットアウトしている。
また、最低限必要ともいえる、保育所などの整備計画「特定14事業」については、全く議論されないまま、情報公開されないまま、決定される見込みだ(一部にはもう県に提出済みという情報もある。待機児童問題で苦しむ市民はどこにも意見をいうチャンネルがない)。
パブリックコメントでは、字句修正を求めて、その理由を述べるという形態をとるのが一番効果的だが、反対できないようなスローガンばかり並んでいて、何が行われるのかわからないので字句修正を求めることが不可能だ。全面的な書き換えを求めるしかないが、そうした場合、提出したコメントが検討される可能性がガクンと下がるのだろう。対応が悩ましい。

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11/27 ビラ配り

朝日、読売で報道されたが、マンションで都議選ねらいの共産党の政策宣伝ビラを配布していた人が住居侵入で逮捕されるという事件があった。

先回も書いたが、ビラ配りを住居侵入でやられたら、政策宣伝活動の多くはできなくなる。とりわけ新人候補者は、人間関係もそんなに広がっていないので紹介者を訪ねても出てくる票は限られていて、不特定多数の支持者を獲得するのに、街頭演説とビラ配りをせっせとやるしかない。特に電話や町内会からの紹介ということではなく、政策をわかってもらって、投票してもらうには、とにかくビラを読んでもらうしかないのに、それを配布すると住居侵入として立件できるとすれば、現職優位、しがらみだらけの人たちだけの談合で選挙がひっくりかえさせなくなる。政治から政策競争が今以上になくなり、とんでもない政治活動の規制になる。
最近の日本人は治安の悪化に敏感になっている。そういう中で政党のビラ配りというのは受け入れる対象になっていない。そんな国民感情と警察の今回の摘発が結びつくと非常に危険だ。

ビラと電話、ビラと街宣車の流し、ビラ配布と町内会による選挙運動、どちらがより被害が大きく、実害が少ないか、冷静に考えれば、本来すべき規制が何か見えてくるはずだ。
支持してもいない候補や政党のビラなどもらうだけイライラするが、読みたくなければそのまま捨てればいいだけ。住居侵入で逮捕してまで規制しないと市民生活が迷惑するかというと疑問だ。

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2004.12.27

11/26 鍋

同志と呼び合う社会民主主義者たち3人が夕方尋ねてくれる。家族と一緒に鍋をつつく。
そのうち1人はNHKの昭和の証言というテープをもってきた。社会党結党時の幹部だった、浅沼稲次郎、河上丈太郎、西尾末広、鈴木茂三郎、江田三郎、共産党の徳田球一の音声を聞く。
やはり共産党の徳田球一は伝説の通り話のテンポが良くて面白い。
河上丈太郎は、戦前の教養人の話し方をしていて、少し時代に遅れた感じがした。
いずれの人の話も、今の野党政治家の話よりずっと格調が高い感じがした。それと、政治家のしっかりした議論に当時の有権者たちは、ちゃんとつきあっていたということがわかる。
鳥越とか、田原とか、薄っぺらい。
テープを聴いたあとは、鍋をつつきながら、よもやま話。ウクライナの話や、中国の話などもする。

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11/25 政権与党の断層

紙の上の仲人をしてくれて、選挙に出た友人の実家宅で忘年会。地方で立候補したのに、東京にこんな時期戻ってきて大丈夫なのか、と心配したら、忘年会に10時に登場、そしてすぐ翌朝選挙区に帰るということでびっくり。
友人が民主党の候補者なので、出席者のほとんどは野党支持者だったが、1人に自民党の職員がいて、自民党がどうして落ちぶれているのかわからない、というので、みんなでわいわい議論した。党本部の高度な政策議論の水準と、支持基盤である地域社会のボスたちとの感覚のずれが大きいことだけはわかった。
かつての社会党が、支持者には政権交代の議論をせざるを得ないのに、党員間では平和運動しかやっていない断層が原因で国民から見放されてしまったが、自民党の断層も大きいし、今後顕著になる。支持はまったくしていないが将来が心配。

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2004.12.25

12/24 生活保護率の長期的動向

会議と会議を渡り歩く。その間に片づけを行う。
帰りの電車でひとり身の女性3人組が隣。「こういう日ってさ、よくアベックがもめてるよね。もめるぐらいなら交際しなければいいのに」といった会話を続けている。バブルが崩壊したのに、相変わらずクリスマス肥大現象。むかしは飲み屋と子どもだけのお祭りだったのに、いつから大の大人が参戦するようになったのだろうか。

●22日朝日夕刊のドヤ街の記事はよかった。横浜寿町のドヤ街も高齢化で、日雇い労働者の現役からOBたちの街になってきている、簡易宿泊所も高層ビルに建て替え、バリアフリーの対応がされ、生活保護の住居扶助で運営されている、という。大家さんたちも、安定収入に代わり、安心という話。適切な支援があれば、ホームレスとならず、こうして民間ベースの支援も受けて生きられる。
生活保護の職員たちが、フリーターを放置するとホームレス予備軍となってくる、と断言したことがある。最近はニートを恐れるあまり、フリーターでもよい、とする容認論をよく聞くが、彼らも将来、自分で家賃を払っていくようになったら、確実に最貧困層に転落するだろう。そうしてまで働き続けるだろうか。生活保護のほうが生活水準はよいだろう。
国民年金不払い者も多く、彼らも老後は生活保護になっていくことだろう。そうすると、生活保護の受給率は今の比ではなくなる。民間企業のリストラ、行政改革で、雇用をしぼればしぼるほど、将来の税負担がものすごいことになる。
ホームレスになったきっかけとして、よく中年男性が倒産や家業の破産を理由としてマスコミでは取り上げられるが、社会調査の結果では、日雇い労働者や建築現場など職場が住居を提供するようなところで働く人が、職場の倒産や、失業なとで職と住処を同時に失うところからホームレスになる、というケースがほとんど。彼らに対して住所がないから、と生活保護の申請すらさせない福祉事務所がいまだに多い。横浜市は、寿町の福祉事務所を中心に、機動的に対応して、住居を失わないように取り組んでいる。

