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2004.12.18

12/18② 暗澹たる県議会

埼玉県の新しい教育委員の任命をめぐっていろいろな動き。

マッチョ上田知事は、県議会等で、度重なり「新しい歴史教科書をつくる会」の右翼的偏向教科書を前向きに捉える発言を繰り返している。
そして、この会の元副会長の高橋史朗氏を教育委員に任命することになった。
それに対して、埼玉県議会94人の議員のうち、知事の立場に賛同する、自民党と民主党右派の「地方主権の会」の72人が「県議会教科書を考える議員連盟」を結成し、新しい教科書をつくる会の藤岡信勝を講師に呼んで、つくる会の教科書採択に向け気勢を上げている。

埼玉県の県議会とは恐ろしく前近代的なところで、人口の5%も使わないような原住民語がいまだに共通語。そんな感覚からか、生活に役に立つ政策なんてほとんど議論されずに、とても700万埼玉県民の意識に近いとは思えない右翼的イデオローグたちが跳梁跋扈している。昨年の春の選挙でせっかく躍進した民主党も分裂し、右派が地方主権の会という分裂会派を作って、自民党顔負けの右翼的主張を繰り返している。埼玉県議会で、近代政党といえるのは公明党ぐらいだ。

村からあっという間に市になった自治体が多く、県議選の選挙区が1人区ばかりで、どうしても保守が無投票または、対立候補が無力な共産党だけという選挙で選ばれてくるため、そんな感じになってしまう。

こうした右からの動きに対して、阻止しようとする側の運動が陳腐でどうにもならない。
相変わらずの、違法性の主張、署名活動頼みだ。知事の任命に違法性は少ない。署名活動しても議会で否決されて終わりだ。
こうしたことになっているのは、埼玉県の左側の陣営が、選挙を直視せず逃げ続けたことに原因がある。知事選挙も、県議選挙も、まじめに左側陣営が取り組んでいるのを見たことがない。

政治では旧社会党の問題もある。
社会党右派の国会議員出身の畑和知事が、知事になるエピソードのなかで、左派が畑を潰すために知事選挙に担ぎ出して落とそうとする話が出てくる。幸い畑氏は知事に当選する。しかし、埼玉社会党はその後も派閥入り乱れた抗争に明けくれて、協力して県議会で勢力を伸ばす努力をせず、公明党や共産党に追い抜かれ、県議会の自民党王国づくりに加担してしまった。その結果、今では右翼陣営からの県政乗っ取りに何の対抗する手づるを持っていない。
旧民主党時代、埼玉の民主党結成にいろいろ関わったが、本当社会党出身の地方議員たちの仲の悪さには辟易した。結成総会で、社会党出身者どうしで怒鳴りあいの人事抗争をやっていた。これでは左側はなめられ続ける。

暗澹たる埼玉県だ。

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