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2004.10.12

01年2月 認可外保育施設指導監督の指針及び認可外保育施設指導監督基準(案)に関する意見

2001年2月28日
厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課 御中

認可外保育施設指導監督の指針及び認可外保育施設指導監督基準(案)に関する意見

                        全日本自治団体労働組合
                        社会福祉評議会議長 檜山 真理

1.基本的考え方

 自治労は、①子育ての質の保障、②セーフティー機能の確立、③公正なワークルールの保障の視点から、保育事業は認可保育所を基本にすべきと考えております。そのなかで認可外保育施設を追認し、設置を促すような施策については反対してきました。
 一方で、ここ1996年以来慢性化している待機児童問題のもとで認可外保育施設のニーズも事業者も増加の一途をたどり、昨年6月神奈川県大和市の認可外保育施設での虐待事件をはじめとした、認可外保育施設での虐待事件が発生しています。
 この事態を受け、認可外保育施設そのものの是非はともかく、現時点でそこで過ごす子どもの人権、とりわけ安全の確保は図られなければならないと考え、厚生労働省が新たに作成した認可外保育施設指導監督の指針(以下「指針」とします)及び認可外保育施設指導監督基準(以下「指導監督基準」とします)について、必要という立場から、パブリックコメント手続きに対応いたします。

2.評価点

(指針第1-1について)
(1) 指針の目的及び趣旨で、「劣悪な施設を排除するためのものであり」という点を明確にしたことは、1980年以来の課題、劣悪な施設に対する積極的な施策として一歩前進したものと評価します。
 また子どもの安全確保のために、目標だけではなく具体的な手続きついて詳細に規定していることは評価します。

(指針第2-3-(1)-②について)
(2) 市町村職員の立会い、立入調査班に地域の保育士が参加することなど、地域事情に対応できるようにした点も評価します。

(指針第4-(3)について)
(3) 事業停止または施設閉鎖命令を行なった場合に、施設名、所在地、設置者、管理者、処分の内容等について公表することは、問題をおこした事業者が再度開業させないために重要と考えます。

(指導監督基準について)
4.指導監督基準は、子どもの安全を確保する人権的視点からの最低限の誘導基準としてわかりやすく明らかにした点は評価します。ただし、あくまでも子どもの育ちを保障するために児童福祉施設最低基準を基本とし、指導監督基準を最低基準に対する第二基準としないように配慮をした運用が必要です。

3.改善要望点・

(指針第1-3-(1)について)
(1) 認可外の保育事業についての把握が、都道府県市町村の担当者の努力を求めていますが、子どもの安全にかかわる保育事業の開業にあたって、認可も届け出も必要としないことは、交通事業、医療など他の安全性を求められる事業と比べても合理性がありません。施設の把握を担当部局の努力にまかせることは、限界があります。届け出義務化は必要と考えます。

(指針第2~第4全般に関して)
(2) 目的で、「劣悪な施設を排除するためのものであり」としていることと、子どもの基本的な人権や安全を守らなければならないことをふまえ、問題のある施設に対して迅速な対応がとられることを保障すべきです。
 「第3.問題を有すると認められる場合の指導監督」が、原則として1か月以内に改善指導を行ない、それで改善されない場合、1か月以内に改善勧告を行ない、改善がされなければ公表を行ない、弁明の機会を与え、「児童福祉審議会の意見を聴」いた上で、やっと速やかに事業停止命令と施設閉鎖命令することとなっています、この手続きを踏むと最低でも3か月程度かかり、慢性的な虐待などについて対応が遅れ、かけがえのない子どもの生命や健康に取り返しのつかない事態が発生する可能性が充分残されます。
 「緊急な必要があるとき」として深刻な事態も想定し、緊急時の手続きの特例を設けていますが、特例のため慎重な運用がされれば、結果としてはやはり対応が遅れることとなります。改善指導する段階で「問題を有する」と判定すること自体が相当慎重な判断を求められますから、基本の手続きをもっと簡略化すべきです。

(指針第4に関して)
(3) 虐待事件など深刻な事態を受けて施設閉鎖命令を出すためには、その施設を利用していた子どもの新たな受入施設が必要になります。スムーズな対応が保障されないと、そこにいた子どもが再び同じような危険性のある状況におかれる可能性があります。新たに子どもが再出発できる保育環境の提供を視野に入れた対応策を検討すべきです。

(抜本的問題解決に向けて)
(4) 認可外保育施設における虐待事件の発生は保育所入所の待機児童問題数と認可外保育施設数の増加と比例する関係にあります。認可外保育施設における虐待事件の対応を事業者に対する監督の強化だけにとどめるのではなく、その背景に対する施策を講じて解決することが必要です。そのために、最低基準やそれに裏づけられた財政支援が保障されている保育施設に入所できるよう、認可保育所の供給量を確保する積極的な施策が必要です。
                           (担当:岩間、黒川)

                            以  上 

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