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2004.12.24

12/23 選挙違反

夕方、市の次世代育成支援計画のパブリックコメントに対応するための打ち合わせ。

●民主党の鎌田議員が辞職表明。支持団体の労組が電話アポインター会社を利用して選挙の票点検作業を依頼したことが、金銭による票の取りまとめをしたとして買収事件として摘発された。鎌田議員は連座の対象として失職する可能性がある、として問題を問われていた。
支持団体のない陣営がアルバイトを使い、電話で選挙運動をすることは日常的に行われてきた(これは違法)が、電話アポインター会社を使うというところが珍しいし、支持団体が構成員を使って自らやらずに、外部委託して作業を進めたというのも珍しい。
労組が自らの組合員の票のとりまとめる力が弱くなる中で、選挙のかかわり方が、運動員出しや、資金カンパ運動に力点がシフトしている。そういう中で、こういう事件がおきているのではないかと思う。
最近は古典的な買収より、こうした作業の対価として払った経費が、解釈によって買収になる、という事件が増えている。
こういったことを予防するには、選挙でお金をもらう、という人をひとりでも排除する、という徹底した態度が必要になる。言うまでもないが、選挙運動期間中、あるいは直前の連れ立っての飲食は慎むべきであることはいうまでもない。

電話による選挙戦術が有効かどうか、というのは議論がある。何度か選挙の現場で電話かけや電話をかけさせてきた経験からいうと、ふだんのつきあいが濃厚な関係がなければ点検以上の効果はなかなか見られない。ある団体や地域ごとに電話かけして、その効果をみて、運動の対策を練るというものだ。
ところが、日本の選挙制度の中では、戸別訪問は禁止、ビラの制限など、電話以外の有権者との直接的なコミュニケーションはありとあらゆる手段が制限されている中で、電話以上に票の数をカウントするよい方法はないという側面もある。私は、選挙運動の戸別訪問の解禁が必要だと思う。

一方、最近は、恣意的ともいえる選挙違反摘発が増えている。
公職選挙法の骨組みは、1940年代の大政翼賛会結成の、翼賛選挙を骨組みにしている。厳密な解釈をすると圧倒的に現職が有利につくられているし、恣意的解釈の余地を大きくとっているので行政権が立法権に介入するという危険性もある。
そのため、戦後は選挙運動と政治活動を区別するなど、実際上の運用の実態の即した対応をとって、摘発の対象から外して、なんとか民主国家にふさわしい政治と有権者のコミュニケーションを可能にしてきたが、再び規制強化でつまらない摘発で行政権の警察が立法権に介入するような事態にたちいたっている。
※解釈の余地が広いということは取り締まりに地域差もあって、共産党と公明党がお互い違反の告発合戦をドンパチやってきた地域は規制が厳しい。

選挙ともなればうるさいし、電話はかかってくるし、名簿のやりとりはされるし迷惑な面もあるが、自らの税金を取り返すという観点に立てば、もっと市民がきちんとかかわれる制度にしていく必要がある。
学級会型の規制は撤廃し、経済的な部分や、地位利用の規制など公正な選挙のために必要な部分だけきちんと規制をかけていくという法改正が必要だと思っている。今の法律では素人には危なくて手を出せないし、選挙フリークみたいな人種ばかりが政界に跳梁跋扈してしまう。

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2004.12.21

12/21 外国人に関する問題

外国人が日本に在留する話をめぐり4つの話。

1つめは、メピサさんの在留資格を認め、ビザを出す、そして基本的には更新を繰り返す方針を法務省が出した。
2つめは、フィリピンから看護士、介護士の「輸入」を政府が容認したこと。
3つめは、外国人がたくさんいる横浜の売春街を警察挙げて取り締まりを始めたこと。
4つめは、入管の外国人の留置施設で職員による暴力が行われていたこと。

2つめの介護士、看護士の話は以前にも書いたので、割愛。電機製品や自動車の輸出のひきかえに人を輸入するという政府間の協定は、あまり感心できない、ということを言い添えたい。

1つめのメピサさんの件については、よかったというもの。国籍がない、ということに是非論はあるが、子どもが居所のあるところで、育つこどかもっと認められなければならない。親もいないタイに返してどうする、ということを真剣に受け止めたのだろう。法務省の英断を賞賛したいが、こういう場当たり的な対応で、今後グレーゾーンの話が出てきたときにどうするのか、メピサさんのようにマスコミが応援してくれた子だけ優遇する、というわけにも行かない。

3つ目の横浜の売春街の摘発。
かつて援助交際が流行した頃、強制ではない売春を前提に、その是非を女友だちと議論したことがある。その友達は是、私は非の立場。望まない性行為をしなければならないことにどうしても陰惨なイメージがつきまとっていたからだ。
しかし、いろいろ当事者たちの手記や、売春防止法施行時の売春婦たちの動きを知るにつれて、そういう一面的な見方に限界があると思った。
1つは、望まない性行為や関係性は商売上であったとしても許されないということ。かみくだくと風俗店で、お店の人が嫌がることを、お金払ったからといって客が強要するのはおかしい、ということだ。最近「風俗嬢」にストーキングする人が多いという。ゆがんでいる社会だ。
1つは、否定する限りにおいて、売る人の人権が徹底的に擁護されなくなってしまう。
また、売春が主力産業になっているある離島がある。そこの始まりは、船乗りたちの現地妻として売春を行ったところにルーツがある。船乗りたちに、性的サービスだけではなく、家事をし家庭の代替機能を果たしたらしい。そんなことを考えると、専業主婦や不倫の相手、プレゼントをたかるだけの恋愛関係に比べて、売春婦が特段人格的に差別されるということに何の言われもないということがわかる。

そうわかっても売春が全面的に肯定できるとは言えないし、売春にまつわって暴力団や暴力団の影響下で甘い汁を吸う人たちが跳梁跋扈していることは問題だと思うが、それが摘発して解決するとは思えない。

今、石原都政のもとで警視庁が風俗産業を徹底的に弾圧しているが、結局、住宅地のある近隣県の飲食街に風俗店が開店するか、それもダメなら無店舗型の風俗店(デリヘルなど)に移っている。デリヘルの開業許可はとりやすいらしい。私の住むマンションにもおびただしい頻度でデリヘルのチラシが入ってくる。店舗でないところで売春をすれば、何が行われているか、店側が管理したり規制したりすることはできなくなる。ラブホテルなどに派遣される売春婦が時折殺されているが、そういうことも起こりうる。最近は狙われるのは外国人の売春婦ばかりだ。

