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2004.11.29

11/28 オーラルヒストリー

●御厨貴「オーラルヒストリー」を読む。歴史学や考古学では、文字文献や歴史的残存物から歴史を証明していくということを優先すると聞いたことがある(間違っていたらご指摘ください)。ところが、これでは文献にしか残っていない歴史しか証明できないし、日本のように、公人(公務員や偉い人だけではなく芸能人や文化人など国民の共通認識になった人々)が、退任後、自伝を出す風習のないところでは、歴史の評価が定まらないことが多くなってしまう、という。その重要性は頷ける。※自伝といっても、政治宣伝用のではないもの。クリントンのマイヒストリーのようなもの。
最近、私の同志とも言える友人が、元社会党右派の理論家である議員を訪ねて、歴史的な歩みを対談しながら聴いている。彼によると、社会党と民社党の分裂や、おたかさんブームの迷走は、一般的議論だけでは片づかない、いろいろな動きが交錯した結果だといい、その証言者が次々にいなくなりつつあったり、記憶をたどって語ることが難しくなっていくなかでは、今やらなくてはならないことという。
また、地域福祉計画であちこちにヒアリングに行ったが、文書による証明ということだけでは、ほんとうの課題は浮かび上がりにくい。特に、福祉のボランティア活動をされているような団体は官僚的な文書蓄積能力を充実させるだけの余力がなく、誰かが訪ねて、ボランティア団体の歩みや、活動の壁、転換点、社会に訴えなくてはならないことなどを聴いて整理しないと、何が行われているかわからない。
社会が複雑化して、多様化すると、ますます、現場を訪ね聴き取り調査をしていくことの重要性が高まっていると思う。

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コメント

全くご指摘のとおりです。
 最近自分でも驚く経験をしました。この11月28日端宝館(深谷市)へいって、高田富之氏の祖母の写真パネルを見ました。彼女は農家が作った繭を買い取り、岡谷(長野)などに売る商売をしていたそうです。一時に大量の資金を要するので金をもっていたそうです。
 彼女は中産階級(または小ブルジョア)商人ということになるでしょう。ブルジョアは初めは進歩的だったが、すぐ反動的搾取階級になったと、マルクス主義の公式は教えます。また、商人が農民の作った繭を「安く買い叩いた」などと言いそうです。彼女はどちらに入り、搾取したのでしょうか?写真だけでは分かりません。
 私をそれを見ながら想像をしました。「買い叩き」が事実として、それを避けるため当時の農民が自分で岡谷まで売りにいけるだろうか。きっと旅費がかかるし、旨く売れるとは限らない。商人は手数料だけ受ければと言えますが、商人は自分の裁量と努力でできるだけ旨く高く売ろうとするのです。これが無いと返って安く売って農家の手取りは下がるのでは?では農民が繭の共同組合をつくって売れば?これは繭の等級付けなどで困難があります。それで後に公的に買うようになったと記憶しています。
 どれがどこまで事実なのかわかりません。しかし、公式的な、いつも農民が被害者だという論調に疑問をもちました。「買い叩かれた」(それは搾取だ)けれど、自分で遠くまで売りに行くより良かった時があったのでは。つまり商人が「進歩的」で社会の発展、向上に寄与した面があったのではないでしょうか?

投稿: 渡辺秀美 | 2004.12.01 20:47

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