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2004.12.21

12/20② 政府予算の内示

政府予算の財務省原案が内示された。

財政難、国債を返さなくてはならない、といいながら、生活保護や地方交付税に出血を強いて、新幹線や関西空港は満額回答。公共事業の削減もほとんどなし。財務省とは何をやっているところなのだろうか。
新幹線など、受入自治体が迷惑しているのに、九州の土建業者がむりやり押し込んだような感じだし、関西空港の追加工事は、神戸空港の建設と並行して行われる。まったく意味不明だ。

さらには、国の借金の返済のための増税という話。一定の増税は必要だと思うが、それは少子高齢社会や社会の複雑化を前提にして、個々人の可能性を引き出すための社会保障制度の改革のために使われるべきだ。借金返済のために使うのかと思うと筋が違うような感じがする。
国が借金を返すのはいったい誰に対してなのだろうかか。それは銀行ではないか。銀行は貸し渋りをした挙げ句に安定した貸し先として国債を買ったのだが、都合変われば、増税で返すというのがモラルにかなうのだろうか。

金子勝氏・神野直彦氏が「社会保障政府の構想」という本の中で、現有国債は返さず増やさず管理する、という考えを提示している。侵略等で国家が破綻しない限り、国家がした借金は返さなくてよい可能性がある、という前提に組み立てた議論で、国債を増やしさえしなかければ、国債を返済することによって経済的なデメリットや国民経済への悪影響より、国債を返さないでその財源を人的可能性に投資するほうが、国の力は高まるという考え方を前提にしている。
国が借金を返さない、ということがリアリティーがないように思えるが、実は国債を借り換え借り換え繰り返していけば、誰かが返してもらって、誰かが新たに国に投資しているということだけだ。国債の信用維持だけやっていけばいいことになる。イギリスには永久国債という考え方がある。誰かが国債を売り、その国債を買えば、国債は償還する必要はない、返すべきときは国が滅ぶ時だけ、そのときは返す必要もない状態だというもの。

ナショナリスティックに意味もない国債残高を憂うより、そのナショナリズムを利用して銀行と土建屋のために国家財政が使われている、そのことにもっと国民の怒りがあってもよいはずだ。

◆なんだかわけのわからないコメントが来たので、削除いたしました。中国の教科書が悪いからと、つくる会の教科書が民主的ですばらしい、と。さらには北朝鮮とつるんでいたのは社民党なんです、という紹介まで。そういうことをどうして私のホームページに書き込むのか、よく判りません。社民党の代弁をしているわけではありませんのに。
北朝鮮の片棒を社民党が担いだと思います。しかし北朝鮮に実質的な便宜を図ってきたのは政権党しかできないことですし、そこにはいろいろな国内の利権にからんだアンダーグラウンドな組織が関与しているらしい、というのはちくま新書の「拉致はなぜ防げなかったのか」などに書かれています。世の中にちょっとでも接点があれば、外交問題というのはそんな単純なものではないことぐらい感覚的にわかるものです。

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