横浜の売春街の問題は不法入国の外国人が多いということなのだろう。人身売買で日本に連れてこれられて、売春させられていると言ってよいのだと思う。人身売買の入り口をきちんと取り締まらず、来てしまった外国人を取り締まっていい結果になるのか疑問だ。本国に返されても、また売られるだけだろう。売春をしている人たちに対する、きちんとした支援やケアをして、売春したくない人には売春しないで生きられる道を、可能であれば国籍のある国で、なければ日本で機会をつかむようなことをしなければ、証拠が押さえられにくいデリヘルなどの派遣型風俗に流れていくだけで、問題は解決しない。

4つめの、入管の暴力。扱いに問題があって抗議のハンストをした外国人に職員か暴力をしたというもの。これに対して法務省はありえないと答えている。ありえない、という回答がよくわからない。公務員のありえない、という言葉はもう信用ならない、というのが市民感覚だ。入管の暴力はよく語られているが、日本のイメージダウンにもなる。不法入国者には、それ相応の対応をすべきで、暴力をふるってよいというのは大問題だ。

●「クローズアップ現代」に江川紹子さんが出ていた。びっくりするぐらい美人になったし、楽しそうに笑うようになった。話の本題とは関係なく、そんな江川さんを見ているとなんだか嬉しくなってしまった。一方、NHK教育「福祉ネットワーク」に上野千鶴子が出ていたが、身勝手な話と、介護保険を絶賛し「恩恵から権利の福祉になったんですう」なんて言っている。「パターナリズム」「当事者主権」これらは、5~10年前に福祉業界や市民運動業界では十分知られた言葉でまじめに福祉や市民運動やってきた人ならたいてい知っている概念だ、何を今さらという感じ。それを自分のネームバリューで得意げにマスコミに押し売りしている上野の態度はよろしくないし、あまり役に立たない。

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12/20② 政府予算の内示

政府予算の財務省原案が内示された。

財政難、国債を返さなくてはならない、といいながら、生活保護や地方交付税に出血を強いて、新幹線や関西空港は満額回答。公共事業の削減もほとんどなし。財務省とは何をやっているところなのだろうか。
新幹線など、受入自治体が迷惑しているのに、九州の土建業者がむりやり押し込んだような感じだし、関西空港の追加工事は、神戸空港の建設と並行して行われる。まったく意味不明だ。

さらには、国の借金の返済のための増税という話。一定の増税は必要だと思うが、それは少子高齢社会や社会の複雑化を前提にして、個々人の可能性を引き出すための社会保障制度の改革のために使われるべきだ。借金返済のために使うのかと思うと筋が違うような感じがする。
国が借金を返すのはいったい誰に対してなのだろうかか。それは銀行ではないか。銀行は貸し渋りをした挙げ句に安定した貸し先として国債を買ったのだが、都合変われば、増税で返すというのがモラルにかなうのだろうか。

金子勝氏・神野直彦氏が「社会保障政府の構想」という本の中で、現有国債は返さず増やさず管理する、という考えを提示している。侵略等で国家が破綻しない限り、国家がした借金は返さなくてよい可能性がある、という前提に組み立てた議論で、国債を増やしさえしなかければ、国債を返済することによって経済的なデメリットや国民経済への悪影響より、国債を返さないでその財源を人的可能性に投資するほうが、国の力は高まるという考え方を前提にしている。
国が借金を返さない、ということがリアリティーがないように思えるが、実は国債を借り換え借り換え繰り返していけば、誰かが返してもらって、誰かが新たに国に投資しているということだけだ。国債の信用維持だけやっていけばいいことになる。イギリスには永久国債という考え方がある。誰かが国債を売り、その国債を買えば、国債は償還する必要はない、返すべきときは国が滅ぶ時だけ、そのときは返す必要もない状態だというもの。

ナショナリスティックに意味もない国債残高を憂うより、そのナショナリズムを利用して銀行と土建屋のために国家財政が使われている、そのことにもっと国民の怒りがあってもよいはずだ。

◆なんだかわけのわからないコメントが来たので、削除いたしました。中国の教科書が悪いからと、つくる会の教科書が民主的ですばらしい、と。さらには北朝鮮とつるんでいたのは社民党なんです、という紹介まで。そういうことをどうして私のホームページに書き込むのか、よく判りません。社民党の代弁をしているわけではありませんのに。
北朝鮮の片棒を社民党が担いだと思います。しかし北朝鮮に実質的な便宜を図ってきたのは政権党しかできないことですし、そこにはいろいろな国内の利権にからんだアンダーグラウンドな組織が関与しているらしい、というのはちくま新書の「拉致はなぜ防げなかったのか」などに書かれています。世の中にちょっとでも接点があれば、外交問題というのはそんな単純なものではないことぐらい感覚的にわかるものです。

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2004.12.20

12/20 永田町の空

TBSが国会議事堂の背景になる位置に高層ビルを建設するという。衆議院、参議院、港区が調整に入っているが、「設計してしまった」ということで、見直しはほとんどされないようだ。

永田町や皇居は大事なところにドテーンと構えて、日常生活では邪魔な存在だが、自然環境、生活環境を保全するには貴重な聖域となっている。ところがそこにも聖域がなくなり始めたようだ。皇居に民間活力でバブル的な高層ビルが建つのは時間の問題だろう。

以前は、特定の地域にしか高層ビルはなかったが、最近は、まとまった土地さえあれば、高層ビルやタワーマンションが立ち、空がなくなっている。そして夏は風が流れなくなっている。
高層ビルにしたところでたいした容積増にはならない。地べたに、低層ビルをぺたーっと建てたほうが楽なはずだ。ビルの建築者の名誉欲のようなものだろうか。
むしろ、話題のビルということで家賃が驚くほど高く、物価にはねかえるか、借り手がつかないか、どっちにしても経済の足を引っ張る役回りを演じている。そこそこのサービスを施設のなかでオールインワンのサービスをするので、温泉地の大規模旅館のように、お客さんを囲いこんで外に出なくなる問題もある。

昨年、蔦が這う美しい同潤会原宿アパートが取り壊され、再開発がはじまった。再開発を中心的に担うのが小泉と親しく、回転ドア死事件で悪名を馳せた森ビルだ。その再開発ビルの名称が決まったそうで「表参道ヒルズ」となづけられた。全然魅力がない。旭川市で始まった歩行者天国のような、後世まで語り継がれる話題性はない。
バブル期の話題のビル、六本木アークヒルズとか、北新宿再開発など、その後話題になっているだろうか。

