9/26 ただし田圃の中
●三浦展「ファスト風土化する日本」(洋泉社新書)を読み終える。犯罪多発地帯が郊外型スーパーの多い街だ、というところから、郊外型スーパーが街づくりや子どもの成育に悪影響を与えているか指摘している。地方の子の方が勉強もしないし、遊びもしない、バーチャル化しているということ、消しゴム1つ買いに行くにも、親にクルマ乗せてもらってジャスコにいかなければならないので、自立心も育たない、と指摘している。いたるところに「何でもあるイオン(ただし田圃の中だが)」という表現が笑える。
中心市街地衰退の問題の背景にある、郊外型スーパー、マイカー優先社会の弊害は、21年前に岡並木「都市と交通」(岩波新書・絶版)で指摘がされている。しかし政策としてはほとんど無視され続けた。今もマイカー規制なんて排気ガスの問題でしか語られないし、郊外型スーパーは推奨される一方だ。本気でやる中心市街地の活性化は、郊外の土地利用の規制強化と、まちづくりに関して合意を大切にする仕組みづくりが必要だ。補助線として利用しやすい公共交通の充実がある。働きたくない農家の子孫を甘やかすだけの規制緩和をやっておいて、中心市街地の活性化は不可能だ。
空恐ろしくなるのはp138秋田の人のコメント。「秋田の人は大好きイオンなのであります。秋田にはイオングループがあふれております。というより都心では気づかないでしょうが、地方に住んでいる者ならイオングループの力をまざまざと見せつけられるでしょう。(中略)セブンイレブンも無い、マクドナルドも無い、けどCMだけはやっていたりして、そんな秋田に一番いいイオンが日本で初登場したわけでありますから、秋田の人が喜ばないはずがありません。イオンはターリーズを連れてきてくれましたので、スタバの出店も早まったのではないでしょうかありがとう!イオン」。
田中派土建行政に代わる、いなか開発事業がイオンの郊外型スーパーなのか。
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