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2004.11.12

11/12 タクシー会社社長さんの電話から

昨日、地域福祉計画の策定のためのヒアリングで訪問したタクシー会社の社長さんから直々の電話をいただいた。話の内容は昨日のブログと同様だが、コミュニティーバスに対して、ライバル意識と、実際の利用率が低いことへの税金の無駄遣いという話だった。そしてタクシー会社として市にコミュニティーバスの見直しを訴えても、業者の利害を代表して見られるため、言いにくいというので、地域福祉計画でタクシーの役割を位置づけてほしい、という意見をいただいた。

このタクシー会社の社長さんのおっしゃるように、福祉的観点で4000万円分のタクシー券を高齢者や障害者に配ったほうが政策効果は高いと思う。しかし、高齢者でも自分でバス停まで歩ける人もいる。また高齢者じゃくて、専業主婦とか、児童とか、およそタクシー券が配布されないであろう人たちの中に、私交通での移動ができない人たちもいる。タクシーかバスか、という議論ではなく、適切な役割分担を行うことが必要だ、というふうに考えながら、タクシー会社の社長さんのお話しは一理ありと受け止めた。朝霞市の場合、東上線以外の公共交通が全体で弱すぎて、タクシーとバスのなわばり争いをするのではなく、マイカーや自転車といった私交通からどのようにお客さんを取り戻すか、というふうに考えるべきだと思う。

しかし朝霞市のコミュニティーバスは、それを必要と思う市民にとっても落第もので、乗客がほとんどいない。市は乗客数を公開して、市民から政策評価を受けるべきだと思う。今のままでは、自治体財政の悪化からコミュニティーバスそのものが否定される日が必ずやってくる。企画している市の担当者は、このようなバスを利用しているのだろうか。

コミュニティーバスがブレイクしたのは、96年から走り出した武蔵野市のムーバスの成功にある。ムーバスの導入にあっては、地域科学研究会という手間暇かけて調査するコンサルタントと市、都市交通の研究家がニーズ調査を何年もかけて、真のニーズや潜在的なニーズを発掘しながら、事業開発をしていった。

ところが昨今のコミュニティーバスは、日野のリエッセという車輌を購入し、民間バス会社に運転を委託し、なんとなく循環路線にすればいいというような安直なものばかりだ。
コミュニティーバスの開発に携わった武蔵野女子大の教授で、岩波新書の「都市と交通(絶版)」を著した岡並木さん(故人)を訪ねて、雑談のようにいろいろお話しをうかがう機会があったとき、コミュニティーバスの流行を否定はしないものの、そういう安直なやり方が、コミュニティーバスの導入にふさわしいやり方なのか、と疑問を呈しておられた。
というのも武蔵野市でさえ、ムーバス2号路線(現在は4路線ある)以後は、市長の選挙政策のように路線が導入され(それ自体は悪いことではないが)、ニーズに合わない路線設定を進め、利用者が多すぎでパンクしてお年寄りや買い物の荷物の多い人が使いにくい乗り物になってしまったり、裏道を通行することによって撲滅したはずの運行の遅延などが発生していた。

朝霞市の場合、そもそも利用者が少なく、市民に見放されている、というのが問題だ。
運賃の問題もあるが、何が一番大きいかというと、路線の設定だ。市内まんべんなく走らせるために長大路線となってしまっている。そのためわかりにくく、本数も限られてしまっていて、時刻表を見ないと使えない。
ムーバス1号線が最優先に考えたことは、時刻表のいらない乗り物、という考えだ。そのためには遅延と、定間隔運行が欠かせない。定間隔も10分とか15分とか、毎時間同じ時刻表にならないと覚えてもらなえい。
次に、ムーバスはわかりやすさを徹底的に追及した。時刻表もそうだが、バス停の番号化、運賃の均一、1周(往復)30分弱の短い路線、短いバス停の間隔など。
さらに、武蔵野市は私交通を徹底的に弾圧した。いちはやく自転車の放置の強制撤去や罰金を導入し、駅前自転車の利用料を1日100円(月22日勤務で2200円の駐車料!)に値上げ。違法駐車の自動車は監視員が即警察に通報、などのアグレッシブな政策をやっている。そのことで、なるべく公共交通を使ってもらう政策をとっている。
そうした総合的な交通政策があって、たったムーバスの成功がある。100円の運賃で黒字化できた。

朝霞市のコミュニティーバスはいち早く路線網、経営システムを再改革すべきだ。福祉目的ならそれにちゃんと沿うようなかたちで行い、市民交通のためなら、不採算地域から撤退し、その地域の高齢者と障害者に対してはタクシー券の配布など考えるべきだと思う。

またバスかタクシーか、ということではなく、深夜の多人数の乗り合いタクシーを運営している団地の管理組合もある。また、要求したところで止まってくれるバスもある。そうするとタクシーとバスの境目は実はあいまいということが見えてくる。タクシー会社にも、バス的なシステムを導入することも可能性として考えられる。

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