個性がないのに、マスコミで華々しく宣伝される。頭の悪い人がいっせいにおしかける。行ってみれば高い家賃を払えるチェーン店だけ。再開発ビルはつまらない。

◆知人のホームページで、他人が自説を延々と繰り返し展開する書き込みがされています(荒らしというのです)。生産的じゃありませんよね。私のブログを紹介した友人に、「荒らし」が始まると手がつけられないから、今のうちに掲示板とかコメントといった機能は外したほうがいいよ、と勧められました。寄せられた意見の是非については、みなさんの判断にゆだねたいと思いましたが、先日もドンキホーテの火災で差別的コメントが寄せられ削除いたしましたし、その兆しがないとは言えません。いろいろ迷いましたが、本日からはみなさんのコメントの受付をやめます。
通信手段との適切な距離感をつかめない人が跳梁跋扈しているようで、困ったものですね。

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2004.12.19

12/19② 私たちの放送局

NHKスペシャル「NHKに言いたい」を見る。視聴者の意見というのが、おおかた陳腐で、「民間並みに」「コスト削減」そんな話ばかりだ。受信料の使い道を明確に、ということも。明確になるように決算をしようとするから、不透明なお金の流れを作ろうとするのではないか。

では、それをやっている民放がすばらしいのか、というと、ドキュメント番組はほぼ制作できなくっているし、娯楽番組といえば、タレントを並べてしゃべらせているだけの番組が増えた。パチパチチャンネルを変える人が増えた時代に、視聴率競争のもとで収入が左右される民放だけでは放送局の使命や、視聴者のニーズは果たせない。視聴率に左右されない、スポンサーに左右されない、良質な番組を誰が送り出すことができるか、という議論をきちんとしないで、不正や不祥事、エビジョンイル独裁体制の弊害を、単にコスト削減や民間並みのやり方を入れれば解決するとは思えない。

浅はかな世論が横行している。

パネリストの議論は質が高かった。
特に、惹かれたのは、テレビマンユニオンの今野さんが、真鍋博さんの意見を引き合いに出しながら「受信料は義務ではなくて権利だというとらえ方をしたらどうだろうか。権利であるから自分たちの放送という意識になる」という言葉だ。
今はお上の放送、という意識が強い。視聴者が見守る放送局、という意識に変えれば、NHK内での集金人の役割も変わってくるだろうし、職員の特権階級意識も変わらざるを得ない。
一方、鳥越俊太郎は、田原総一郎の真似ををして、エビジョンイルの退陣コメントを引き出そうと追及しているだけで見ていて面白くない。団塊の世代のジャーナリストってどうしてこうなんだろうか。

●昨日の「オニババ化する」に関して。ここ10年ぐらい、中年の入口に立った女性が甥や姪をつかまえて「お姉さんと呼びなさい」と強要している場面に出くわす。それと、親の女兄弟をおばさんと呼ぶのであって、それをお姉さんと教え込んでしまっては、お姉さんとは何の意味だかわからなくなるだろう。いつもそれを見て品のない姿勢だと思ってきたが、昨日、「オニババ化する」を読んで、まさしく子どもにお姉さんと呼ばせることを強要する女性は同書のいう「オニババ」だと思った。

●新藤宗幸「技術官僚」を読む。著者は権威に弱かったり、粘着質だったりと、あまり尊敬できないが、この本はいろいろ学ぶことがある。
この本は、公共事業にぶらさがる技術者たちのナワバリをルポルタージュしたもの。どうしても官僚批判は、政治家を手なづける事務系高級官僚に照準をあてられるが、公共事業の暴走や、薬害エイズの被害の拡大などは、技術系官僚「技官」の問題だということを解明した話。
プロジェクトXなどで日本の繁栄を支えた縁の下の力持ち元という感じで美化されている。しかしその実態は、官僚の世界だけではなく、行政コンサルタント、工科系大学教授、ゼミ同窓、ゼネコン、専門業者など一大コングロマリットをつくり、社会的価値や要請と無関係に、自己増殖しつづけている姿が浮かび上がる。
岡並木さんの「江戸・パリ・ロンドン」でも「技官」の世界が、公共事業の体質を歪めているということは、明治期にお抱え外国人と言われた外国人技術者が指摘している。「お抱え外国人」が日本のよい伝統技術や生活スタイルを生かしてつくりあげた公共事業を全面否定して、西欧の猿真似の公共事業ばかりをやりたがることを指摘している。
ものをつくっていれさえすれば、仕事をしている、という誤解は払拭しなければならない。

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12/19 働きかけの効果

連合総研レポート189号に今年の10月中旬に首都圏と関西圏で実施された「第8回勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート」の結果が掲載されている。

参議院選挙に関するアンケート項目が興味深い。

投票の働きかけ、つまり選挙運動の効果を計る項目がある。

それによると、どこからも働きかけがなかったという人が55%。選挙運動に手間暇を膨大にかけて(特に最近は団体の縛りが有効性を失っているので、個々の支持者にあたっていく割合が増えている)、この結果かという感じ。公明党支持層だけが働きかけがなかった人の割合13%というのも興味深い。逆に共産党支持層も半分以上の人が働きかけがなかったというのは、ちょっと驚きだし、共産党の低迷ぶりが感じられる。

また後援会の働きかけというのは、社民党、共産党支持層に強いというのが驚きでもある。他の政党はのきなみ10%を切っている。日本の政治風土と切っても切り離せない後援会だと言われているが、その存在感は確実に低下している。
労働組合はというと、組合員の22%しか働きかけを受けていないという結果。いくつかの地方選挙での個人的体験、参議院比例代表の結果などから、労働組合の票は推薦した組合の構成人員の2割が相場だが、実は働きかけが2割しか行われていない結果となっている。全員にきちんと働きかけが行われていれば、公明・共産の支持層を除けば全員ということはないにしても、労組の構成人員の50%ぐらいの得票につながるのではないか。

同業者団体のはたきらかけはやはり自民党、町内会自治会が、自民党かと思うと、もはやそれは1%も満たなくて、公明、民主の順。宗教団体、文化団体は公明、共産、民主の順。友人知人と親戚は公明、共産、社民の順に働きかけが強く、組織選挙の方法論を身につけたところは、徹底してつてをつたって票集めをしている背景が見える。
首都圏と関西圏の支持者で違いが見られるのが、働きかけ受けなかった人の割合がそもそも大きく違い、首都圏は6割にも達する一方、関西は、まだ45%程度で、関西のほうが、宗教団体、後援会、友人知人のネットワークによって選挙が行われる。
男性と女性の差では、地域や友人知人の推薦は女性が多く、職場の人間関係の働きかけは男性が多い。

