12/21 外国人に関する問題
外国人が日本に在留する話をめぐり4つの話。
1つめは、メピサさんの在留資格を認め、ビザを出す、そして基本的には更新を繰り返す方針を法務省が出した。
2つめは、フィリピンから看護士、介護士の「輸入」を政府が容認したこと。
3つめは、外国人がたくさんいる横浜の売春街を警察挙げて取り締まりを始めたこと。
4つめは、入管の外国人の留置施設で職員による暴力が行われていたこと。
2つめの介護士、看護士の話は以前にも書いたので、割愛。電機製品や自動車の輸出のひきかえに人を輸入するという政府間の協定は、あまり感心できない、ということを言い添えたい。
1つめのメピサさんの件については、よかったというもの。国籍がない、ということに是非論はあるが、子どもが居所のあるところで、育つこどかもっと認められなければならない。親もいないタイに返してどうする、ということを真剣に受け止めたのだろう。法務省の英断を賞賛したいが、こういう場当たり的な対応で、今後グレーゾーンの話が出てきたときにどうするのか、メピサさんのようにマスコミが応援してくれた子だけ優遇する、というわけにも行かない。
3つ目の横浜の売春街の摘発。
かつて援助交際が流行した頃、強制ではない売春を前提に、その是非を女友だちと議論したことがある。その友達は是、私は非の立場。望まない性行為をしなければならないことにどうしても陰惨なイメージがつきまとっていたからだ。
しかし、いろいろ当事者たちの手記や、売春防止法施行時の売春婦たちの動きを知るにつれて、そういう一面的な見方に限界があると思った。
1つは、望まない性行為や関係性は商売上であったとしても許されないということ。かみくだくと風俗店で、お店の人が嫌がることを、お金払ったからといって客が強要するのはおかしい、ということだ。最近「風俗嬢」にストーキングする人が多いという。ゆがんでいる社会だ。
1つは、否定する限りにおいて、売る人の人権が徹底的に擁護されなくなってしまう。
また、売春が主力産業になっているある離島がある。そこの始まりは、船乗りたちの現地妻として売春を行ったところにルーツがある。船乗りたちに、性的サービスだけではなく、家事をし家庭の代替機能を果たしたらしい。そんなことを考えると、専業主婦や不倫の相手、プレゼントをたかるだけの恋愛関係に比べて、売春婦が特段人格的に差別されるということに何の言われもないということがわかる。
そうわかっても売春が全面的に肯定できるとは言えないし、売春にまつわって暴力団や暴力団の影響下で甘い汁を吸う人たちが跳梁跋扈していることは問題だと思うが、それが摘発して解決するとは思えない。
今、石原都政のもとで警視庁が風俗産業を徹底的に弾圧しているが、結局、住宅地のある近隣県の飲食街に風俗店が開店するか、それもダメなら無店舗型の風俗店(デリヘルなど)に移っている。デリヘルの開業許可はとりやすいらしい。私の住むマンションにもおびただしい頻度でデリヘルのチラシが入ってくる。店舗でないところで売春をすれば、何が行われているか、店側が管理したり規制したりすることはできなくなる。ラブホテルなどに派遣される売春婦が時折殺されているが、そういうことも起こりうる。最近は狙われるのは外国人の売春婦ばかりだ。
横浜の売春街の問題は不法入国の外国人が多いということなのだろう。人身売買で日本に連れてこれられて、売春させられていると言ってよいのだと思う。人身売買の入り口をきちんと取り締まらず、来てしまった外国人を取り締まっていい結果になるのか疑問だ。本国に返されても、また売られるだけだろう。売春をしている人たちに対する、きちんとした支援やケアをして、売春したくない人には売春しないで生きられる道を、可能であれば国籍のある国で、なければ日本で機会をつかむようなことをしなければ、証拠が押さえられにくいデリヘルなどの派遣型風俗に流れていくだけで、問題は解決しない。
4つめの、入管の暴力。扱いに問題があって抗議のハンストをした外国人に職員か暴力をしたというもの。これに対して法務省はありえないと答えている。ありえない、という回答がよくわからない。公務員のありえない、という言葉はもう信用ならない、というのが市民感覚だ。入管の暴力はよく語られているが、日本のイメージダウンにもなる。不法入国者には、それ相応の対応をすべきで、暴力をふるってよいというのは大問題だ。
●「クローズアップ現代」に江川紹子さんが出ていた。びっくりするぐらい美人になったし、楽しそうに笑うようになった。話の本題とは関係なく、そんな江川さんを見ているとなんだか嬉しくなってしまった。一方、NHK教育「福祉ネットワーク」に上野千鶴子が出ていたが、身勝手な話と、介護保険を絶賛し「恩恵から権利の福祉になったんですう」なんて言っている。「パターナリズム」「当事者主権」これらは、5~10年前に福祉業界や市民運動業界では十分知られた言葉でまじめに福祉や市民運動やってきた人ならたいてい知っている概念だ、何を今さらという感じ。それを自分のネームバリューで得意げにマスコミに押し売りしている上野の態度はよろしくないし、あまり役に立たない。
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