また、選挙に棄権した人の投票する意思についても聞いていて、
始めから棄権するつもりだったという人は棄権者の34%、首都圏と関西圏では、関西圏のほうが始めから棄権するつもりの人が23%と少なく、首都圏は4割近くに達する。首都圏は確信的棄権者が多い。
支持政党別では、公明、共産支持層では、サンプルとならない程度にしか、棄権者が見られなかった。そのわずかなサンプルも投票するつもりだったと回答している。
支持政党別では、支持政党なしが多く、次に自民党で、自民党支持者の棄権の高さというのが自民党の不振につながっていることは間違いない。自民党は中選挙区制のもとで候補者のバラエティーでもっていた政党なので、小選挙区制だったり、先の参議院選挙のように複数定数区でも1人しか擁立しなかったりすると、自民党支持だけどこの人には入れたくない、という力が働くのかも知れない。
とりこぼしが目立つのが民主。棄権した人のうち、投票するつもりだったと答えた割合が8割近くにものぼり、この人たちが確実に投票されれば、得票率がもう3~4%上積みできた。

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2004.12.18

12/18② 暗澹たる県議会

埼玉県の新しい教育委員の任命をめぐっていろいろな動き。

マッチョ上田知事は、県議会等で、度重なり「新しい歴史教科書をつくる会」の右翼的偏向教科書を前向きに捉える発言を繰り返している。
そして、この会の元副会長の高橋史朗氏を教育委員に任命することになった。
それに対して、埼玉県議会94人の議員のうち、知事の立場に賛同する、自民党と民主党右派の「地方主権の会」の72人が「県議会教科書を考える議員連盟」を結成し、新しい教科書をつくる会の藤岡信勝を講師に呼んで、つくる会の教科書採択に向け気勢を上げている。

埼玉県の県議会とは恐ろしく前近代的なところで、人口の5%も使わないような原住民語がいまだに共通語。そんな感覚からか、生活に役に立つ政策なんてほとんど議論されずに、とても700万埼玉県民の意識に近いとは思えない右翼的イデオローグたちが跳梁跋扈している。昨年の春の選挙でせっかく躍進した民主党も分裂し、右派が地方主権の会という分裂会派を作って、自民党顔負けの右翼的主張を繰り返している。埼玉県議会で、近代政党といえるのは公明党ぐらいだ。

村からあっという間に市になった自治体が多く、県議選の選挙区が1人区ばかりで、どうしても保守が無投票または、対立候補が無力な共産党だけという選挙で選ばれてくるため、そんな感じになってしまう。

こうした右からの動きに対して、阻止しようとする側の運動が陳腐でどうにもならない。
相変わらずの、違法性の主張、署名活動頼みだ。知事の任命に違法性は少ない。署名活動しても議会で否決されて終わりだ。
こうしたことになっているのは、埼玉県の左側の陣営が、選挙を直視せず逃げ続けたことに原因がある。知事選挙も、県議選挙も、まじめに左側陣営が取り組んでいるのを見たことがない。

政治では旧社会党の問題もある。
社会党右派の国会議員出身の畑和知事が、知事になるエピソードのなかで、左派が畑を潰すために知事選挙に担ぎ出して落とそうとする話が出てくる。幸い畑氏は知事に当選する。しかし、埼玉社会党はその後も派閥入り乱れた抗争に明けくれて、協力して県議会で勢力を伸ばす努力をせず、公明党や共産党に追い抜かれ、県議会の自民党王国づくりに加担してしまった。その結果、今では右翼陣営からの県政乗っ取りに何の対抗する手づるを持っていない。
旧民主党時代、埼玉の民主党結成にいろいろ関わったが、本当社会党出身の地方議員たちの仲の悪さには辟易した。結成総会で、社会党出身者どうしで怒鳴りあいの人事抗争をやっていた。これでは左側はなめられ続ける。

暗澹たる埼玉県だ。

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12/18 オニババはそこに

先の衆議院選挙の直前に候補者調整を口実に民主党の公認を取り消された人が北海道から上京してきたので会う。
目黒雅叙園で会ったが、そこの飲食店の店員の態度があまり良くない。やくざが丁寧語を使っているような高圧感。土日は結婚式の対応にしっかりした店員がみな出払っているのだろうか。

●往復の車中で三砂ちづる「オニババ化する女たち」を読む。
性やお産の身体感覚を取り戻すというモチーフにとても共感。著者はブラジルで40%も行われている帝王切開を減らす活動に従事した。その経験から、医療漬けのお産が女をダメにしているか、というところから話を展開する。
性教育が知識教育になって、かえって妊娠や、出産をネガティブに捉えるようになってしまっていることを嘆く。保守派の性教育をやめろ、左派の性教育を絶対すべき、という対立があるが、どちらも、性と向き合わない違和感を感じていた。動物は医者も何もないのに普通にお産をし、へその緒を切り、子どもを育てているのに、人間だけが、医者に頼り、苦しんでお産をし、人任せに新生児を扱うのか、まったく理解できないでいたが、この本はその答えを教えてくれる。
あと、仕事ばっかりしている女性(キャリアウーマンという種族)の生活感覚のない、うわついた感じも、言葉になったような感じがしている。そんなだから、この本がいいなんていうと、フェミニストたちは激怒するんだろうなぁ。でも男、女って、いろいろな差別をなくしていったら、こうした身体性こそ大切になるんだと思うんだなぁ。
あと、男は性から身体感覚をつかむチャンスがなかなかないため、滝に打たれたり、苦行をするのだ、という説明も納得。ぼくはしませんが、周りの男たちは多いなぁ。苦行系。

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2004.12.17

12/17 ビラ配り

立川で自衛隊官舎に反戦ビラを配布した3人に無罪判決。上告されそうで今後も気が抜けないが、ひとまずよかったと思う。
しかし、こうした取り締まり自体を違法だとはしなかったし、75日にもわたる、刑事訴訟法からも問題がありそうな勾留などについては不問なのが残念。

仕事柄、選挙ともなるとビラ配りをさせられるが、最近、過剰な防犯意識のせいや、政治不信のせいで、ビラ配りをしているとくってかかられたり、不審者扱いされたりすることが多い(東京でビラ配りしていると、共産党関係者がおっかけまわすのがほんとう面倒だ。豊島区下で杖もった共産党のおじいさんに「きみたち違法だ」とおっかけまわされたときにはほんとうに迷惑した。自分たちが弾圧されたら嫌がるのに、どうして選挙運動や、政治活動の自由を自ら首締めることやるのか不可解だ)。また政治そのものに不信感が高く、政治なんてどんどん取り締まればいい、という風潮も強い。
そういう社会環境の中で、立川の3人の被告のように、不法侵入でやられることに、政治関係者以外からは何の問題意識も生まれない。この判決が逆だったら、と思うと末恐ろしい。政権党に反対する政党の支援活動を行い、マンション等でビラ配布をして、住居不法侵入なんてやられたら、有権者と政治活動との間のコミュニケーションは断たれてしまう。地道に1人ひとりに政治活動を伝えていく努力が不可能となれば、民主主義の可能性というのは閉ざされてしまう。政治の情報は限られたチャンネルでしか伝わらない。企業ぐるみ選挙、官庁ぐるみ選挙に、地域や市民が対抗していく術を失う。

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2004.12.16

12/15 聞いてはいけない話

ちょっと前までは、人の話を聞かない、という姿勢は、国会議員のように1つ1つの話に対応していたらきりのないほど忙しい人か、天皇のように偉い人しかやってはいけないたしなみと思っていました。私のような偉くもなく、人並みよりちょっと忙しい程度の人間は、どんな話しであれ、一度は聞かなくてはならない、というような義務感に囚われていました。

このブログを読んでいただいている方はわかっているとは思いますが、私は他人より理屈っぽい。法学者のような、ああでありこうであり、ああといえばこうもいえ、というような結局何が言いたいんだと言いたくなるような小理屈を延々、ということはありませんし、理屈の精緻さに問題はありますが、でも理屈っぽいですね。

そんな自分の性格の引け目をよくわかっていてか、あと、人の言い分も聞かずにわかったよなう顔をして、ふん、とくわえタバコをするような人があまり好きになれないせいかも知れません、どんな人もシャットアウトせず話を一度は聞いてみなきゃ、と思ってきたわけです。
また前職では、在職期間の5年間、職場では一番の最後に入社した社員であったこと、今の職場では、電話を率先して取る習慣がないため、結局、いろいろな面倒な電話を聞く立場におかれ続けてきたことも、そうした習慣になってきたと思います。

しかし、聞くことによって、応えなくてはいけない、聞いたことによってトラブルがどんどん肥大化していく、ということが、あるんですね。ふんっ、ってくわえたばこをして、「それで?」という顔をしたり、気むずかしそうな顔をして聞かなかったことにしたほうが、人を傷つけたり、困らせたりしないで済むことが多いなぁ、と思うことが増えています。また、聞いてしまうことで、自分の立場が疑われたりもすることもありました。そうして私も、電話を取らない人になっていっていることに気づきました。

そんなんで最近は、本当電話が苦手です。私的な時間では、気心知れて、この人は何も害毒にならない、とわかる人しか電話に出られなくなっています。近畿方面の方は電話を遠慮するという風習が見られませんが、そうした感覚の方にはなぜ電話に出ないのか、と怒られている方もいると思いますがご容赦ください。早くこの神経質な状況から自由になりたいと思っています。

今日は何だかよくわからない日記ですね。すみません。

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2004.12.14

12/14② ローマ帝国のパン

ドンキホーテが焼けた。亡くなった3人の従業員には冥福をお祈りする。

このお店を初めて知ったのは、98年、保谷市議選で同い年の候補者の選挙事務長をやっていたときのことだ。武蔵野市に隣接する住宅地のど真ん中に24時間の郊外型小売店ができる、というので、駐車場問題、静穏な生活環境の問題などで、反対運動があり、それが選挙戦の1つの争点になっていたからだ。私の担いだ候補者は、あまり熱心にこの問題にはかかわらなかったが、同じ党の他の議員が、この問題に積極的にかかわっていて、その動きに追随していたおかげでいろいろな話を聴くことができた。
ドンキホーテの出店はとても強引なもので、規制がなければ反対運動があろうが何だろうがお構いなし、という姿勢だった。住民も夜間開店だけでも何とかしてくれ、と譲歩したにもかかわらず、全然聞く耳を持たなかった。

真夜中にコンビニでも買えないような、しかも生活必需品でもないような物を買うという理由がわからなかったし、そんなものをクルマで買いに行くというのもわからなかった。ましてや繁華街でもないところに、そんな店があるというのはもっとわからなかった。そんな感じで、たった6年前だが、住宅地に24時間の大型店を出す、という発想が信じられなかった。

ところが、その後、首相が森や小泉になって、規制緩和万々歳路線になり、夜中に必要もないものを周辺住民に平気で迷惑かけながら売る店に異を唱えることが、人間の可能性を否定することのように言われるようになって、反対すること自体に歯が立たなくなった。結果として、ドンキホーテはあちこちに建って、全然珍しくなくなった。並行して、全国の田圃の真ん中にイオンもできていった。

社会的な合意、あるいは安全上の規制というものが、「人間の可能性」という美名のもとに、単なる経済活動の阻害要因として否定され続けている。小売店が24時間やるようになってどうなったのか。計画的に買い物をすることがなくなった。珍しい物を衝動的に買うようになった。お店の欠品に納得しなくなった。政権与党が失政しても何もないが、目の前の店で欠品があれば、猛烈な抗議が行われる。まるで退廃のローマ帝国である。

この火災は放火であり、店側に犯罪性はない。
しかし、死亡者が出たのは、消防が入れないような状態であった可能性は高く、そうであるなら、ドンキホーテの売場作りに問題があると言わざるを得ない。そして出店にまつわる反対運動を全く無視し続けて、恨みを買うようなことも問題だったと言わざるを得ない。
ただ便利なだけ、ただ快適なだけ、後先考えない、そういう行動をそろそろやめるべき警鐘となる事件だと思う。
全国の消防当局は、徹底的に立ち入り検査を行うべきである。

◆追記 トラックバックがついてきました。音楽の専門家という方のホームページからですが、犯人が精神異常者と決めつけ、犯罪者を社会から抹殺せよ、とするものです。そういう偏見を拡大するような意見には与することができません。また犯罪者は死刑になれば抹殺できますが、そうでない場合はもっと弱い立場の人たちが集まる地域や裏社会が引き取ることになります。トラックバックから削除いたしました。

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12/14 

午前中、地域福祉計画策定市民委員会の経過報告の会議。市役所職員等への説明を行う。
午後、太田さんと次世代育成支援計画へどう市民の意見を反映させるか、いろいろ議論。
夕方、自宅に児童福祉の専門家の東洋大学の森田明美先生と、子どもの権利条約の運動を続けておられる平野裕二さんがお見えになる。森田先生には、自治体の福祉計画をどの視点で考えたらよいか、アドバイスをいただく。平野さんは活動拠点を出身地の福岡に移されるという。寂しい。

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2004.12.13

12/12 一市民として

午前中、組合機関紙の年内最終号で子どもの本の記事を掲載するため、表参道のクレヨンハウスを取材した。インタビューに対応していただいた吉村さんは、子どもの本という意味を、子どもから読める本ととらえたほうがよい、というお話に同感。人間関係の不全が見られる社会のなかで、それにまつわる本が売れているという。

午後、自宅に家族の友人夫婦が訪ねてくる。

夕方、北朝霞公民館で市の地域福祉計画の「住民ザ談会」が開かれ、座談会の進行をやる。いまいちピンと来ないのか、参加者が少なかったが、活発に議論できた。市職員の参加者からも、一市民としていろいろ発言できる関係がつくれたのがよかった。ただ参加者が町内会関係に偏っているのが気になり、そのバイアスを少し考えた結論をつくらないと、新住民のまち朝霞の地域福祉はうまく進まないのではないかと思う。

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2004.12.12

12/11 先生たち

ここ数日、大学を舞台にした、痴漢、強姦事件が相次いでいる。
男と女のジェンダーを心理学から強調するような本を出している四国の大学教授が、治療と称して、相談にきた若い女性にわいせつな行為をしていた、という記事が気になり、検索サイトで検索。
なぜか女性に多いが、自分のやっていることがうまくいかない理由の正解がどこかにあるんじゃないか、と思って宗教や、トラウマやコンプレクスに根拠を置く心理学に依存する人たちがいる。これまで、そういう人たちを食い物にする巷の宗教者や、心理学者が、ハーレムを築いたり、カルト集団をつくったりすることを何度か聞いてきた。さもありなんという感じがしている。もちろんそういうことせずにやっている宗教者や心理学者の方が多数派だが。

そうしたら、そういう犯罪加害者の顔写真を掲載しているサイトがあった。趣旨がわからないでもないが、人権上問題があるので、ここでは紹介しない。それを見て驚いたのは、痴漢、強姦といった犯罪が、教育関係者と医療関係者だけで半分ぐらい行われている。若い人を除くと、ほとんどこの2つの関係者ばかりだ。
これらの業種は、人に「正解」を与える権利がある、ということだ。そういうところに、他人の秘めていることまでに介入してしまったり、自分の立場を過信したりするのがあるのだろうか。
ああそうそう、独裁国家の首領様たちも、そういう話が尽きない。人の内面を支配することは、危険だ。

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2004.12.09

12/9 人身事故

konzatsu今朝は、和光市駅で地下鉄に乗り換えようと思った途端に、人身事故で運転中止。東上線で池袋にまわり、西武のルノートルでコーヒーを飲みながら、地下鉄の運転再開を待つ。池袋の駅は大混乱。マイナー路線の有楽町線でも、運転が止まるとこんなに人があふれるのか、と思う。また東上線も、有楽町線という迂回ルートがなくなると、昔のようなひどいラッシュが戻ってくる、ということを痛感した。

人身事故は17歳の高校生の自殺だった。私もたまに思い詰めることがあるし、特に高校生の頃はそれがひどかったので、自殺はダメ、とは言う権利はないし、言い切れないが、悲しい。それから、事故の後に、遺体を片づける駅員さん、その人たちに謝る遺族、いろいろな情景が浮かんでくる。

地下鉄が止まっているので、迂回して職場に行けないこともなかったが、迂回ルートの改札に入るのも一苦労、そして乗れば混んでいるに決まっているし、混んでいれば電車は一駅一駅ゆっくりにしか進まない。乗り換えも大変、多分そうしてあくせくたどりつくのと、待って地下鉄でパッと移動するのと着く時間はそんなに変わらない。そう思ったらゆっくり一日の仕事をどうするか考えよう、と思い、地下鉄の開通を待ち、コーヒーにした。

●地下鉄の事故の対応について。
良かった点:いつもはこの手の事故があると、全線運休にする有楽町線だが、今回は10分もしないうちに事故のおきている区間を除いて折り返しだが運転を再開した。最近、事故があると全線運休が長時間続くのは、運行管理がシステム化されているせいか、適当に引き込み線のある駅まで運転再開、というような人間系の問題解決ができなくなっているのだろう。そういう難しい中にこうして改善しているのはよい。
悪かった点:振替乗車券や遅延証明書の配付を、1改札に1ヵ所しかない有人改札口だけでやっていたので、乗客は大混乱していた。こういうときには、もっと人の流れやすい場所でそういったものを配るべきだろう。
良くも悪くもないが、夕方の帰りの電車でも地下鉄の車内アナウンスで朝の事故について謝っていた。地下鉄会社の落ち度での運休ではないのだから、謝る必要はないと思う。謝るぐらいなら、ホームドアをつけて飛び込みできなくすべきだ。飛び込んできた人を轢いてしまった運転手、遺体の片づけをする駅員、目撃した乗客、誰もが辛いだろう。

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2004.12.08

12/8 富士通をほめる

我が家のコンピューター+電話回線騒動が一段落つきそうだ。

ことの発端は、ISDNしか入らなかった私のマンションが、やっと東京電力のテプコ光が入り、ブロードバンドが可能になったことで、それを導入したことだ。
今回、多くの問題にぶちあたり、かれこれ10日以上問題解決にかかったが、終始丁寧に対応してくれたのは富士通とその子会社のニフティーのサポート。24時間だったのもありがたい。

ところがダメダメは、テプコ光を売る東京電力と、Windowsのマイクロソフト。
実は、テプコ光に対応したLANカードを使うには、WindowsMe以上のOSが必要なのだが、我が家のOSは両方とも98。OSをバージョンアップしようにも、ハードディスクが限界で、苦労したり失敗したり。マイクロソフトに、その相談はをすれば、パソコン本体を売った富士通にたらい回ししておしまい。しかも19時には一切の窓口を閉じる。いろいろ調べたが、電話を掛ける先も、全然見つからなかった。独占的に提供されているOSは社会インフラともいえる、それをフォローする会社のそのような対応は、独占企業の怠慢と批判されても仕方がない。
テプコ光は、回線屋なのに、回線に関する質問は何一つ答えられず、すべてニフティーにたらい回し。
光り輝くマイクロソフトと東京電力。両者の高収益は企業努力じゃない。面倒な仕事を立場の弱い会社に押し付けているだけなのだ。

富士通批判をいろいろ聞く。確かにそういう問題の抱えた会社なのだろう。しかしこうした困ったとききちんと対応してくれるのがよかった。高いソフトウエア代も開発コストとフォローの費用と聞いている。利用者にとってのメリットはフォローでしかない。それをきちんとやりきっている会社はもっと誉められていいと思う。

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12/8 労働組合の地域参加

中堅中小スーパーやデパートの労働組合のサービス流通連合が、地域のまちづくり政策にかみ、自治体に積極的に提言していくという方針で活動していることが、日経流通新聞12月6日号で伝えられている。

労働組合の地域政策への参加というのはもっともっと必要だと思っている。個々の労働者が接客し、お客さんに苦情を言われたり、お客さんの抱えている悩みや相談ごとを、職場だけで解決しようとするのではなく、もっと地域に出すことによって、よい地域がつくれるし、また地域に足がかりのある職場づくりにもなる。

そういう意味で、中堅スーバーやデパートというのは、地域の公器で、まちづくりにどんどん発言していく意味はあると思うし、お客様である地域住民との共通認識がつくりやすいと思う。

同じことが、交通関係の労組にも言える。交通産業は仕事のシステム上どうしても身分社会的な構造をもっている。そのため、本社で地域開発に携わったり運行管理にあたる職員と、現場でお客さんからいろいろ言われながら運転手、車掌、駅務員などのお客様との関係だけで完結させなくてはならない仕事に分断されている。
本当は、駅員など地域のいろいろな問題、地域社会と交通事業との接合性の問題などいろいろな声が集まっているのに、政策として地域社会や企業に反映されない。

大手私鉄は大企業なので、現場労働者の声がほとんど本社に反映されない。本社は勝手な開発イメージで、駅ビルと住宅地の開発しかやらない、不動産を売ったら売りっぱなしという地域のかかわり方しかできていない。住宅地の付加価値とはそういうものなのだろうか。福祉事業と連携したり、あるいは自らやったり、町内会にかわりユーザー会などを組織して、人間関係の付加価値をつけないと、いつまでたっても運ぶだけの仕事から脱せられない。

そういうところに風穴を開けてほしい。私の勤める労働組合は1954年からそうした取り組みをしている。しかしこちらは一方で、労働者自らつくるということより、行政の施策を組合が追認するような動きになってしまっている。みずみずしさの回復が求められる。

東上線が3月17日7年ぶりにダイヤ改正する。以前も指摘したが、池袋から60キロ近く離れたところの複々線化にともなうもので、そうしたいなかの電車の本数を増やすというもの。評価点は22時台の急行を1本増やすこと。最近、長時間労働が当たり前になってしまい、22時すぎの電車は朝のラッシュ以上に混雑し、止まる駅ごとにドアが閉められず2~3分止まるような状況。改善点を評価したいが、本当に混雑する23時以後については何も手をつけられていないことは今後の課題。それから休日だけ走る特急が速くなること。これはあまり利用価値がない。地下鉄直通の電車も増やしてほしい。特に朝は。

●すでに気づかれている方もおられるかと思いますが、ここ1週間トラブルに巻き込まれて、投稿を止めておりました。謹んでお詫び申し上げます。

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2004.12.02

12/2 くさい物にふた

夕方のNHKニュースで、不法入国者が入管に自己申告すればペナルティーを科さずに帰国させる、という制度が始まっているという。いままでよりましな政策ではあっても、筋が間違っている。
現在、法務省・入管がとっている外国人の締め出し政策は、単純なオーバーステイの外国人の居場所を失わせる一方、組織で守られた悪質な不法入国者が放任されることを結果的に容認している。
その枠組みを維持したままで、今度の制度を始めれば、入管に申告できるような良好な環境におかれた外国人がどんどん帰国し、不法行為を働き、入管にとても申告できないような不法入国者が滞留することになる。
また、本来被害者とも言える人身売買によって日本にやってきた人は、こんなことでは救われない。

●おととい、私は燕市の商工振興課を取材したが、そのときこんな取り組みも始まっている、として紹介された「磨き屋シンジケート」が、NHK「ご近所の底力」で紹介された。営業活動に悩んでいるので解決してほしい、という内容。

●野地秩嘉「サービスの天才たち」(新潮新書)を読む。気持ちまでつかむサービスのできる人々を紹介している。共通しているのは、客に神経質な動きを伝えないこと、という。自分がせかせかと仕事をしたり、焦ったりで、周囲に不安を与えていないか、もう一度点検してみる必要あり。私も、わざとらしく客をびっくりさせるようなことをする店や、チェーンの居酒屋のように、店員が大声はりあげて会話も成り立たないような店に不快を感じている。

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2004.12.01

12/1 仲買人

渡辺さま、コメントありがとうございます。聴き取り調査の重要性は本当に高いと思います。

私はかねてより、農民が弱者と一面的に捉えることはどうか、と私は思っています。私の祖父が青島の商人で、第二次世界大戦で無一文で日本に帰国し、親族の農家に小作農で入っていろいろ意地悪された聴くにつけ、農民が弱者ということはほんとうに一面的なとらえ方でしかない、と思っています。
戦後も、自由民主党は地主、米農家を甘やかす政策ばかりを展開してきたわけです。そうした自由民主党に甘やかされた農民と労働者階級は連携しえない、という問題意識があります。ですから、社会党が勤労者の切実な望みに応えず、むしろ地方の社会党を支持している人がごくわずかしかいない農民運動に顔を向けていることに、情けない思いをし、早く都市住民の声を代弁する政党ができないか、と思ってきたのです。

仲買人の話でいえば、昨日、燕市を取材して、仲買人ともいえる金属部品の専門商社が、燕市の金属加工業者を営業を全面的に引き受けています。そのため工場経営者は営業の苦労から解放され、技術の研鑽に集中できた実態を聴きました。
その結果、世界でもまれな技術の集積が可能になり、業者は公務員以上の所得を得ているようです。新潟県というあまり第二次産業が盛んでない土地で、公務員なみの収入を得られるということは相当レベルが高いということになります。

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